超小型ファンのスピードを調節しろ!どんなファンもPWM対応にするアダプタを導入して騒音対策

どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。

先日からいじり倒しているDeskMini 310のM.2 SSD ファンの続報です。

まだやるのか、という声が聞こえてきますが、まだやります。(笑)

 

前回は長尾製作所のM.2 SSD ヒートシンク(ファン付き)を採用したことで、驚異の26℃マイナスを記録しました。しかし、10,000rpmもの超小型ファンは音自体は小さいものの、キーンと鋭い騒音が発生し、非常に気になる状態に。

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そうはいっても、ファンはPWM(信号による回転調節)に対応しておらず、回転数の調整は全くできません。選択肢は全開 or OFF!

そこで今回は、どんなファンもPWM対応にするアダプタ「AINEX 3ピン-PWM4ピン
変換制御ケーブル CA-PWM
と、テスト的に8000rpmのファンを購入し、騒音対策をしてみます。

購入したもの

購入したものはこの2点。

AINEX 3ピン-PWM4ピン
変換制御ケーブル

CA-PWM
アイネックス ケース用ファン
25mm 薄型
 CFY-2510

 

まずはこのAINEX 3ピン-PWM4ピン変換制御ケーブル

ファンとマザーの中間に取り付ければ、どんなファンでもPWM対応にできてしまうというスグレモノ!

今回のような2.5cmの超小型ファンから新幹線の風洞実験レベルの巨大ファンまで!このケーブル一本で制御可能になるのです!それがなんとたったの800円!

後半は多少ウソが含まれておりますので、風洞実験場の方々は買いに走らないようにお願いいたします。

 

さらに言うと電圧によっては対応できないファンもあります。だんだんと「どんなファンでも」ではなくなってきましたね。驚きです。(!?)

対応できる電圧は4V (PWM 0%時) ~ 12V (PWM 100%時)

ファンによってはあまりに低電圧にすると異音が発生したり、回らなくなりますので注意。

中には低電圧で故障するものもありますので、使用は自己責任でお願いいたします。

 

続いて2.5cm 四方、厚さ1cmの小型ファン。

 

長尾製作所のヒートシンクに付属していたものと同じ大きさ、厚さです。

違いは回転数。長尾製作所のX-FAN社製 RDM2510Sが10000rpmに対し、わずかに低い8000rpmです。

公式スペックではノイズレベルは18dB(A)

X-FAN社製 RDM2510Sは22dB(A)なので4dB(A)低くなっていますね。4単位も違えばけっこう体感できる誓いが出るはずです。

実験1 ファンの交換

実験1はファンのみ交換。

2000rpmの違いですが、これで騒音が収まればPWM制御をしなくても済みます。

さっそく付け替え。

 

サイズは同じなので何の問題もなく終了。

さっそく起動してみます!

UEFI上の回転数は7600rpm前後を示しています。

音は少しだけ小さくなった気がしますが、キーンという高い音はそれほど違いがありません。静かな作業をしていると、やっぱり気になる音です。

温度は長尾製作所のファンよりも1℃程度高いほど。冷却力はそれほど違いがなさそうです。あとは騒音だけ。PWM制御が必要のようです。

実験2 PWM制御を開始!

ということでAINEX 3ピン-PWM4ピン変換制御ケーブルCA-PWMの出番となりました。

取り付けはカンタン。

マザーのファンコネクタと、ファンのコネクタの間に付けるだけ。ただしケーブルがかなり長くなってしまうので、今度こそタイラップが必要になりました。

 

ちなみに、ファンはAINEXの8000rpmのほうを使います。

なぜかというと、例えば目標5000rpmまで回転を落としたい場合、10000rpmのものでは50%も絞る必要がありますが、8000rpmなら38%で済みます。

前回の記事でも書きましたが、ファンはあまりに電圧を落とすと異音が発生したり故障したりします。なるべく大きく落とさないほうがベターです。

 

さて、取り替えましたがこの時点では回転数制御は効いていません。8000rpm全開です。

今回は温度制御したいものがM.2 SSDです。マザーが通常見ているのはCPU温度ぐらいしかありませんので、マザーに制御させることはできません。

CPU温度と連動させても、M.2 SSDの温度は全然違うのでまったく冷えない可能性もあります。

ということで、ソフトウェアでの制御を導入します。

ファンをソフトウェア制御する

ファンをソフトウェアから制御できるソフトで有名なのは「SPEED FAN」ですね。設定は難解ですが、無料で使えるのは大きい。使い方は長くなるので、また別途書きます。

 

もう一つは「Argus Monitor」。こちらのほうがグラフィカルで、設定も手軽です。ただし正式版は3年で17.5ドルの有料となります。

今回はすばやく試したいので、Argus Monitorを使います。

 

Argus MonitorでMainboardタブのFan Controlを開きます。

 

上記では「Manual Controlled」となってる部分を「Software Controlled」に切り替えます。次に「Curve」のボタンを押します。

 

温度と回転数をグラフで設定できます。今回は下記のようなグラフにしました。

 

最後に温度の対象を選択します。今回はDrive 1になります。

 

これでOK!

かなり音は小さくなり、温度も問題なし!

設定直後から回転数は5500rpm付近まで落ちました。特に異音も発生せず、キーンという高い音はほぼほぼ気にならない程度に!これならいいぞ!

続いて温度を確認します。

音を抑えても温度がハネ上がっては意味がありません。CrystalDiskInfoで見てみると・・・

 

おおっ!!

平常時は49℃で止まっています!

これなら静音性、冷却性を両立できそうです!

もちろん温度が高くなってくれば、Argus Monitor がグラフに従って回転数を上げていきますので問題はありません。

WTS的まとめ

ついにDeskMini 310の完成系が見えてきました!

CPUファン、M.2 SSDファンともにかなり静かになり、冷却も高速性も影響がありません
!!

かな~りベストな状態になってきてますよ!

 

コメント

  1. NQD より:

    M2 SSDの冷却について検索してたらたどり着きました。
    ものすごく参考になります!
    PWM制御可能にするケーブルなど知りませんでした。
    今後も記事を楽しみにしております。

  2. 太田アベル より:

    NQDさん

    うれしいコメントありがとうございます!

    このケーブルは大変便利ですが、記事に書いてあるとおり、あまりに低回転で回し続けたりするとファンから異音が出たり、最悪故障します。

    もともとPWM対応のファンは幅広い電圧に使えるモーターが付いています。
    PWM未対応のファンは定格で使うのが前提ですので、注意しながらご利用ください。