こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。
Synologyの高機能6ベイNAS「DS1621xs+」について記事を書いています。以前の記事はこちら。
- ハイエンドクラス6ベイNAS Synology DS1621xs+実機レビュー | もはやNASではなくサーバーだ!
- Synology DS1621xs+にメモリを増設する!作業はカンタンだがメモリの種類に注意
- Synology DS1621xs+を10GbEで接続してみる!LANで1,000MB/秒を超える猛烈なアクセス速度
- Synology NASを”無料”で高機能防犯カメラ録画サーバにする!Surveillance Station解説
- NASのHDDが故障!でも複数ディスクでRAIDを組んでいれば、なんの障害にもなりません [Synology DS1621xs+]
SynologyのNASは、さまざまな防犯カメラやウェブカメラと連携できる録画ソフトウェア「Surveillance Station」が提供されています。
DSM(OS)をインストール後、「パッケージセンター」から無料でインストールすることが可能です。
もう一度書きます。「無料」です。
防犯カメラの録画ソフトはさまざまなメーカーから販売されていますが、高機能なものは数万~数十万円と高額なものがほとんど。
無償ソフトも存在はしますが、Windowsサービスとして運営できなかったり、録画機能やタイムラインに制約が多かったりと、使い勝手が良いものは見つけられていません。
また、カメラの添付ソフトはメーカーごとに操作性が大きく変わり、他社のカメラは接続できない場合がほとんど。複数社のカメラを扱う場合は、いくつものソフトを使わなければなりません。
録画ソリューションはめんどうが多いのです。
そこでSynologyのNASです!
単なるソフトに留まらないさまざまなメリットがあります。
メーカー、カメラを問わない統合的サポート
NVRに対応したカメラを、メーカーやグレードを問わず幅広くサポートし、複数メーカーのカメラを同時接続、同一画面で統合的に扱えます。
24H/365Dを実現する強力なハードウェア
またそもそも本体がNASなので、24時間365日稼働することを基本として設計されています。
複数本のHDDによるミラーリング、アカウント制御もでき、ディスクの暗号化も備えています。単なる録画ソフトではなく、ハードまで含めた強力で安全なトータル録画ソリューションとなります。
ライセンスコストを極小に
Windows ServerではPCのコストに加え、OSと録画ソフトのライセンスが必要で、その上複数人が同時に見る場合は、追加アクセスライセンス(CAL)が必要になる場合もあります。
Synology NASなら、OSライセンスやCALはまったく必要ありません。複数人で管理する場合、かなりコストを圧縮できるでしょう。
さっそく使ってみます!
接続するカメラ
テスト用カメラは「TP-Link Tapo C200」を使用してみます。
小型で夜間の赤外線撮影、単独録画、動体検出まで備えていながら、わずか4,000円ほどで購入できる手軽なウェブカメラです。
現在は3MPに対応した後継のC210が販売されています。
当事務所では2台を防犯カメラ代わりで使用してます。映像は必要十分です。
カメラの事前準備
TP-Linkのカメラは、通常「Tapo」アプリで一括管理されていて、表にはパスワードなどが出てきません。このままの状態ではSurveillance Stationから接続できません。
外部のソフトウェアから接続するためには、接続用アカウントをカメラごとに設定する必要があります。
Tapoアプリを開きます。
カメラを選択 > 歯車の設定ボタン > 高度な設定 > カメラのアカウント
と移動します。
ここでカメラごとにアカウントを設定します。
Surveillance Station設定
Surveillance Stationを設定していきます。
まずSynologyのパッケージセンターから、Surveillance Stationをインストールします。
インストール後にSurveillance Stationにログインするための専用URLやポートを発行するか聞いてきます。これを設定すると、DSM(NASの操作画面)を経由せずに、すぐにカメラ画面に入ることができ便利です。
Surveillance Stationに入るとこのような画面になります。
管理画面はDSMと統一感のあるデザインに揃えられた、シンプルでグラフィカルな画面。とても扱いやすいシステムです。
「IPカメラ」からウィザード形式で設定が行えます。
メーカー名をクリックすると、かなりのメーカー数が出てきました。2022年2月現在、下記のメーカー名が選択できます。また随時アップデート、追加されています。
聞いたこともないようなメーカーも多いですね~。たぶん業務用や産業用のカメラメーカーなどでしょう。
2N | DivioTec | INSTAR | SHANY |
A-LINKING | DoorBird | Intellinet | SHARP |
A-MTK | DynaColor | iPUX | Shield |
ABUS | EDIMAX | IQinVision | SIEMENS |
ACTi | Eminent | ITX | SimShine |
Acumen | Eneo | Jovision | Skywatch |
Afidus | EnGenius | JuFeng | SMAX |
AIPHONE | ESCAM | JVC | SMC |
Airlive | ETROVISION | LDLC | Sony |
Alphafinity | EverFocus | LevelOne | SparkLAN |
AMCREST | Ezviz | LILIN | Speco |
Apexis | EZWATCHING | LINKSYS | StarDot |
Arecont | FlexWATCH | LTS | StorageOptions |
ARHUB | FLIR | LUPUS | Sumpple |
ASUS | Forenix | MAGINON | SUNBA |
AVer | FOSCAM | Messoa | Sunell |
Avigilon | GeoVision | MicroView | TOSHIBA |
AVTECH | Grandstream | Milesight | TP-Link |
AXIS | GrandTec | MINTEC | TRENDnet |
Aztech | GWSecurity | MOBOTIX | Truen |
BASLER | HAIKON | Netatmo | TVT |
Benelink | Hanwha | Nexcom | UBIQUITI |
Beseye | HEDEN | NGOffice | UDM |
Beward | HI-SHARP | OncamGrandeye | Uniview |
BOSCH | HiKam | Optica | VACRON |
Brickcom | HIKVISION | Panasonic | VDI |
Canon | HiLook | PIXORD | Vivotek |
Chunda | Hitron | QCTek | Vultech |
CISCO | HJT | Reolink | WansView |
COMPRO | Hunt | RetailSupport | Wisdom |
CPPLUS | HVIEW | ROBIN | Wyze |
D-Link | iCatch | SAMSUNG | Y-cam |
DAHUA | IDIS | SANYO | YDT |
Dericam | iMege | SecuFirst | Zavio |
DIGITUS | IMOU | Sentry360 | Zyxel |
2022年2月現在、有名メーカー140社、8100モデルのIPカメラをサポートしていると公表されています。最新の対応メーカーとカメラはSynologyの公式ページでも確認できます。
今回はTP-Linkを選択し、カメラを選択します。Tapo C200も正式サポートされていました。
アカウントの設定で、さきほどのカメラのID/パスワードを入力します。
「テスト」を押すと、すぐにカメラの映像が流れてきました!非常にカンタンでした。
Surveillance Stationの機能
Surveillance Stationは映像監視の統合システムです。ユーザーは複数カメラの管理および映像の閲覧が簡単にでき、
Synology対応カメラはもちろん、「ONVIF(オンビフ – Open Network Video Interface Forum)」規格に対応しているモデルなら、複数メーカーのカメラでも1つの画面で統合制御できます。
サポートしているモデルも非常に多く、専用ソフト以上の機能といえるでしょう。
カメラを変えるごとに録画ソフトのインストールのやり直しや、操作の覚えなおしなどが発生しないのもうれしいところ。気軽に新しいカメラを追加できます。
年単位の保存も可能!
NASなので非常に大容量のHDDを自在に扱うことができます。2ベイ以上のモデルなら複数台のHDDを並行して扱い、ディスクの故障が起こっても録画が消失することはほぼありません。
大容量を活かし、複数台のカメラの映像を年単位でまるごと保存しておくことも可能です。
ちょうど先日、近所で何らかの事件があったようで警察の方が聞き込みに来ました。防犯カメラはいつごろまで保存していますか?と聞かれ「1年」と答えたところ、かなりびっくりされました。(笑)
本気を出せば10年レベルでため込めるんですけどね。容量の無駄なのでやりませんが。
もし数十年ずっと取り続けたら、タイムスリップしたような映像ができあがるかも!?
WTS的まとめ
数十万円の商用ソフトに迫る、というか十分に追い越すような機能を、NASを購入するだけで無料で使えてしまう!これは注目に値します。
僕は十年前に導入したキヤノン製のカメラと専用ソフトを使ってきましたが、当時40万円以上したのに非常に操作性も悪く、機能も限定的でした。(特に巡回設定や動体検出)
それをたった4000円のTapo C200 + Surveillance Stationに置き換えたら、別モノのように使いやすくなってしまいました!しかも映像もきれいという。これが時代の流れか。
ネットワークカメラの操作性や、録画の短さに不満があったら、SynologyのNASを検討してもいいかもしれませんよ!
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