どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
先日はThunderbolt 3接続で10GbE(10Gbps LAN)を実現する「センチュリー CATB3LAN10G」にてSynologyの最新エンタープライズクラスNAS「DS1621xs+」に接続。
シーケンシャル読み込み 1179MB/sという、NVMe接続のSSDに迫るほどのとんでもない実効速度を示しました。前回のレビューはこちら。
そこで気になったのは、ThunderboltではなくPCIeカードならもっと速度は出るのだろうか?という疑問。
ThunderboltやUSBは安全に外部に信号を送るため、信号自体にさまざまな変換や安全策が講じられています。つまり、それだけ速度がスポイルされてしまうわけです。
内蔵PCIeバスの場合、信号は完全にCPUやチップセットと統合されており、高速を実現できるようになっています。グラフィックボードが好例ですね。
ということで、ThunderboltとPCIeボードとの速度を調べたくなり、QNAPの10GbE拡張カード「QXG-10G1T」を買ってまいりました!
ちなみにQNAPとSynologyはライバルNASメーカーですが、装置がケンカすることもなく(笑)、1200MB/sというとんでもない数字をたたき出しました!
QXG-10G1T
まずは今回使用するPCIe 10GbEボード「QXG-10G1T」を紹介。
QNAP社はNASメーカーですが、LANボード、ネットワークハブなど、通信に関わる装置を幅広くフォローアップします。
QXG-10G1TはQNAPのNASにはもちろん、PCにも接続できます。
- QNAP NAS用ブラケット
- PC用フルハイトブラケット
- PC用ロープロファイルブラケット
の3種類が付属します。
PCIeコネクタは小さく見えますが「x4スロット」用になります。x1スロットでは入りませんのでご注意を。マザーボードによってはx16スロット1本と、他は全てx1スロットとなっている構成が多いです。その場合x16スロットにしか入りません。グラフィックスボード等が挿せなくなります。
接続は一般的なRJ45タイプ。
ただし10GbEを安定して実現するためには、ケーブルはカテゴリ6以上が推奨されています。というかカテゴリ6以下ではまずフルスピードが出ません。
今回はカテゴリ7の高品質ケーブルで直結します。
NASと接続しベンチマーク!
ではさっそく実力テストです!
10GbEポートを標準装備する、Synologyの最新エンタープライズクラスNAS「DS1621xs+」に接続します。(DS1621xs+についてのレビューはこちらから)
テスト環境
・DS1621xs+でiSCSI LUNを10GB定義。
・Windows標準iSCSIイニシエータにてドライブとしてマウント。NTFSで初期化。
・CrystalDiskMarkにてベンチマーク。
そしてこちらが実験結果です!
前回の1179MB/sも驚きますが、そこからさらに50MB/sほどアップ!これが10GbEのフルスピードか!?
10Gbpsはおよそ10,000メガビット/s。それをバイトに直すため8で割ると、約1,250となります。
つまり、10GbEの理論最大速度はおよそ1,250メガバイト/秒となります。
QXG-10G1Tのベンチマークは1227MB/sなので、ほぼ理論限界値に近い。ここが10GbEネットワークの天井だと捉えてもよいでしょう。
前回の結果と比べてみましょう。シーケンシャル読み込みはもちろんのこと、細かなファイルで重要になるランダムアクセスもアップしています。
Thunderbolt 3 センチュリー CATB3LAN10Gの結果
今回のQNAP QXG-10G1Tの結果
5GBクラスの巨大ファイルをわずか数秒でコピーできます!
動画も写真もガンガン移動できて、とにかく快適!
この快適さ、普段ファイルサーバーでひたすら作業している人にはぜひ味わってほしい!苦行のようなバックアップ作業が、笑顔になります!
結論
10GbEを最大限活かすのなら、PC側にはPCIeボードで増設しよう!
WTS的まとめ
ほんの数MB/sぐらいアップするかな~と思っていましたが、はるかに上回る上昇率でした!
ThunderboltやUSBはプロトコル変換などでかなりのロスが発生していることが、身をもって体験できました。
高速ネットワークを目指すなら、PCIeボードをなるべく搭載したいですね。
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