先日から公開開始された、Synology NASのOS(DSM)の新バージョン「7.0」の情報です。
今回は画面周りや、大きな変更を紹介します。
アップデート前にはバックアップを!
新バージョンは早く試したくなりますが、まずは全体のバックアップを行いましょう。
アップデートはいつ失敗するか分かりません。また、起動後も全機能が正常に作動するとは限りません。個人ならデータだけでも全てバックアップを。企業用なら必ず同等機能のNASにクローンを作りましょう。
アップデート中に停電があったとしても失敗する可能性はあります!
付属の高機能バックアップツールHyper Backupを活用しましょう。
スッキリした画面と立体感の増したアイコン
アップデート後にまず気づくのはウィンドウのデザインとアイコンでしょう。6.0と7.0を比較してみました。
6.0もシンプルで見やすいデザインでした。7.0はアイコンにより深い陰影が与えられ、立体感が強くなりました。iOS 13から14への変化に似ています。
ちなみに上記のアイコン一覧モードですが、DSM 6.0はうっすらとデスクトップが見えていましたが、DSM 7.0ではデスクトップのアイコンは消えるようになりました。
ウィンドウが全体に白く、カドに丸みが
ウィンドウはタイトルバーについていたグラデーションや、フチの陰影がほとんどなくなり、白くフラットになりました。カドに丸みを帯び、すっきりとやわらかな雰囲気になっています。
コントロールパネルはアイコンの間隔が少し広がったようで、グループが視認しやすくなっています。
全体的にデザインに余裕が見えますね!
無料のステータス監視 Active Insight
Synologyが24H/365DでNASの死活監視を行ってくれる、Active Insightが使えるようになります。
NASの死活監視はもちろん、ディスクエラーなどのエラー検出と、その修復ヒントをだしてくれるようです。NAS管理者が足りない場合は非常に助かりそうな機能です。
ただしSynologyにNASステータスが渡ることになるため、企業では情報セキュリティポリシーと一度照らし合わせたほうが良いでしょう。
2FAログインに対応
ようやっと2FA(2段階認証)ログインが搭載されました!
- Synologyモバイルアプリによる認証
- OTPによる認証
- ハードウェアキーによる認証
これらを使うことができます。
2FAを設定すると、パスワードの通過後、毎回ワンタイムパスワードの入力や承認アプリでのタップが必要になります。つまりIDとパスワードだけを盗んでもログインは不可能になるのです。
ウェブからのクラッキング、内部からのクラッキングを防ぐためにも、企業用NASならいますぐにでも使用を始めた方が良いですね。
ここでも気をつけておきたいのは、管理者権限を持つ限られた人たち複数で、2FAを共有しておくことです。もし管理者一人で2FAを持っていると、病気などで操作不能になった場合、すぐにログインできなくなります。
安全性を高めつつ、インシデント管理もシミュレートしておきましょう。
廃止されるパッケージなどもある
いくつかのパッケージが廃止されたり、場所が変更されます。
例えばPython 3はいままではパッケージでインストールしていましたが、DSMに組み込みとなり、パッケージが不要となります。Node.jsもV12、V14が入ってきており、V8はサポート終了に。
もし機能に依存しているアプリケーションを使っている場合は、事前に該当バージョンで動くかどうかを確認しましょう。
SSDキャッシュは再構築が必要?
アップデート後も特に問題なく動いていましたが、ふとSSDキャッシュを見ると「より良い機能のサポートとパフォーマンスのある新しいものを作成することができます」というメッセージが。
SSDキャッシュの再構築をすると、よりよい機能となるようです。パフォーマンスのためにはやっておきたいところですが、実はアンマウントにかなり時間がかかります。(容量によっては数時間)
時間があるようでしたら再構築しておきたいですね。
WTS的まとめ
メインとなる機能は、外観が変わるだけで動きに変化は見られません。仮想化してあるOSも問題なく引き継がれています。(Ubuntu)
ただ、企業用でNAS以外の使い方(ウェブサーバやアプリケーションサーバなど)をしている場合、何が起こるか分かりません。くれぐれもバックアップとクローン化をお忘れなく。
コメント