SynologyからNASの新モデルが発売されました!
2ベイ
DS220+(DS218+後継)> Amazon
DS720+(DS718+後継)> Amazon
4ベイ
DS420+(DS418+後継)> Amazon
DS920+(DS918+後継)> Amazon
モデル名の見分け方
Synologyのモデル名は単なる記号ではなく、先頭1~2桁が最大ドライブ名、後ろ2桁が発売された年式になります。
つまりDS220+はMAX 2ベイ(本体のみ)、DS720+は拡張エンクロージャを接続すれば合計7ベイ(2+5ベイ)まで拡張可能ということを表しています。
同じくDS420+は4ベイ、DS920+は9ベイ(4+5ベイ)が実現可能となります。
アップデートのポイント
今回の新モデルはどれも最新世代のIntel CPUに更新されました。前世代に比べて処理速度が少しアップし、より省電力になっています。
モデル名 | CPU |
---|---|
DS220+ | Intel Celeron J4025 |
DS720+ | Intel Celeron J4125 |
DS420+ | Intel Celeron J4025 |
DS920+ | Intel Celeron J4125 |
そのなかで特に注目したい進化はDS720+。いままでのDS718+と同じ2ベイモデルなのですが、今回からなんとM.2 SSDのスロットが搭載されました!
これはどういうことかというと、2ベイモデルにもかかわらず、超高速なSSDキャッシュを利用することできるということです。
M.2スロットを備えていないNASでは、SSDキャッシュを利用するには2.5インチのSSDを利用するしかありません。ということは、貴重なドライブベイをキャッシュ用SSDで埋めてしまうということになります。
SSD 1+HDD 1というこ構成にすると、RAIDが組めないのでHDDの安全度も低くなり、SSDは1台なので読み込みキャッシュしか効きません(読み/書きキャッシュを実現するにはSSDは2台必要)。安全性としても高速性としても、意味のある構成とはいえません。
または2台ともSSDにしてフルフラッシュストレージとすることもできますが、高速性は文句がないものの、大容量を実現するとHDDの2~4倍の金額かかってしまいます。2TB SSDは執筆時点で平均25,000円前後(メーカー不問)。HDDなら9,500円(WD RED)。速度のためだけにこの価格差を納得できるかどうか、分かれるところでしょう。
NASでは最低でもRAID 1を組むことを考えると、SSDでは2TBで5万円にもなってしまいます。2TBで十分といえるならOKですが、多くのPCが512GB以上のストレージを備えている現状では、余裕のある容量とはいえません。大容量の4TB SSDとなると、今度は1台で6万円。もはや個人用途ではありえない金額です。
それに対しての回答が、M.2 SSDスロットです。
M.2 SSDスロットはSSDキャッシュを実現するための専用スロット。2スロットあり、2本装備すれば読み/書きともキャッシュが可能。しかもメインのドライブベイは減りません。
大容量HDD 2台でRAID 1を組み、容量と安全性を確保。さらにSSDキャッシュで読み/書きのスピードアップを実現。2ベイモデルなのに、まるでRAID 5のような安全性と高速性を兼ね備えた構成となります。(HDDはRAID 1で故障耐性 1本なので、RAID 5相当と換算)
執筆時点(2020/6/1)で4TB HDD(WD RED / WD40EFRX-RT2)は16,000円。M.2 SSD NVMeタイプは、250GBで6,000円(シリコンパワー SP256GBP34A80M28)。合計44,000円。個人でも手が届く範囲でしょう。
ちなみに当サイトではSynologyのNAS DS918+で、SSDキャッシュの有効性をテストしています。細かなファイルのアクセスが数倍の速度になります。よろしければご参考に。
WTS的まとめ
4ベイモデルは順当な進化という感じですが、DS720+のM.2スロット装備は、非常に大きな進化です。2ベイモデルでも安全、高速を兼ね備えたNASを構築できるようになりました。
個人用途、中小企業への導入にも魅力がありますね。
ちなみにSynologyから、導入ガイドブック付きのモデルが販売されています。初めての方はこのようなモデルもおすすめ。
一つ残念なところと言えば、4ベイでも2.5GbEや10GbEが見送られてしまったところ。せっかくのSSDキャッシュを活かすために次回はぜひ搭載してもらいたいところ。
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