こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。
当サイトでいくつかレビューしているTP-Linkの無線LANルーター。どれも高速で、機能も必要十分。他メーカーに比べると手頃な価格で、選びやすいシリーズと言えるでしょう。
さて、下写真にある「Archer」など平たい形のルーターは、そのまま置くとけっこう場所を取ります。
かといって壁に取り付けるにはフックを取り付けなければならず、カベに穴を開けられない集合住宅ではむずかしい。
となると、「立てて置ければベンリだな」という結論になります。
TP-Linkでは抜け目なく(笑)、ルーターを立てるためのスタンドを販売しています。それが「TP-Link 無線LANルーター専用 縦式 ルーター用スタンド」。
ただこのスタンド、Amazonのレビューでは「すぐ倒れる」「すぐ取れてしまう」といまいち評判が良くありません。同時に、「本体に付属すべき」とか「値段が高すぎる」という意見もあります。
実際のところどうなのでしょうか?使ってみました。
商品の確認
さてこちらがTP-Linkルーター用のスタンド「TP-Link 無線LANルーター専用 縦式 ルーター用スタンド」です。
材質はスチール。硬質で3mmほどの厚さがあり、手で曲げようとしても簡単には曲がらないほど頑丈。カラーはマットブラック。
スタンドの上側(ルーターに当たる部分)と裏側に、すべりにくいゴム足が装着されています。
使ってみる
では先日レビューしたTP-Link Archer AX72に装着してみましょう。
「装着」といっても、スタンドのミゾにルーターを乗せるだけ。
留め具とか、専用フックに差し込むとか、そういったものはありません。「立てかける」と言った方が正確かもしれません。
こんな感じになりました。
フットプリント(設置面積)は大幅に減り、狭い棚の中や、スキマに入れておくのにベンリそうです。
Archer AX72のような大型のルーターでは、重量があるので安定性があります。指でつついた程度では倒れません。
とはいえ、やはり乗せているだけ。ちょっとルーターを持ち上げると、スタンドがコロンと倒れてしまいます。ルーターを持ち上げてスッと移動したいとき、スタンドもいちいち移動しなければならないので、めんどうだと感じるかもしれません。
と言っても、ルーターはそんなにひんぱんに移動することはありませんよね?(あります?)
僕自身としては、1度ルーターを変えたら、次のルーターを買うまでは移動させることはほぼありません。
もしあるとすれば、家具を変える時とか、掃除で棚を移動するとか、そんな程度だと思います。
日常的によく開け閉めする棚の中や、スチールラックのようにスキマの大きな棚では、もしかしたら自然と倒れる可能性もあるかもしれません。
これについても、リビングのテーブルに置き、グラグラと手で揺らしてみましたが、震度3~4レベル(机がギシギシと音を立てるレベル/PCディスプレイがガタガタと音を立てるレベル/コップが倒れそうになるレベル)まで揺らさないと、グラつくことはありませんでした。
というかそのぐらいで揺らしても、コップは倒れましたがルーターはけっきょく倒れませんでした。
よほど不安的な場所に置いたりしなければ倒れそうにないぞ、というのが僕の実験結果です。
アマゾンで「不安定だ」というレビューを書いた人は一体どんなところに置いているのか、ちょっと気になります。移動式の机に乗せて毎日移動しているとか、そんな特殊な方法でしょうか?
別売な点と価格が問題か?
「800円の別売品」という点に評価を低く付けている人も複数いました。
スチール製で塗装もしてあり、それを送料込みで送ろうとすれば、原価100円でも僕たちの手元に来るころには800円にせざるをえないのでしょう。これでも儲けが出るかどうかは微妙なところ。
ちなみにクロネコヤマトのネコポスでも、個人で送れば385円+箱70円=455円が最低送料です。送料だけでもすでに半額を超えています。(価格は2022年5月現在)
まあ安いか高いかで言えば、ビックマックのバリューセット690円以上の価格となる鉄の棒2本は、安いとは言えません。鉄の棒でおなかは満たせませんし(笑)。
モデルごとに専用設計で、カチッと一体化するスタンドが本体に付属していれば、それは助かるとは思います。
しかし、例えばArcher AX72クラスのWi-Fi 6対応ルーターを見回すと、価格比較サイトで100円単位の戦いが繰り広げられています。
専用スタンドを付属させたがために500円高くなった場合、順位が2、3位落ちてしまい、売れ行きにもかなり影響が出ると思われます。価格比較サイトの1位と2位では、販売数に数十パーセントの差が出ると聞いたことがあります。
さらにこのようにルーターを立てて使おうとする人が、購入者の中で果たして何パーセントいるのでしょうか?
少数ニーズを満たすためにコストをかけ、販売台数を犠牲にするのか?とけっこう大きな問題になります。
汎用的なスタンドを別売りする vs 本体が高くなっても便利な専用スタンドを付ける
この判断はむずかしいだろうな、と感じます。
代用品もありそう
で、このスタンド。
上記に書いたように「立てかけてあるだけ」ですので、たとえば100均のプラスチックのタブレットスタンドやブックスタンド、それこそダンボールの切れはしでも、まあ代用は可能でしょう。
コストにこだわる人は100均をまわってみたり、ダンボール工作にチャレンジするのもいいと思います。
その場合、なるべく通気をジャマしない、穴が大きなものやメッシュのタイプを選ぶと良いでしょう。
WTS的まとめ
付属品というのは本体に無料でついてくるイメージがありますが、しっかりと本体価格に含まれています。
販売金額を上げてでも少数ニーズを満たすべきか、メーカーから見れば非常にむずかしいコスト計算となります。
「モデルに一体化していない鉄の切れはしを800円で売りやがって!」と意見も見られましたが、クルマや電車で100均に行き、1時間かけてちょうど合うものを探すほうが、僕としてはコストがかかるように見えます。(余分なものを買ってしまうし・・・)
もちろん家にある木の切れ端やダンボールで3分で作ることができるなら、それは最強に低コストでしょう。
もしかしたら、スタンドの販売ページに「モデルにカッチリ一体化するように付けるものではなく、立てかけるためのバーです」という一言が書いてあればいいのかもしれません。
ユーザの利便性とかコストとか、いろいろ考えさせられる(?)商品でした。
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