完全無料で2Dゲームも3Dゲームも作れる!
いま世界でぐんぐんと知名度を上げているゲームエンジン「Godot(ゴドー)」。
各国で行われるゲームジャムでは、超有名エンジン”UNREAL”や”Unity”に続いて2~3番目に使用者が多くなってきています。また商業ゲームの世界でも、中規模クラスのゲームにGodotが採用される例も増えてきています。
コミュニティ主導のオープンソースプロダクトで、多数のゲーム大好き開発者によって、熱心に開発が続けられています。
筆者はこの雰囲気を、まるでBlenderの盛り上がり時と同じように感じています。
Blender登場当時は”フリーで本格的な3DCGソフト”としてキャッチアップされたものの、MayaやCinema 4Dといった商業ソフトに比べ、機能や操作感で否定的な意見が多く、一部では「一生プロの映像シーンで使われることはないだろう」などと強く批判されました。
しかしいまや、映像クオリティ、機能、ユーザー数ともに商業ソフトとそん色ないレベルまで到達し、多くの映像作品に採用されています。
Godotも登場当初はフリーゲームやミニゲームへの採用ばかりでしたが、猛烈な進化を遂げ、近年は商業ゲームにもどんどんと採用が増えています。Steamでの販売ゲームも、かなりの数になってきました。(記事下部でリストアップしています)
最近はパトロン制(継続的な寄付を募り、寄付者の名前を入れる)を採用し、安定した継続開発とさらなるビジュアル表現を目指し、日々進化を続けています。
Godot 公式サイト
公式サイトはこちら / 公式ドキュメント(Godot 4) / 公式ドキュメント(Godot 3) / 当サイトのGodot記事一覧はこちら
Godotの道しるべを作りたい
筆者は幼児用の安全なゲームを作りたいと考え、Unity、UNREAL、GameMaker 2、PICO-8、LÖVE、GDevelop、Constructなどを試した結果、Godotを選択しました。
- 構造がわかりやすい
- ゲーム規模を柔軟にスケーリングできる
- 非常に軽量(Windows版は本体たったの113MB!しかも1ファイルのみ!※Ver 4.1において)
- 起動が高速(Core i3のマシンでも、起動はわずか4~5秒。対してUnrealやUnityでは起動だけで2分以上かかることも。)
- 保存ファイルが軽量(初期状態なら数十KB。対してUnityは1GBを超える。)
- 全体的な動作が軽い(2DメインならCore i3マシンでもストレスなく製作できる。)
- FULL HDや4Kの映像も出力できる
- 2Dも3Dゲームも、または2D+3Dのハイブリッドゲームも作成可能
- パーティクルや画像エフェクト、物理演算なども充実
- 軽量でよく考えられたビジュアルIDE
- マルチプラットフォーム(Windows、Mac、HTML5(ブラウザゲーム)、Linux(X11)、iOS、Android)にエクスポート可能
- 一切制限のない自由(無料)なライセンス(MITライセンス)
特に最後の「自由」がポイント。
いますぐに始められ(ユーザー登録すら不要)、完成したゲームは無料で配布しようが有料でSteamやApp Storeに登録しようが、一切の制限はありません。5000兆円売れてもロイヤリティーを払う必要はありません。
何にもとらわれず、夢のゲームに向かってひた走ることができます!
(・・・そしてもし挫折しても、金銭的リスクは0なのです!)
しかし日本語の情報が非常に少ない
良いことばかりのGodotエンジンですが、問題点は、UnityやUNREALと比べると日本語の情報が非常に少ない点です。公式マニュアルも未翻訳の部分が多い上、有益なヒントや情報がさまざまなサイトに散らばってしまっています。
また有用と思われるヒントもほとんどが英語。日本人の英語教育は”先進国では最悪”と言われますが、言語の壁でGodotを使えないのは本当に、本当にもったいない!
そこで、「Godotの盛り上がりを日本にも!」と、2021年にこのページを立ち上げました。
筆者が学習していく過程で気づいたことや、参考になったコンテンツをまとめていこうと考えています。
筆者はプログラマとしての経験は長いですが、Godotは初めてです。とまどうことや理解できない部分に多く出会っています。疑問点と解決を細かく書いていこうと思います。
Godotのおすすめ有料ビデオ教材
筆者が実際に購入して「これならGodotがわかる!」と感じた有料情報を紹介しています。
★★★★☆ Create a Complete 2D Survivors Style Game in Godot 4(筆者購入済み)
Godotでヴァンパイア・サバイバーズのようなゲームを完成させる動画セミナー。Godot 4対応。セール時は1,800円ほどで手に入れやすい。
英語オンリーなので敷居が高いですが、画面を見ながら同じように動かせば、しっかり身につきます。おすすめします。(英語での字幕あり。)
- プロがどのようにノードを設置するかわかる
- わかりづらいマップタイル機能の使い方がわかる
- 当たり判定、敵のスポーンなどがわかる
- 大量の敵キャラをどのように動かすかがわかる
- セーブ・ロードのテクニックがわかる
ちなみにセクション1-1で画面構成の解説がありますが、これが私にはとても役立ちました。
Godotの標準ではプロパティパネルが左右に分かれていますが、この作者は左に寄せます。これをやると、ウルトラワイド画面での作業性が大きく上がります。その他のセクションでも数をこなすプロならでの小技がいろいろ効いていますので、そのあたりにも注目です。
★★★★☆ Create a Complete 2D Platformer in the Godot Engine(※3.0系メイン。筆者購入済み)
Create a Complete 2D Survivors Style Game in Godot 4と同じ作者のコース。
Godotで2Dプラットフォーマーゲーム(マリオ的な横スクロールジャンプアクション)ゲームを完成させる動画セミナー。セール時は1,800円ほどで手に入れやすい。ただし少し古い商品でGodot 3.3.3をメインに解説されているため、スクリプトは4と互換性がない箇所があるので注意。といっても多少の手直しで4でも動作させられます。
手早く試したいのなら3.5 LTS系にて作業することをおすすめします。
タイルマップの設置、重力計算、敵キャラの動きや攻撃の判定などはどのバージョンでも大差はないため、応用度は高いでしょう。
英語オンリーなので敷居が高いですが、画面を見ながら同じように動かせばしっかり身につきます。おすすめします。(英語での字幕あり。)
The Godot Bootcamp(筆者購入済み)
2023年9月に公開された、比較的新しいGodot解説コース。Godot 4完全対応。セール時は2,000円ほどで手に入れやすい。
コースはGDScript(Godotのメイン言語)の解説から始まり、比較的スクリプトを駆使する製作がメイン。GDScriptの型、比較、ファンクションの作り方など基礎がまとまっており、スクリプトをガシガシ使っていく作者にはうれしい内容かも。(セクション1-2~1-3が丸々スクリプト解説)
ゲームはクイズ、マッドラボ(モンスターのストーリーを組み替えて遊ぶ)、フロッガーゲーム 2D、そのフロッガーゲームを3Dに変換する製作がある。
注目したいのはセクション9で、Web APIを使った通信方法の基礎があります。クラウドセーブからオンライン対戦やマルチプレイまで、Web APIの利用は、近年のゲームでは必須の技術となっています。今後非常に役立つ技術と言えるでしょう。
動画ではOpen Weathermap、Rapid APIを使って情報の取り寄せを実践します。ここだけでもこの動画を見る価値はあると感じます。PythonのサンプルをGDScriptに置き換える方法も解説され、どの構文をGodotではどこに置くかがよくわかります。
GodotはデフォルトでWebにアクセスする機能を備えているため、覚えれば手軽で安定した通信を望めます。
Godotのおすすめ書籍
2023年現在、日本語の書籍は非常に少ないです。いまのところ基礎がまとまっている書籍としては「Godotかんたん入門」のみがおすすめできます。(他の本は古すぎるもしくは情報がチュートリアル程度です。)
★★★★☆ Godotかんたん入門(Godot 4対応、筆者購入済み、電子書籍のみ)
Godotの画面構成、操作方法の解説から、ノード、ツリー、オブジェクトの操作、オーディオ、アニメーション、物理演算までを広く紹介。また簡単な2Dプラットフォーマーアクション製作、3D FPS製作、AR/VRの基礎まで入り、充実度は高いです。もう少し高度な続編が出ればうれしい。
★★★★☆ ゆるっとはじめる Godot Engine ゲームプログラミング(Godot 4対応、筆者購入済み、電子書籍のみ)
期待の新作!なんと800本ものゲームを作りまくった中学生が解説書を出しています!もちろん筆者も購入しました。
「画面の意味がわからない」「ファイルってなに?」「スクリプトってなにを書くの?」というベタベタな初心者から、しっかりステップアップできる内容です。最初のスクリプトは日本語訳してくれるなど、英語が苦手な小/中学生にも安心でした!おすすめです。
海外書籍としては「Godot from Zero to Proficiency」シリーズが充実しています。当たり前ですがオール英語ですので、英語が苦にならない人のみにおすすめ。筆者は中学生レベルですが、けっこう四苦八苦です。(笑)
現在5冊出ており、充実度は最高クラス。ただしGodot 3の情報がメインで、一部構文が4では適合しない場合があります。3.5 LTSで試す方がよいかも。
当サイトのGodot記事一覧
Godot開発に役立つリンク集
サイトリンク | ひとこと解説 |
Godot公式ドキュメント | まずはここから。ただし新しい機能は未翻訳も多い。どうせなら英語も鍛えちゃおう!? |
(英語) Godot 公式ブログ | 最新機能についての詳細は英語版公式サイトから。 |
Godot Japan ユーザーコミュニティ | Godotを完全に日本語で解説してくれているコミュニティサイト。逆引きリファレンスが充実。 |
しゅんさんのZennページ | 役立つTipsをたくさん公開されている |
しゅんさんのサイト | 開発されたGodotゲームを、ソースコードを含め公開してくれています。勉強になります。 |
SaitosさんのZennページ | 少し前までTipsを公開し続けてくれていた |
submaxさんのZennページ | Godot4の記事を公開してくれている |
SLMNLLさんのZennページ | Godotの複雑な機能やGodot4の記事を公開してくれている |
Peanuts Codeさんのページ | プラットフォーマーゲームや、探索機能など、さまざまなGodotのチュートリアルを公開してくれています。非常に丁寧で、使える知識がたくさん! |
(英語)GDScript.com | GDScriptの例やTipsが公開されている |
(英語)GDQuest.io | GDScriptをオンラインで学び、そのまま動かせるサイト |
(英語)Godot 4 Recipes (英語)Godot 3 Recipes |
大量のGDScriptの例が掲載されている。応用して使うのは自由です。コードライセンスはMIT。 |
(英語)GDQuest.com | 非常に密度の高いGodotのTipsを公開。高度な解説書も販売中(ただし英語のみ)。プロレベルのゲームを目指すなら必ず目を通したいサイト |
/godot-demo-projects | 2D、3D、UIからPhysicsまで。大量のサンプルコードをダウンロードできます。辞書が代わりに手元に置いておきたい。コードライセンスはMIT。 |
他にも役立つページがありましたら、ぜひコメント欄へメッセージを!
自薦/他薦問いません。
Godotで作られた商業ゲーム
Godotで作られたSteamゲーム(実売されているゲーム)を集めています。
もしも間違いがありましたらコメント欄にメッセージを!
ちなみに筆者のSteamアカはこちら。フレンド登録まってます~!😃
イメージ | ゲーム名 |
幸運の大家様 (筆者購入済み) 楽しい!おすすめ!100時間プレイ中。 |
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バックパック・バトル (筆者購入済み)
武器とアイテムをバックパックにキッチリ詰めこみ、世界のどこかのキャラクターと戦う!単純でハイスピードなゲーム性がたのしい! |
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Cassette Beasts カセット ビースト | |
パーリィナイトメア | |
焼肉シミュレーター (筆者購入済み)
ひたすら肉が焦げないように焼いて食う!めちゃくだらね~!だらだら配信向け。 |
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SPRING DASH | |
Primal Light | |
Lila’s Sky Ark | |
Kingdoms of the Dump | |
Dome Keeper (筆者購入済み)
掘り進んでアイテムをゲット!基地を強化して攻めてくる現住生物から守り抜く!物理演算の使い方に注目。 |
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Beat Invaders (筆者購入済み)
光のエフェクトがすごい!しかも1.0まではわずか半年で開発したとかってマ? |
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bearcycle | |
Raimodula | |
The Case of the Golden Idol | |
Lumencraft | |
Somnipathy |
ほかにも多数のGodotゲームが公開中!Steamの「Made by Godot」タグをチェック!