片手でラクラク持てる超小型ベアボーンPC「ASRock DeskMini X300」。(レビューはこちら)Ryzen 7 5700Gを搭載し、非常に快適に使用していました。
ASRock DeskMini X300 155 x 155 x 80 mm(1.92リットル)の超小型ベアボーン
さて、最近10GbE(10Gbps)の高速NASを何台か検証中で、普段使いのマシンにも10GbEカードを積みたいと考えていました。
しかし極小を目指したDeskMini X300には、カードが入る空間もPCIeスロットもなく、一切の拡張は不可能。Thunderboltも搭載していないので、Thunderbolt経由の10GbEアダプタも付けられません。
DeskMini X300の中身。PCIeカードを入れる空間も、スロットもない
ということで、Mini-ITXサイズのマザーが入る小型ケースへのアップグレードを考えました。条件としてはこんな感じ。
- 小さくて、なるべくシンプルなカタチ
- PCIeスロットは必須
- 色はシルバーがベター
探したところ、取っ手がついたヘンな小型ケース「Jonsbo(ジョンスボ) T8」にヒット!
X300よりはだいぶ大きいものの、PCIeスロットがあるMini-ITXケースの中ではコンパクト。ちょうどよいミニマム感です。ちょっとした持ち運びやメンテンナンスでの運搬に使える取っ手が意外に役立つ!
さっそく組み立てレビュー!
- シルバーは金属で高級感あり
- 縦型で設置面積は少なめ
- 両サイドガラスでLED電飾も可能
- 取っ手は意外に便利!
Jonsbo T8デザイン
Jonsbo T8はMini-ITXマザーとSFX / ATX電源に対応したコンパクトタイプケース。(公式詳細ページはこちら)

本体サイズは幅160mm、高さ242mm、奥行き218mmで、奥行きより高さが長い縦長ケース。そのため一般的な奥行きが長いタイプよりも、少しコンパクトに見えます。
ちなみにこのJonsbo T8、本国の中国では「EOL(販売終了)」とされています。国内の在庫もほとんどが「品薄」になっており、いつまであるかわかりません。もし良さそうだと感じたら、早めの入手をおすすめします。
ひとまわりサイズが大きく、3スロットのPCIe、ATX電源に対応した「JONSBO T8 PLUS」も本国では販売されています。Amazonでは直輸入で販売している会社もありますが、保証等は未確認のため、当サイトではおすすめいたしません。ご購入はご自身の判断にてお願いいたします。(日本正規輸入店はいまのところありません)
ASRock DeskMini X300との大きさ比較。

極小のDeskMiniと比べればだいぶ大きくなってしまいますが、X300では120Wの大型電源アダプタが別になっていますので、電源を内蔵できるT8のほうが電源周りはすっきりします。
外装は2~3mmほどの厚いマグネシウム+アルミニウム合金。表面はショットブラスト処理でさらっとしており、高級感があります。
表面処理の質感は高い
シルバー以外にはブラックとレッドもあります。
シルバー
レッド
ブラック
両サイドのガラスは、少しダークスモークの強化ガラス。それほど暗いガラスではないので、内部パーツが見え、LEDによる演出も可能です。
左側面
右側面
ガラスは3mmほどの厚さがあります。
※デコボコして見えるのは、保護フィルムをはがしていないためです。ガラスの切削はきれいです。

こちらは背面。
PCIeスロットが2本あります。2スロット厚のグラフィックボードも搭載可能です。グラフィックスボードの最大長は210mmとされています。ツインファンのカードでは入らないものが多いでしょう。サイズに注意が必要です。

そして特徴的な取っ手(ハンドル)!
Jonsbo T8の大きな特徴であるハンドル
ボディ同様の厚いパネルに覆われ、非常にガッチリしたハンドルです。いろいろ詰めこんで重くなっても、まったく問題なく持てそうです。オマケで付けたようなチープなものではなく、実用性を考えたハンドルです。
メンテナンス時に取り出す際や、LANパーティーやVR体験用などに持ち運ぶ際にも活躍してくれそう。
飾りではない頑丈(がんじょう)なハンドル。メンテナンスでも活躍する。
上面は14cmファンを標準装備。
標準装備のファン。LEDで発光する。
ピンは3ピンでPWM(速度可変)には未対応。
実はこのファン、LEDで光ります。しかしEDの光パターンは完全に自動で、カラー設定はできません。ついでに言うとファンと電源ピンが分かれていないため、消灯もできません 。(汗)
消灯して存在感を無くしたい場合は、ファンの交換が必要となってしまいます。ただしファンのネジが特殊で、一筋縄ではいきません。いくつかのファンを試しましたが、純正ファンしか付けられない状態です。ファンについては別記事に改めます。
下面にはエアフィルターがあります。取り外し可能で、汚れたらエアブラストや水での洗浄も可能。
底面ファンが取り付けできそうな雰囲気ですが、ネジ穴がなく、取り付けは不可能です。エアフローは上面ファンのみに頼ることになりそうです。
あまりに熱の高いCPUでは、廃熱が苦しくなるかもしれません。
工作が得意な方は14cmファンの位置に穴を開ければ取り付けはできると思われますが、 当然のことながら保証対象外となるでしょう。

次ページから組み立て編です。
組み立て!
では組み立てて行きましょう!
今回使用したパーツ類
使用パーツリストはこちら。
ケース内は狭いので、マザーにあらかじめCPUやメモリなどを組み付けておくのがおすすめ。
組み付けて入れる場合は、マザーが曲がると思わぬ故障につながる場合がありますので、なるべく水平にゆっくり動かしてください。
なるべく水平に保ちケースに入れて行きます。スタンドオフはmini-ITXの規格にピッタリと合っています。僕の個体ではネジのズレなどはありませんでした。
マザーを収めたところ
ネジを締めたら、フロントパネルの配線を接続。
ちなみにこのフロント用のUSBケーブル、ケースの横幅をはるかに超えるほど長いんですけど・・・ いったいどこからどこまで引こうというのか。
ケースをはるかに超える長さのフロントUSBケーブル
USB端子はほとんどがマザー前側についているし、どう考えてもこんなにいらない。大型ケースのケーブルをそのまま流用しているとしか思えません。ただでさえ狭いケースなのだから、しまい込むのが大変です。固いし。
Mini-ITXでもUSB端子が後ろについているタイプがあるのでしょうか?いままで出会ったことがありませんが・・・
忘れずに上部ファンのケーブルをつなぎます。マザーに「システムファン」のコネクタがあればそこへ接続しましょう。
電源ユニットを搭載します。今回もお気に入りの「コルセア SF600 Platinum (CP-9020182-JP)」を使用します。
SFXの小さなファンなのに、めちゃ静かです!また配線が全て取り外せるフルモジュラータイプなので、余分な配線は外せるのがイイ!小型ケースでは余分な配線を格納するスペースも少ないので、非常にありがたいのです。ちょっと高いけどオススメ。

とはいえ、グラフィックスボードを積まないなら600Wは完全にオーバースペック ですね。CPUのみの運用なら300Wでも十分です。
マザーボードへ電源を接続します。
ATXとCPUの電源を先につないでから電源を入れた方がラクです。というか、CPUコネクタは電源ユニットを納めると接続不可能になります。必ず先につなぎましょう。
電源ユニットを入れると手が入らないCPUコネクタ
電源ユニットは全ての接続後に入れた方がよい
電源はCPUにかぶさるように取り付けます。
CPUにかぶさるように取り付ける
使用しているCPUクーラーは高さわずか37mmの「Noctua NH-L9a-AM4 chromax.black」。それでも電源ユニットとの空間は下写真の通り、ギリギリです。
あいだを通るCPU電源ケーブルが接触しそうで怖いぐらい。完成したらケーブルはクリップで留めた方が安全でしょう。
※NH-L9はインテル用、AMD用で製品が分かれます!上記はAMD AM4専用になります。インテルCPUには取り付けできませんのでご注意ください。またインテル用はLGA 1700のみ別製品になるので、第12世代以降の場合はさらに気をつけてください。
37mmのローハイトクーラーでもここまで接近する
公式マニュアルでは「最大高さ66mmのCPUクーラー対応」とされていますが、この様子でははっきり言って50mm以上は危険 ではないでしょうか。66mmでは電源とCPUクーラーがほぼくっついてしまい、フレッシュエアの奪い合いになりそう。CPUクーラーの選択の余地はそれほどないでしょう。
PCIeスロットには210mmまでのボードが入るとされています。ただ、電源ユニットの配線などを収めると、210mmではキツイ場合もあるでしょう。グラフィックスボードではサイズに特に気をつける必要があります。
下写真は小さめのQNAPの10GbEカードを収めたところ。このぐらいなら余裕はあります。
小さな拡張ボードなら余裕。大型グラフィックカードはサイズをよく確認してください。
動作確認をして、ガラスパネルを閉じれば完成!
ネジ穴がおかしいとか、ケーブルが引きにくいなど、そういった問題はありませんでした。USBケーブルは長すぎだけど。
しかし・・・ガラスに直接シールを貼るな!!
さて、ガラスパネルのPCケースは、完成後の保護フィルムはがしがお楽しみ!
フィルムをはがすとピッカピカのガラスになり、盛り上がりますね!
ベリベリベリッとはがせばピカピカの・・・・って、んんんんん!!??!?
「ガラス注意」のシールが保護フィルムの上に貼ってあるかと思いきや、なんとガラスに直接貼ってある!!!!しかもこれ、「きれいにはがせるシール」じゃない!!!
はがしたらめっちゃノリ残ってるやんけ!!!三角形に!!!さわるとベタベタする!!!何してくれてんねんJonsbo!!!
メインイベントが台無しですわ。
きれいなガラスに思いっきりノリあとが・・・しっかりベタベタします
しかたなくシールはがし液でこすって、ようやっと取れました・・・作業10分。
せっかくオシャレなデザインを作っても、こういう最後の処理が悪いとイメージ悪いですよね。外箱のダンボール箱にすらはがしやすいシールを付ける日本人とは、いまいちズレがある。
ふんわりと光るLEDは良い
さてノリを除去したら (笑)、ようやっと完成です。スイッチオン!!
付属ファンは非常に静かです。ふんわりと光るLEDも、まあまあオシャレかな。ギラギラした威圧的な光り方ではありません。消灯できないけど。
ケース外側
ケース内側
Ryzen 7 5700G / SF600 / Noctua L9aの組み合わせなら、アイドル時はファンの音がほとんど耳に届かないほど静か。負荷をかけても「シュー」と低音の風切り音で、1m離れればほとんど気になりません。
ケースファンの風量は、上に手をかざすと軽く風を感じる程度。
ただ、上にも書きましたが、付属ファンはPWM未対応 。つまり常に同じ回転数です。静音性重視なのか回転数もそれほど高くなく、放熱力はそれほど高くないかもしれません。
高性能CPUやグラフィックスボードを積む場合は高性能なファンに交換をしたいところですが、ネジの設計が微妙すぎて 、市販品3つのファンを試しましたがすべて取り付けできませんでした。
市販品のポン付けは不可能だと思ってください。
WTS的まとめ
ということで完成です。デザインはよく、組み立てもやりやすいケースでした。
とはいえ、異様に長すぎるUSBケーブル、ガラスに直接貼られた汚いシール、交換ができないケースファンなど、細かなところで「ん?ん?」となります。
このあと中型ケース「Jonsbo D30」も買ってみたのですが、こちらもさらにすごい!レビューにご期待ください。





