スリムで、本体前後長も短いため、搭載するグラフィックボードの制限が厳しい「NEC LAVIE Direct DT」。
数回にわたって搭載できるグラフィックボードを探してきましたが、現在以下のボードが搭載できることがわかっています。
- MSI GeForce GT 1030 2GD4
- NVIDIA T400(どのメーカーでもほぼ同じ大きさ)
- NVIDIA T600(どのメーカーでもほぼ同じ大きさ)
- NVIDIA T1000(どのメーカーでもほぼ同じ大きさ)
搭載できるとはいえ、GeForce GT 1030では最近のCPU内蔵GPUとほとんど変わらない性能。またビデオエンコーディングなどの支援もまったくありません。
NVIDIA Tシリーズは、さすがにワークステーション用だけあって1スロットでも性能は良いです。が、とにかく値段が高い。T1000にいたっては実売5万円前後で、軽いパワーアップでかけられる金額ではありません。
そんな中、新たな1スロット・ロープロのボードが登場!
Intel Arc A310を搭載した「SPARKLE Intel Arc A310 ECO」です。
Intel Arcシリーズの末弟となるA310ですが、さまざまな機能は最新型。AV1やH.256といったビデオエンコーディング支援ももちろん搭載しています。しかも価格は1万5千円前後と手にしやすい。
ブラケット交換に問題あり・・・ですが、軽いパワーアップ目的ならかなり使えそうです。実機での性能レビューなどはこちら!
カードは短めの156mm。これならLAVIE Direct DT にもいけるか!?
さっそく詰めこんでみた!
Lavie Direct DT スペック
第10世代CPUCore i7-10700を搭載したモデル(2020年秋冬モデル)になります。
記事執筆時点での最新型は第12世代CPUを搭載したモデルですが、どの世代も内部設計はほとんど変わっておらず、カードの制限はほぼ同じだと思われます。
項目 | スペック |
---|---|
OS | Microsoft Windows 11 Home (x64) |
CPU | Core i7-10700 |
CPUコア/スレッド数 | 8コア / 16スレッド |
内蔵グラフィック | Intel UHD 630 |
メモリ | 8 GB |
メモリスロット (空きスロット) | 4 (2) |
ストレージ 1 | 1TB HDD |
光学ドライブ | DVD+R DL |
ポート類 | USB Type-C x1、USB 3.1(Type-A)×2、USB 3.0×2、USB 2.0×4、DisplayPort×2 、ミニD-sub15ピン×1 |
サイズ | 89(W)×298(D)×336(H)mm(スタンドなし) |
重量 | 約 4.7kg |
SPARKLE Intel Arc A310 ECO
Intel製のグラフィックチップ「Arc A310」を搭載し、156×69×15mmの小型サイズを実現。小型ながら8K(7680×4320@60Hz)までの出力に対応できる実力があります。ビデオメモリは4GBを搭載。
搭載してみる!
とにもかくにも、搭載してみましょう!
こちらがNEC LAVIE Direct DT のスロット。前後長が短いケースで、さらにHDDを搭載するシャーシが1/3ほどを占めるため、カード長は155mmほどが限界。
デルやHPのスリムパソコンなら搭載できるカードでも、Lavie Direct DTには入らないことが多々あります。
今回はどうでしょうか。
入れる段階ではかなりギリギリに見えます。そーっとまっすぐに入れていきますと・・・入りました!
ギリッギリですが、擦れ合うこともなく、カードに無理はありません。後ろ側はあと1~2mmほどの空間を残しています。
搭載可能です!
騒音はどうか
狭いケースなので騒音が気になりますが、カードからの騒音はわずかです。
カードの単体レビューにも書きましたが、このカード、なぜかアイドリング時に止まったり回ったりを繰り返す変な調節機能があります。
周波数なノイズで気になるものの、ケースを閉めればあまり聞こえては来ないので、まあ許容範囲と言えるでしょう。
CPUのシロッコファンのほうがよほどうるさく、そちらにかき消される程度です。
「静音」だといえるレベルではないでしょうか。
WTS的まとめ
久しぶりに、NEC LAVIE Direct DT に搭載できる”最新の”スリムボードが誕生です!
最新型なので、AV1、H.265などのビデオエンコーディング支援が付いているのがうれしい。スリムPCで軽い3D映像を扱いたい場合や、CADの支援システムとして利用できそうです。ビデオ変換カードとしても需要がありそうです。
ちなみにDavinci Resolveでは「QSV(Quick Sync Video)」として認識され、CPUと比べてエンコード速度はおよそ2倍となりました。
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