WorkToolSmith

Mac用仮想PCソフト対決! VMware Parallels VirtualBox

太田アベル

・ 更新 ・ 13分で読めます

当サイトの記事には広告リンクが含まれる場合があります。

目次

普段はMacを使っていても、ときどき必要になるWindows環境。
私の場合は主にOffice書類の受け渡し、Windows用ソフト開発などで使っています。

今日はそのWindows環境を「仮想PC」として快適に使えるソフトを比較してみました。

お知らせ:最新の仮想化ソフトをレビューしました。

これからMac用の仮想化ソフトを選ぶ方は
最新バージョンで比較したこちらの記事をごらんください。(2012年9月版)

Bootcamp

Macでは標準で「Boot Camp」という機能があります。
Mac起動時にOS XもしくはWindowsを切り替えて起動できます。

ですがこの機能は切り替えのたびにMacを再起動しなければなりません。

そこで「仮想化ソフト 」の出番です。

これはMac内のアプリケーションとして動き、その中でWindowsやLinuxなどMac以外のOSを動かしてしまおうというものです。
要は書類を開くようにWindowsを丸ごと開いてしまうというわけですね。

代表的な仮想化ソフト

Macでは大きく3つの仮想化ソフトがあります。

VMware Fusion、Palarrels Desktopは有料ソフト、Virtual Boxは無料ソフトです。

私は今日までずっとVMware Fusion 2を使っていました。
が、OS X Lionの64ビットにも対応していないし、なにより描画速度に疑問を持っていましたので、最新版を検討しつつほかのソフトも試してみることにしました。

描画速度テスト

今回の主なテストはいままで不満を持っていた描画速度です。

Windows内では主にゲームばかりしている 高度な3Dグラフィックスを扱っているため、描画速度は非常に大切です!

新発売のVMware Fusion 4、Parallels Desktop 7はともに「3D描画性能の向上」を宣伝しています。それぞれ比べてみましょう。

ちなみに私のiMacは5〜6世代前のものです。描画能力はもともとたかが知れていますで、少し古めのベンチマークソフトを使います。最新のDirectX11などは試せませんのでご了承ください。

使用環境

  • iMac 24インチ
  • CPU Core 2 Duo E8235 2.8GHz デュアルコア
  • グラフィックボード ATI Radeon HD 2600PRO 256MB GDDR3
  • メモリ 4GB
  • HDD 2TB(換装済み)

それぞれの仮想PC

  • CPU 1コア
  • メインメモリ 1024MB
    (CPU、メモリ以外は各仮想化ソフトの初期設定のまま)
  • OS Windows XP SP3 (DSP版)
  • ビデオメモリ 最低128MB
  • ベンチマークソフト FutureMark 3DMark 06(Basic)

それぞれの仮想化ソフトへのセットアップは公平を期すためすべてクリーンインストールを行いました。インストール後に現在のWindows Updateをすべて当て、それぞれのドライバを入れ、ベンチマークを実行しました。
(アホみたいに時間がかかりますね、この作業)

VMware Fusion 4

まずは大御所VMware Fusion 4のテストです。
VMwareという会社は昔から仮想化ソフトに力を入れていて、私も信頼しています。

とくにサーバー関係の仮想化にも強く、私もサーバーとしてVMware Serverのフリー版(VMware HyperViser)を使っています。
4年使っていて大きな問題が出ないすばらしい安定度です。

VMware Fusion 4 初期画面

インストールするとごくごくシンプルな初期画面が現れます。

VMware 初期画面VMware 初期画面

上の画面はWindows XPを入れた状態です。

VMware設定画面VMware設定画面

それぞれの仮想化PCはこのような画面で設定できます。
OS X標準のシステム環境設定のようで分かりやすいです。

あれビデオメモリは?

ディスプレイの項目にも、プロセッサとメモリの項目にも「ビデオメモリ」の設定がありません。自動で振り分けられるのでしょうか?

VMwareディスプレイ項目VMwareディスプレイ項目

Windows起動後に確認しました。

VMwareビデオメモリサイズVMwareビデオメモリサイズは128MB

128MBが自動で割り振られていました。
もしかしたら使用に応じて変化するかもしれません。

ではさっそく3DMark

3DMark06のテストを開始です。

VMwareFusion4

画面表示はまったく問題ありません。速度はiMacの限界で5〜10fps程度です。

ベンチマークは問題なく最後まで完走。

最終スコアは1995ポイントでした。

まあ、数世代前のWindowsPC程度ということで妥当な範囲では無いでしょうか?
Macの能力次第で全然違うでしょう。

次はゲームに強いと言われる「Parallels Desktop 7」です

Parallels Desktop 7

さてVMware Fusion 4テストに続いて「ゲームに強い」と言われているParallels Desktop 7の登場です。

VMware Fusionの完全ライバル

Macの中ではVMwareと真っ向勝負をしている仮想化ソフトParallels。

以前から描画の早さ、ゲーム対応が良いとは聞いていましたが、実はParallels 5あたりで触ったときはVMwareより使いにくく、描画もそんなに差がなかったため使わずにいました。
(あと、トレードマークの2本の赤いラインがじつはあまり好きではなかったり・・・)

強化されたその内容はいかに?

見違えるような設定画面

まず気づくのは設定画面の見やすさ。

Parallels 設定画面1Parallels 設定画面1

Parallels 設定画面2Parallels 設定画面2

昔のようなとっつきにくさは無く、VMwareとほぼ同じレベルで情報が整理されています。
Macの画面と統合するモード(コヒーレンスモードと呼ぶ。VMwareではユニティモード)もあり、VMwareとの機能差はほとんどないと言っても良いと思います。

特筆すべきはビデオメモリ。なんと最大1GBという大容量が表示されています!
搭載メモリが多い最新のMacならぜひとも最大にして使いたいですね。

Parallels 最大1GB ビデオメモリ画像Parallels 最大1GB ビデオメモリ

とはいえ今回は標準の256MBに設定しました。
VMware Fusion 4の2倍ということになります。

実際のグラフィックボード(機材として追加するボード)であればメモリの差は性能にかなりの影響があります。仮想PCでは違いは出るのでしょうか?

インストールも分かりやすい

Windowsのインストールは非常に分かりやすいです。

ファイル>新規とクリックすれば以下の画面が現れます。

Parallels新規マシン作成Parallels新規マシン作成

Windowsはシリアルナンバーを打ち込んでおけば全自動インストールしてくれます!
こりゃラクチン!

ParallelsでWindowsシリアルナンバーを入力ParallelsでWindowsシリアルナンバーを入力

ん?音が途切れるぞ?

Windowsを初めて起動した時に気づいたのは音。

Windows起動音の最初がブツッブツッと途切れます。
起動後はまったく問題ありませんので、処理がたくさん走っているときの症状でしょうか?

(2012/7/10追記  その後のバージョンアップでこの症状はあまり出なくなりました)

謎のUSBの抜き刺し音

そして起動後、なぜかUSB機器を抜き差しするような音 が数回繰り返されます。

これはいったい何なんでしょうか?

私はiMacにHDDを3台、キーボードを1台接続しています。ですが、Parallelsには接続許可をしていません。

Parallels内にハードウェアとしても追加されているものもありません。謎です。

ベンチマークを起動

では3DMark06を起動します。

起動時の読み込みはVMwareと大差ありません。

しかし・・・

あれ?心なしか速いぞ!?

VMwareでは3〜5fpsしか出なかった戦闘場面。

なんとParallelsは7〜9fpsを維持し ています。

ParallelsベンチマークParallelsベンチマーク

その後のベンチマークもVMwareよりも全体的に滑らかに見えます。
ベンチマークは無事に完走。

スコアは・・・なんと2396ポイント!

たった400ポイント程度ではあるが同じマシン上でここまで差が出るのか!
見た目の速度も明らかにパラレルズが上回っていると言えます。

これはビデオメモリの容量の差でしょうか?

だとすれば128MB以上割当のできない(というか設定項目が無い)VMware Fusion 4よりもParallelsの方が3Dソフトには向いているかもしれません。

最後は唯一無料の仮想化ソフト「VirtualBox」が挑戦です。

Oracle VirtualBox

さて今回唯一無料の仮想化ソフトOracle Virtual Boxです。

もともとはSUN社が作っていたものでしたがOracle社に吸収されたため、いまはOracle社名義となっています。

またこのVirtualBox自体はWindows、Mac、Linuxで同じソフトが動くため、OSをまたいで仮想環境を持ち歩いたりすることがある人にはメリットがあります。

まず根本的なこと

まず根本的なデメリットに、VirtualBox自体が64ビット動作に対応していません。
64ビットのOSを使用することができるのですが、VirtualBox自身は64ビット動作をしないのです。(ややこしいな)

この辺りがどの程度速度に関係するのかが見所です。

まずはセットアップ

今回は3D描画のテストがメインの目的です。

VirtualBoxのディスプレイ項目に3Dアクセラレーションを有効化、2Dビデオアクセラレーションを有効化というスイッチがありますので、もちろんチェック。

またビデオメモリが20MBと大変低くなっていますので、こちらも128MBに上げておきます。

VirtualBoxディスプレイ 初期設定VirtualBoxディスプレイ 初期設定

VirtualBoxディスプレイ 変更VirtualBoxディスプレイ 変更しました

ビデオメモリのMaxは128MB。VMwareと同じ容量となります。

Windowsは新しいPCにセットアップするのと同じ手順で問題なく終了しました。

Guest Additionsセットアップ時に見逃すな!

仮想PC用のドライバ「Guest Additions」をインストールするときに注意が必要です。
Direct3D Supportが最初は「チェックが入っていない」のです。

Guest Additions 3D SupportGuest Additionsの3D Supportがオフになっている

それもそのはず。

ここにチェックマークを入れようとすると気づきますが、アラートが表示されます。

Guest AdditionsエラーGuest Additionsで3D supportを押すと・・・

「Windows is currently not running in safe mode so Direct3D support cannot be installed.」
(Windowsがセーフモードで動いていません。Direct3Dサポートがインストールできません)

そうなのです。

VirtualBoxでは、セーフモードでないとスイッチが入れられない んですね。

これは不便!

というかセーフモードの入り方は初心者にはなかなか敷居の高い操作です。もうちょっとどうにかならないものでしょうか?

ということでWindowsを再起動し、起動時にF8を連打。
出てくる黒い画面で「セーフモード」を選択します。

セーフモードで起動セーフモードで起動

セーフモードの中で、改めてツールをインストールします。
今度はチェックを入れることができました。

3D Supportにチェックができた3D Supportにチェックができた

再び再起動。

ベンチマーク開始

さてようやっとベンチマークの準備ができました。3DMark06を起動します!

しかし問題は最初から発生 です。

まずは3DMarkの起動が、他の2つに比べて倍以上の遅さです。
読み込みのバーがじりじりじりじりと上がっていきます。
32ビットのため、ファイルの転送が遅いのでしょうか?

そして・・・

真っ暗のまま です。

エスケープを押してもまったく終了できません!

しかたなくメインメニューから「リセット」をかけますが・・・
突然3DMarkのエラー画面が表示され、VirtualBoxごとフリーズ!

あららら・・・Mac上でVirtualBoxを強制終了という事態になってしまいました。

ということでVirtualBoxでのDirectXを使うには微妙という結論になってしまいました。

基本的なファイルの受け渡し、ソフトのインストールをするだけの目的なら良いのですが、ゲームなどハードウェアを酷使するソフトは、VirtualBoxには荷が重いようです。

とはいえ無料というメリットは大きいです。

ちょっと試したいLinuxなどはわざわざ安くはないVMware、Parallelsを購入する必要はありません。
VirtualBoxが役に立ってくれます。

VMware vs Parallels vs VirtualBoxのまとめ

WTS的まとめ

さて3つの仮想化ソフトを試してきました。

今回は時間の関係でごくごく基本的なインストール、3Dベンチマークの検査だけというきわめて限定的なテストでした。

Windowsの基本的な動作に関してはどれにも大きな違いはありません。
使いたい機能をしぼって選択することも必要でしょう。

以下のようにまとめてみました。

VMware Fusion4Parallels Desktop 7VirtualBox 4.1.0
設定の見やすさ○○○
仮想PC作成○○△
仮想PCのドライバの設定○○△
音の安定○○△
動作の安定○○△
独特の謎の動作なしありあり
2D描画○○○
3D描画△○☓
Macとのファイル連携○○○
Macとの画面融合ありありなし

お知らせ:最新(2012年9月版)仮想化ソフト対決の記事を公開しています。
最新バージョンではこの記事とは少し違った結果です。
もしお時間がありましたら、こちらの記事もご覧ください。

VMware Fusion 4

安定性、簡単さを求めるならVMware Fusion。

どの部分においてもよく調整されている感じを受けます。
インストールから使用に関してまで、ほとんど問題が起きないという安心感があります。VMware Serverなど業務用のソフトも多く作っているため、さまざまな状況への経験があるのでしょう。

仕事で安心して使いたいならやはりVMwareをオススメします。
描画速度はParallelsに負けはしましたが、決して大差ではありません。ゲームの種類ではまったく遅さは感じないでしょう。


Parallels Desktop 7

なにしろ早かった !

グラフィックに関して機能を特に強化しているのがよくわかります。
ビデオメモリの柔軟さ、高速性は今回ベストでした。

ただ、音の途切れ、USBの謎の音など「あれ?」という動作がちらほらあります。
細かなことが気になる人には注意が必要です。

とにかくWindowsの3Dゲームを高速にプレイしたい!という人はParallelsが今のところベストチョイスでしょう。


VirtualBox 4.1.0

無料という大きなメリットがあり、仮想PCの動作もおおよそ完全です。
「仮想ソフトなんてときどきしか使わないから、なんでもいい」という人は迷わずVirtualBoxです。

問題点としては、OS Xは完全に64ビットに移行しており、32ビット動作のVirtualBoxは大きなファイルのコピーなどが他の2本よりも遅い感じがありました。
そして今回の3DMarkのようにまったく動かないソフトが存在すること。
またドライバのインストールでセーフモードを要求するなど、多少高度な知識を必要とする場面があります。
その点を乗り越えられる技術があるかどうかがポイントでしょう。
もちろん無料のためサポートなどはいっさい受けられない点も注意です。
(VirtualBoxの詳細ページはこちら)

で、何を買ったか

以上で簡単ですがテストを終わります。

私は今回はParallelsを買うことに決定しました。

もちろんゲームをやるため高度な3Dデザインをするためです。

この記事があなたの仮想化ソフトの選択にお役に立てば幸いです。

(めちゃ疲れた〜!)

こちらのレビュー記事も見てみてください

VMware Fusion5 / Parallels 8 / VirtualBox4.1 2012最新仮想化ソフト対決MacBook Air (Mid2012) + Parallels + Windows7 をベンチマークしてみました。
MacBook Air (Mid2010) + Parallels + Windows XPをベンチマークしてみました。

Amazonで商品が見つけられない!

そんなときはこちらのページに仮想化ソフト、Windowsをまとめましたのでご覧ください。

太田アベル

太田アベル

パソコンを7歳からいじり始めて40年。とにかくパソコンが好きです。気になった商品をほぼ自腹で買いまくってレビュー中!良かった点、悪かった点をズバズバ書きます。

𝕏 でフォロー プロフィールを見る