1歳未満の赤ちゃんの食事で、「これは危険!」とよく言われるのが
ハチミツを与えてはいけない
という話。
どういう迷信なの?と僕も疑問に思っていたので、詳しく調べてみました。→大変な事実が判明!
ボツリヌス菌が入っている
最も大きな問題は、生のハチミツには、食中毒を起こす微生物「ボツリヌス菌」が多く含まれているからとわかりました。
じゃあなんでオトナは食べても大丈夫なの?と思うでしょうが、これは消化器官がしっかり整っていれば、腸内の善玉菌がボツリヌス菌を抑えこむからです。
赤ちゃんはまだ消化器官が出来上がっていないし、善玉菌も非常に少ない状態です。そこにボツリヌス菌が入ると繁殖してしまうのです!この症状を「乳児ボツリヌス症」といいます。(参照:乳児ボツリヌス症 国立感染症研究所 感染症情報センター)
乳児ボツリヌス症
ボツリヌス菌が入った食品を大量に食べた場合、症状は非常に重くなり、最悪死に至る場合もあるようです。(死亡率は1~3%と非常に低くはありますが・・・)
潜伏期間が3~30日とかなり長く、いきなり症状が出ないので、「大丈夫だね!」と思って与え続けてしまうのも危険なポイントです。
後日だんだん便秘が多くなったり、無き声が弱くなったりと症状が出てきたら危険信号。そのうちぐったりして(全身の筋力が低下する脱力状態)、無表情になる、そして最終的に自発呼吸ができなくなったりと重大な症状を引き起こすようです。
この症状が国立感染症研究所で最初に確認されたのは1986年。これをきっかけに1987年10月、当時の厚生省が「1歳未満の乳児にハチミツを与えないように」と全国都道府県に通知したのが始まりです。
つまり「乳児にハチミツは食べさせるな」は、迷信ではなく、国から発令された感染症予防の警告だったのです!(安易に考えていた!はずかし~)
熱湯消毒や加熱殺菌はできるの?
食中毒を防ぐには加熱殺菌が有効、とよく言います。
ではボツリヌス菌はどのくらいの温度で死滅させられるのか?も調べてみました。(参照: 食品衛生の窓 東京都福祉保健局 ボツリヌス菌)
乳児ボツリヌス症を引き起こすのはボツリヌス菌の元となる「芽胞」(卵と考えればいいかな?)。そして菌が生成する毒素「ボツリヌス毒素」の2種類です。芽胞は体内に入るとボツリヌス菌を発生し、ボツリヌス菌は毒を吐くという流れです。
この2つを無力化するには?
毒素は、80℃で30分間(100℃なら数分以上)の加熱で無力化
芽胞は熱に強く、120℃で4分間以上の加熱で死滅
つまり毒素も芽胞も120℃で4分間以上加熱すればOK!といえます!?
いやいや、そもそもまず、ハチミツって120℃まで加熱できるんでしょうか?やったとしてもたぶんコゲコゲになると思われます。鍋でちょっと温めたぐらいでは、ボツリヌス菌は大変元気でございます。
食べれられる程度の加熱は無意味だと思ったほうがいいですね。
ついでに調べると、ハチミツを高温(65℃以上)で熱すると、せっかくの栄養素の大半が破壊されます。さらにAGEs(終末糖化産物)という、老化を早めるとされる物質が激増してしまいます。
(参照:AGE測定推進協会)
生まれたばかりの赤ちゃんに、コゲだらけの栄養もないAGEsだらけのハチミツを与える!
ってそれどうなの?
もはや虐待です。
つまりハチミツを加熱するのはデメリットしかないなのです。ましてや120℃ですからね。ビタミンもだいたい破壊済みですwww
ハチミツは生で食べてこそ、栄養もあって体に良いんですね。
白砂糖でいいですよ
赤ちゃんの栄養は母乳や粉ミルクでも十分。砂糖を使うたびにあれこれ栄養素を入れ込むことを考えるより、安全な白砂糖(上白糖)を使っておくのがベストでしょう。
あ、ちなみにボツリヌス菌はコーンシロップ、自家製野菜ジュース、黒砂糖なんかにも含まれています。特に黒砂糖は意外です。気をつけましょう!
一歳の子にハチミツは絶対に与えてはいけません。
特に必要がなければ、もっと成長してからでもいいでしょうね。