Synology DS1621xs+にメモリを増設する!作業はカンタンだがメモリの種類に注意

当記事はSynology非推奨のパーツを使って行ったテスト記事になります。下記パーツを使用した場合、NASが不安定になったり、起動ができなくなったりなど、予期せぬ不具合が発生する可能性があります。また社外メモリの場合、メーカー保証が受けられなくなります。

増設時は必ず純正パーツをご使用ください。

こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。

Synologyの高機能6ベイNAS「DS1621xs+」について記事を書いています。以前の記事はこちら。

 

DS1621xs+は仮想PC環境やDockerなど、複数のOSを動かしてしまえるほどのCPUパワーを持っています。ですが標準メモリは8GBで、複数の仮想化PCやDockerを動かす場合、満足にメモリを割り当てることはできません。

今日はDS1621xs+に合うメモリを特定し、増設にチャレンジしたいと思います!

メモリの種類に注意

DS1621xs+に搭載しているメモリは「DDR4 8GB ECC SO-DIMM」となっています。

スペックを詳細に見ますと、

  • DDR4世代
  • 8GBの容量
  • ECCあり
  • SO-DIMM(ノートPCによく採用される小型なタイプ)

であるということがわかります。

 

特に注意したいのは「ECC」の部分。

これは「エラー訂正」という機能を持ったメモリで、書き込まれたデータに問題がないか常に監視し、もし間違っている場合は、訂正し正しいデータに戻すことができるのです。

メモリは非常に高速にデータをやりとりしています。そのため、ほんのわずかな静電気の影響や、外部の電磁波ノイズなどの影響により、まれにデータエラーが発生します。

個人用のPCならメモリエラーで動きが悪くなっても、気軽に再起動できますし、最悪でもブルースクリーンが出て困ったりする程度(笑)です。

 

しかし24時間/365日稼働しているNASや、スーパーコンピュータなどは、メモリエラー程度でシステムダウンが起こってはなりません。

ECCメモリは、データエラーによるダウンを可能な限り防ぐための特殊なメモリなのです。

 

通常に販売されているコンシューマー用メモリは、ほとんどがECC機能は搭載していません。(Non-ECCなどと書いてあるもの)

ECCなしタイプはDS1621xs+では使用できませんのでご注意ください。(NASへの悪影響を考え、取り付けるとどうなるかは実験していません)

メモリの選定

次にどのメモリを購入するか、という部分です。

いくつかのメーカーからECCメモリは販売されていますが、ビジネス用のメインNASとして使う予定なら、絶対にSynology純正品を選ぶべきです。(対応メモリ:D4ES01-8GD4ECSO-2666-16G

下記がSynology DS1621xs+用純正メモリとなります。

 

Synology純正メモリなら、もしNASが不安定な動作をしている場合でも、メモリ込みで保証対応/故障診断をしてもらえます。

しかし社外メーカーの場合、メモリを取り外さないと保証対象になりません。本体が悪いのか、メモリが悪いのか、切り分けが非常にむずかしくなるのです。またメモリの影響によりNASが故障した場合、保証期間内であっても有償修理となる可能性があります。

おすすめ、というより仕事で使うなら必ず純正部品を選ぶべきです。

社外品よりは値段が高いですが、相性問題は完全にクリアしていて、将来にわたって安心です。数年間の保険料だと思えば安いものでしょう。

 

今回のレビューはあくまで性能テスト用のNASのため、社外メーカーのものを使用しています。参考程度にとどめてください。当サイトではこのメモリを使った場合の一切の責任を負えません。

購入したのはTranscend TS1GSH72V2B(DDR4-3200 / 8GB / ECC付き / SO-DIMM)です。

取り付け

取り付けは非常にカンタン!

DS1621xs+を裏返すと、2本のネジ(プラス #2)で留まった小さなフタがあります。ここを開けます。

Synology DS1621xs+ 底面

 

中に2本のメモリスロットがあります。標準では1本のメモリが搭載されています。

標準では1本のメモリが搭載されていた

 

開いているスロットにメモリを挿入します。少しナナメに入れ、押し下げると「カチッ」とロックされます。

 

これだけで完了!

作業は5分もあれば十分でしょう。

DSMで認識の確認

さっそく起動してみます。

今回は社外のメモリなので「起動しなかったらどうしよう」とちょっとドキドキでしたが、ひとまず無事に起動したようです。純正メモリならこのドキドキは不要です。(笑)

DSMにログインし、「コントロールパネル」>「情報センター」を開きます。

メモリが正しく認識されていれば合計容量が表示されます。今回は8GB x2 = 16GB が認識されていました。

社外メモリですが、無事16GBが認識されていた

 

DS1621xs+はもともと高速ですが、メモリ増設後は、心なしかさらに速くなった感じがします。ウィンドウを開いたり、アプリを開くたりするときに、コンマ数秒速く感じ、キビキビ・サクサク感が増しました。

仮想PCやDockerに潤沢に割り当てられる

標準の8GBでは、仮想PCに割り当てるメモリは4GBが限度でしょう。

4GBではWindows 10の動作はかなり苦しいところ。操作はカクカクします。Linuxでも、Ubuntuのデスクトップバージョンなどは4GB程度を要求します。

16GBまで増設すれば、8GB以上の割り当てが可能になります。Windows 10も驚くほどスムーズになります。

メモリ容量の表示例

 

仮想化環境を活用するつもりなら、メモリ増設は必須といえるでしょう。

WTS的まとめ

今回は簡易なテストなので社外メモリで実験しました。

正しく認識され、1週間程度動かしていても問題は感じませんが、いつ相性問題などが発生するかは未知数です。何度も書きますが、仕事用なら純正メモリを選びましょう。

純正メモリなら本体保証に含まれますので、保証期間まで安心して使えます。

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