どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
今日はSynology、QNAPのNASの「デフラグ」についてまとめています。
Windows PCではおなじみのデフラグ。Windowsではフォーマットの仕様上、1つのデータがディスクのいろいろな場所に分散される(断片化する)ため、長く使っていると動作が遅くなってしまいます。
デフラグはバラバラになったデータをできる限り整列させて、読み取り速度を改善する機能です。(ただし最近のSSD搭載機ではデフラグは必要が無いので、”おなじみ”ではないのかもしれません。)
QNAPやSynologyのNASはWindowsとは違うファイル構造を持っていて、断片化は起こりにくくなっています。
ただ、「起こりにくい」だけであって、時間とともにフラグメントは発生していきます。
QNAPとSynologyの違い
QNAPのNASは、何も指定しなければEXT4という形式でフォーマットされます。
これはLinuxで多く採用されるフォーマットで、基本的にデフラグは必要ないとされるほど、断片化には強い構造となっています。
そのためQNAPのNASには「デフラグ」という機能や設定は存在しません。ユーザーが能動的に行える整備は「データスクラビング」のみとなっています。
データスクラビング(データスクラブ)とは?
NASでは全ファイルに対してチェックサムや代替データを持っています。データスクラブは全ファイルを再調査し、なんともないように見えても破損しているファイルを保守/復帰します。
月1回、多数のファイルを扱うなら毎週ぐらい行うと安全性が高まります。
非常に時間がかかり、遅くなりますので、業務時間外で実行しましょう。
対してSynologyの標準フォーマットBtrFS(バターエフエス)。
BtrFSは重複データを一つにまとめることで容量の節約ができ、耐障害性がExt4より高いフォーマットとされています。
ただ、EXT4よりは断片化する傾向があり、長時間の使用では体感的な遅さまで進行するときがあります。これは実体験です。
月に10万ファイル近くを出し/入れした場合、半年ほどでデータの読み出しが遅くなったり、書き込みで遅延が出てなぜかファイルが二つできてしまうなどの現象が見られました。
そのためSynologyのNASにはユーザーが能動的にデフラグをかけられるようになっています。
手順はカンタン。
ストレージマネージャを開き、ボリュームを選択
対象ボリュームを選択し、「操作」から「ファイルシステムのデフラグ」を選択
これでデフラグがスタートします。
NASの処理能力やデータ量にもよりますが、4ディスク/4コアモデルでは200万ファイルほどで30分程度かかりました。その間はNASの動きが非常に重くなりますので、業務時間外で行った方がいいでしょう。
WTS的まとめ
SynologyのNASは、データスクラブの定期設定はできますがデフラグの定期設定はありません。定期的に行うようにすれば、快適性を保てます。
ちなみに、NASにはSSDキャッシュも256GB搭載しているのですが、断片化した状態では遅さを感じました。キャッシュの効きがわからないレベルです。SynologyのNASは注意した方がいいですね。
もちろん、SSDのみ採用したフルフラッシュストレージでは、デフラグは寿命を縮めるだけで速さに対しても意味がありませんので、行わないでください。(SSDキャッシュとは無関係)
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