どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
先日、小型・軽量のThinkPad X280をレビューしました。
ThinkPad X280はThinkPadでは最小クラスで、カバンにすばやく放り込んでどこでもフルスペックで使える、というコンセプトです。
そしてもう一つ、高機動を謳うThinkPad、ThinkPad X1 Carbonがあります。
僕が今メインモバイルマシンとしているノートでもあります。軽量で頑丈なカーボン素材を使用することで、1.5インチも大きな14インチモニタを備えながら重量は1.14kgと、ほとんどX280と変わりありません。
ThinkPadを仕事でガンガン使いたい!と考えたとき、この2台を比較検討する人はかなり多いのではないでしょうか。
とにかく最小面積を目指すか、多少大きくても14インチの広い画面を取るか・・・
非常に悩ましいところ。
ということで、この「大きさと使い勝手」という部分を比較して、どんな点で選ぶべきかをお伝えしていこうかと考えました。
さっそくレビューしていきましょう!
ディスプレイサイズと面積
まずは大きく違うのはディスプレイサイズです。
ThinkPad X280 | ThinkPad X1 Carbon |
12.5インチ | 14.0インチ |
12.5インチと14インチ、数字としてはわずか1.5インチの差となりますが、実物を手に取ると意外に大きな差を感じます。
12.5インチというのは実用的でありかつ最小を目指すなかで、最良のバランスだと感じます。10インチ、11インチというのは「文字が読めるかな」と不安になってくる大きさ、13.3インチでは「小さいと思ったから買ったのに、そんなに小さくないな・・・」と感じます。
そこで中間である12.5インチ。それほど小さくも感じず、大きくもない。ビジネスパソコンとしてかなりイイトコロを突いた大きさです。
対して14インチを備えるThinkPad X1 Carbon。
14インチは複数ウィンドウを並べて見る場合、明らかな広さを感じます。さらにオプションでWQHDの高解像度を選べる点もポイント。
では本体サイズも大きく違うかというと、実は高さ、幅ともに1~2cmほどの違いしかありません。
これはディスプレイの周りの枠(ベゼル 下記写真)をご覧いただけるとわかりますが、ThinkPad X1 Carbonのほうがかなり細い枠だと気づくと思います。
以前はThinkPad X1 Carbonのベゼルも太かったため、大きさには3~4cmの差がありましたが、現状ではそれほど大きな差はない、という点は覚えておいてもいいでしょう。
この先のバージョンでX280のベゼルが細くなれば、以前のように3cm以上の大きな差が出てくると思います。
とはいえ、この1cmの差が、
- カバンにすんなり入る
- 押し込むようになんとか入る
と、使い勝手を大きく分ける場合があります。毎回押し込むような使い方では、ビジネスで毎日使う場合、無意識のストレスになりかねません。
「大きさが同じぐらいで14インチなら圧勝じゃん!」と安易にThinkPad X1 Carbonを選ぶのは禁物です。持ち運ぶためのカバンなども含めて、確かめる必要があるでしょう。
画面オプションにも注意
画面オプションはThinkPad X1 Carbonのほうがかなり充実しています。
ThinkPad X280 | ThinkPad X1 Carbon (6th Gen) |
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|
ThinkPad X280は、FULL HD (1920×1080)の画面サイズのみとなります。
対してThinkPad X1 Carbonは、FULL HD もしくは WQHDの高解像度ディスプレイや、半グレアパネルの明るいHDR 500nitディスプレイなど、表示に関してのオプションが充実している点にも注目です。
デザインや写真編集などに使おうと考えた場合、ThinkPad X1 Carbonのほうが有力候補になります。ワークステーション的な扱いですね。
僕はデザイン作業をするため精細な画面は必須です。ただ、4Kでは特定アプリの文字がとても小さくなってしまうため、WQHDがベストなのです。WQHDに慣れるとFULL HDは細い線がザラッとして見えてしまうほど違いがあります。
Adobe LightroomやIllustratorをThinkPad X1 Carbonで使用し、ゼロからデザインを仕上げ、そのまま入稿までやってしまうことも多々あります。色の信頼感は高いです。
ThinkPad X280はビジネスでストレスのない表示、と割り切っていると感じます。とはいえフルHDなら文字は美しく、読みやすいので心配はありません。
むしろこの小ささでWQHDオプションがあったとしても、人間の目には違いがほぼ分からないので、大きな意味はないでしょう。
厚さ
厚さも現時点では、両者ほとんど差がありません。
ThinkPad X280 | ThinkPad X1 Carbon |
17.4mm | 15.95mm |
ものすごい薄さはThinkPad X1 Carbonの専売特許でしたが、X280の世代からグッと薄くなり、差は数ミリ。ギリギリCarbonが勝っている状態です。持った感じでは全くわからないほどです。
薄くてもどちらもガッシリとした丈夫さを感じられ、ペナペナ、ギシギシとした弱い部分はどこにもありません。
公式テストでも荷重100kgレベルに耐え、人間がまるごと乗っても壊れない様子が公開されています。すし詰めの通勤ラッシュでも、大切なデータを守り抜きます。
持った感じはX280の方が小ぶりでバランスが良く、持ちやすいと感じます。
キーボード
どちらも十分に使いやすいキーボードを備えます。
キー配列は自然で、キーの大きさ、形状、押し下げの力と反発力などなど、すべてが計算しつくされ、ノートパソコンとしてトップクラスの使い勝手だと感じます。
ThinkPadから他のノートに移ると「あれ?うまく打てないぞ?」と感じることが多々あります。逆に、デスクトップのキーボードからThinkPadに移っても、そんなに違和感は感じません。デスクトップレベルの使い勝手をノートで実現してしまっているのです。
これはかなりすごいことだ、という点を強調しておきます。
一つ一つのキーの大きさは、わずかにX280のほうが小さくなります。(写真の撮り方が違い、同じぐらいの寸法になりませんでした。すみません。手の大きさとキーの大きさを比べてみてください。)
X280はEnterキーの近くや、下段のキーが少し縦長になっている点にも注目してください。X1 Carbonはどのキーもほぼ正方形です。
面積の広いThinkPad X1 Carbonを使ってからX280を触るとなんとなく小ささを感じますが、常にX280を使っていれば何も感じないでしょう。単なる慣れの問題です。
キーボードの使用感に関してはどちらを買っても満足できます。
ポート類はどちらも豊富
拡張ポートに関してはどちらも豊富。小さくても薄くても、ビジネスで必要であろうポートはほとんど装備しています。
HDMIによる出力、USBによるHDDやカメラなどの接続、ドッキングステーションによるさらなる拡張にも対応。端子数で心配になることはほぼないでしょう。
強いて言えば、まだまだ古いプロジェクターなどで使われているVGA端子がない、というぐらいです。別途USB to VGAアダプタを持っておけばほぼ万全でしょう。
決め手とは?
ここまで見てくると、どちらもそんなに大きく変わらないのでは?と感じると思います。
ですが、手に持ってみるとThinkPad X280は明らかに小さく感じられ、ThinkPad X1 Carbonは明らかな画面の広さがあります。
- 画面の小ささはそんなに重要ではないが、とにかく1cmでも小さなボディが必要、という場合はThinkPad X280
- 軽く、薄く、それでいながらデスクトップとそん色ない使い勝手を求めたい、という場合にThinkPad X1 Carbon
という選び方はどうでしょうか。
またディスプレイの項目でも書きましたが、高精細なWQHDやHDR対応ディスプレイはThinkPad X1 Carbonしか選べません。こういう特殊機能で比較検討するのもアリでしょう。
WTS的まとめ
購入時にかなり迷いそうな2台を比較してみました。僕の使い方でいうと、写真編集からビジネス、プログラムなど幅広いことを1台でまかなえるのがThinkPad X1 Carbonでした。ですがA4サイズが余裕を持って入るカバンでないと、入れづらいです。
カバンを少しでも小さくしたいと思ったらThinkPad X280に軍配が上がりますね。
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