TP-Link Archer AX53 実機レビュー | 1万円以下でこの充実機能!Wi-Fi 6も広範囲電波もフル装備の無線ルーター

こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。

映像、音楽ストリーミング、ウェブ会議やウェブ授業まで、非常に重要になってきたWi-Fi(無線LAN)環境。最近は「Wi-Fi 6」という新高速通信規格が話題になっています。

Wi-Fi 6ロゴ

 

TP-Linkから発売された新型ルーター「Archer AX53」は、Wi-Fi 6/デュアルバンド/4つの通信ストリームと4本の物理アンテナを使い、最大同時通信3000Mbpsを実現する超高速ハイエンドルーター。

5つのLANポート(WAN x1 + LAN x4)を備え、ルーターに求められるセキュリティ機能なども充実。それでいながら1万円を軽く切る低価格を実現しています。

さらに、先日レビューしたRE600XのようなTP-Link OneMesh™対応中継器と組み合わせれば、Wi-Fi電波(SSID)をいちいち切り替えせずに、シームレスに家のどこでも強い電波を張りめぐらせることができます。

TP-Link RE600X Wi-Fi中継器

 

メーカーから試験機を提供いただきましたので、さっそくレビューしてみます!

  • 家族全員が高速通信できる4アンテナ/4ストリームの広帯域
  • 独特な模様で放熱力の高いボディ
  • IPv6 IPoE(IPv4 over IPv6)対応
  • OneMesh™に対応。組み合わせでさらに広範囲へシームレスに通信
  • VPN機能も搭載。リモートワークに威力を発揮

TP-Link Archer AX53の公式サイトはこちら

評価機のスペック

ワイヤレス

規格 Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax/ac/n/a(5GHz) IEEE 802.11ax/n/b/g(2.4GHz)
Wi-Fi速度 AX3000 5GHz:2402Mbps(802.11ax、HE160) 2.4GHz:574Mbps(802.11ax)
Wi-Fi範囲 4LDK 高性能固定アンテナ×4 複数のアンテナが信号を増幅させより多くの方向と広いエリアをカバーします ビームフォーミング クライアントに無線信号を集中させWi-Fi範囲を拡大します 高性能FEM 送信パワーを改善し信号範囲を強化します
Wi-Fi性能 高(High) デュアルバンド 最適なパフォーマンスを得るためにデバイスを異なる帯域へ割り当てます OFDMA 複数のWi-Fi6対応クライアントと同時に通信します エアタイムフェアネス 帯域の過度な占有を制限することによりネットワーク効率を向上させます DFS 電波干渉の少ないDFS帯を利用できます 4ストリーム デバイスをより多くの帯域幅に接続させます
動作モード ルーターモード ブリッジモード(アクセスポイントモード)

ハードウェア

プロセッサー デュアルコアCPU
有線ポート ギガビットWANポート×1 ギガビットLANポート×4
ボタン WPS/Wi-Fiボタン 電源オン/オフボタン リセット(初期化)ボタン
電源 12 V ⎓ 2 A

セキュリティ

Wi-Fi暗号化 WPA WPA2 WPA3 WPA/WPA2-Enterprise
ネットワークセキュリティ SPIファイアウォール アクセスコントロール IP & MACバインディング アプリケーション層ゲートウェイ HomeShield セキュリティ リアルタイムIoT 保護 悪意のあるサイトのブロック 侵入防止システム DDoS攻撃の防止 ホームネットワークスキャナー
ゲストネットワーク 5GHzゲストネットワーク×1 2.4GHzゲストネットワーク×1
VPNサーバー OpenVPN PPTP VPN

ソフトウェア

サービスキット HomeShield 詳細はこちら>
OneMesh™ OneMesh™ 対応 OneMesh™は、ルーターや中継器を丸ごと入れ替えることなく、TP-Link OneMesh™対応ルーターと対応中継器を組み合わせてお家全体をカバーするメッシュWiFiネットワークを構築できます。 詳細はこちら> 対応製品はこちら>
保護者による制限 HomeShield 保護者による制限 プロファイル作成 プロフェッショナルコンテンツフィルターライブラリ 家族時間 就寝時間 オフ時間 利用時間割り当て 家族のオンライン時間ランキング インターネット一時停止 週次・月次レポート
WANタイプ 動的IP 静的IP PPPoE PPTP L2TP v6プラス DS-Lite
QoS 端末ごとのQoS
クラウドサービス 自動ファームウェアアップグレード OTAファームウェアアップグレード TP-Link ID DDNS
NAT転送 ポート転送 ポートトリガー DMZ UPnP
IPTV IGMPプロキシ IGMPスヌーピング ブリッジ タグVLAN
DHCP アドレス予約 DHCPクライアントリスト サーバー
DDNS TP-Link NO-IP DynDNS
管理 Tetherアプリ Web管理画面(GUI)

本体サイズ

寸法 サイズ
寸法 (W×D×H) 260.2 × 135 × 41.6 mm

 

デザイン

デザインを見ていきます。

全体は光沢感のあるブラック。

強い光沢で高級感を演出している

 

大きくエックス型のパネル形状で、モダン建築のような落ち着いたデザインです。前後長は短く、横長の形です。

 

本体の厚さは41.6mm。がっしりとした厚み。

 

物理アンテナは4本。同時に4ストリームの通信が可能で、ビームフォーミング技術により、通信が必要な機器へしっかりと電波が届きます。

アンテナの向きを調節することで、より的確に電波を広げられます。

アンテナの向きの調節で、より電波が通じやすくなる時がある

また、デュアルコアCPUとOFDMA技術(多重アクセス技術)を搭載し、スマホ、タブレット、パソコン、ネットワークTVまで、多数の機器が同時にアクセスしても通信速度が遅くなりにくいのです。

 

本体はスタンドで立てて使用することもできます。設置面積がだいぶ少なくなります。(スタンドは購入時のオプションで選択、もしくはあとから単体で購入することも可能です)

TP-Link ルータースタンド

スタンドで立てたところ

フットプリントはかなり小さくなる

TP-Link ルータースタンド単体のレビューはこちらから。

 

本体後部にスイッチ類やポート類がまとめられています。

4つのLANポート、1つのWANポート、電源スイッチ、電源コネクタがあります。LANポートは全てギガビット対応です。

 

底面は全体に空気が通るスリットが入っており、放熱力も問題なさそうです。

 

付属品は簡易的なマニュアル、LANケーブルなど。

多数のLEDで状況が細かく分かる

正面には6つのLEDが備えられており、電源、通信状況、WPS状況などをすぐに確認することができます。

 

もし夜にまぶしいのであれば、裏面のLED OFFスイッチを押すか、もしくはアプリから時間指定で暗くすることも可能です。

スマホアプリでカンタン設定

設定はスマホからでも可能!

専用の「Tether」アプリでルーターに接続し、Archer AX53を選択。あとは流れに沿っていけば、一般的な回線ならほとんど迷わず設定できるはずです。

強く安定した電波

通信状況を確認します。

本体だけでもかなり強い電波です。2階建て、横に3部屋ぐらいなら、Archer AX53の本体だけでも十分に届いています。iPhoneでは、家のほとんどの場所でアンテナが2~3本でした。

Archer AX53経由で1Gbpsのインターネット(コミュファ光)に接続し、クライアントはWi-Fi 6に対応したiPhone 13 Proを接続。Fast.comにて速度試験を行いました。

2階建ての家では、ほとんどの場所で130Mbpsを超える速度が確認できました。安価なモデルでありながら、電波の性能は非常に高いといえます。

Archer AX53 Wi-Fiテスト

VPNサーバーとしても使える

VPNイメージ

VPNサーバー機能も内蔵。

「VPN」とは通信を強力に暗号化することで仮想的に自分専用の空間を作り、他者からは見えないように通信を行う技術。通常は専用サーバーやルーターが必要ですが、Archer AX53自身がVPNサーバー機能を内蔵しており、追加機器なしで実現できます。

たとえば家の外から家の中のパソコンに安全にアクセスしたり、社外から社内のサーバーに安全にアクセスしたりすることが可能です。

OpenVPNとPPTP VPNに対応。

WTS的まとめ

ミドルグレードモデルに位置づけられますが、価格以上の便利機能を搭載しているルーターです。

4本の物理アンテナと4つのストリームを最適化し、多数の機器の同時通信でも速度が落ちにくい。一般家庭なら十分すぎるほどの帯域をもっています。

それに加え、OneMesh™によるSSIDを統合した電波の拡張は、すみずみまで電波を広げられ、家族全員が恩恵を受けられる機能だと感じました。

プロバイダのレンタル品からステップアップを考えているなら、ぜひ検討に加えたい一台です。

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