こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。
最近のPCゲームは巨大化する一方。
- モンスターハンターワールド(高精細テクスチャーパック有り) 約100GB!
- マイクロソフト フライトシミュレータ(2020)約 170GB!
- Cyberpunk 2077 80GB!
- グランドセフトオートV 60GB!
とまあ、ほんの5年ほど前までは、20GBでも「ヤバい容量」と言っていたのに、いつの間にやら100GBでも驚かなくなってしまいました。一体どんなデータが入っているんだ。
一般的なPCに登載している500GBのストレージは、普通の写真や書類ならとんでもないほどの量が入るのに、超大作ゲームはたった5本しか入らないという、データインフレ状態になっています。4Kゲームが一般的になるこれから先、さらに増えることでしょう。
そして容量が多くなればゲーム内で読み出されるデータも多くなりますから、ある程度速いディスクでなければ、マップの移動などが非常に遅くなります。
ということで、今日はNVMe接続の高速なM.2 SSDでありながら、2TBでも実質28,000円という、非常にお安いSSD「XPG SX8100 (ASX8100NP-2TT-C)」を買ってきました!(※価格は 2021/5/15現在のAmazonの価格)
さっそくレビューしてみますよ!
- NVMe接続で高速転送
- 価格比較サイトでも常にトップクラスの安さ
- ゲーム用としても実績のあるXPGブランド
SX8100とSX8200 Proを比較
ADATA XPGブランドは、ゲーム用の高性能パーツとして認知されています。SSDに関しては今回のSX8100シリーズの上に、SX8200 Proシリーズが存在します。
当サイトでも以前、SX8200 Proの500GB版をレビューしていますが、非常に高速でコストパフォーマンスにすぐれたSSDでした。
現在は、同社の最新のシリーズとして「GAMMIXシリーズ」も登場しています。SXシリーズは通常販売されていますが、いわゆる”型落ち”のモデルではあります(最初の発売年は2019年)。そのため、他の同容量のSSDよりも安くなっているという部分があります。
さて今回のSX8100、実はシーケンシャルアクセスはSX8200 Proとそれほど変わらず、最大3500MB/秒のリード速度、3000MB/秒のライト速度を誇ります。
では何が違うのかというと、主にはランダムアクセス性能(IOPS)です。
モデル | 最大リード | 最大ライト |
---|---|---|
シーケンシャルアクセス性能 | ||
SX8200 Pro(MB/s) | 3500MB/s | 3000MB/s |
SX8100(MB/s) | 3500MB/s | 3000MB/s |
ランダムアクセス性能 | ||
SX8200 Pro(IOPS) | 390K | 380K |
SX8100(IOPS) | 290K | 240K |
シーケンシャルアクセスはまったく差がないものの、ランダムアクセス性能は比較的大きく差が出ています。ゲームなど細かなファイルを大量に読み込む状況には、できるならSX8200 Proを選びたいところですが、もちろん金額も大きく違います。コストと性能を考えてセレクトする場面でしょう。
同じ2TBモデルを比較すると、およそ5,000円の差。僕は何よりコスト重視ですので、迷わずSX8100を買いました。(笑)
本体をチェック
本体をチェックしていきます。
箱は黒の引き締まったデザインがかっこいい。
本体と、ヒートシンクを兼ねたブランドロゴの金属シールが、分かれてプラスチックトレイに入っています。
ハイクラスSSDを使う人のほとんどが、自分で放熱効果の高いヒートシンクを貼ったり、マザーボード側にある大きなヒートシンクを利用したりします。その場合、最初からシールが貼ってあるとジャマになります。こうして本体とシールを分離してくれるとありがたいですね。
ADATAはゲーマーの使い方をよく研究しているのも、人気の秘密でしょう。
金属シールは厚さ0.1~2mm(目測です)ほどの、ごく薄いもの。ヒートシンクとしては簡易的なものなので、常時大量のアクセスする場合は、別途しっかりしたヒートシンクを用意したいところ。
コントローラーは通称”カニチップ”のRealtek製 RTS5762を登載。低価格ながらハイエンドに迫る高速アクセスを実現する、人気のチップです。
ベンチマーク
PCに取り付け、さっそくベンチマークです!
検証システムはCPU Ryzen 7 3700X / マザーボード AORUS B550i / DDR4-3600 32GBメモリという構成。Windows 10 (20H2)のクリーンインストール状態。
読み込みは公称値にかなり近い数値をしっかりと出してきましたが、書き込み性能がいまいちふるいません。公称値3000MB/sからは差があります。
4GiBの大容量の書き込みとなると、キャッシュが途切れるのか、書き込み性能が一気に半分以下に落ちている点が気になります。ただ、なぜかランダム書き込みは2260MB/sが出るというちょっと不思議な結果。
これが個体の問題なのかコントローラの性能なのかは調べられませんが、動画編集など大量の書き込みが発生する使い方では、他の製品も検討した方がよさそうです。
シーケンシャルリードは3,222MB/sと、NVMe 3.0×4の限界値に近い数値。ランダムアクセスもリード1,500MB/s、ライト970MB/sという高い数値を記録しています。
モンスターハンター、CyberPunk 2077、GTA V、フォートナイトといった読み込みの多いゲームでも、読み込み時間は少なく、快適にプレイ可能です。
容量は2TBもあるので、巨大ゲームが10本以上入り、いろいろなゲームに出入りするハードゲーマーでも切り替えのストレスがありません。
容量は256GB、500GB、1TBもラインナップ。
500GBは7,100円前後と、低コストでアップグレードしたい人が手に入れやすい価格です。(価格は2021/5/28現在 Amazonの価格)
SSDはパワーアップがすぐに感じ取れる部分なので、手頃な価格で手に入るのは何よりうれしいところ。
温度を計測
動作時の温度をチェックしてみました。
今回は付属の金属シールではなく、アルミのM.2用ヒートシンクを、熱伝導ジェルパッドをはさんで取り付けています。
NVMeタイプのSSDはかなり温度が高くなるものが多いのですが、SX8100は非常に落ち着いています。室内20℃付近の涼しい日ではありますが、アイドル時点では44~47℃付近、ベンチマーク時の最高温度が62℃に収まっています。
ベンチマーク後も速やかに温度が落ちつきます。大きめのヒートシンクに変えれば、狭いケースでも余裕を持って冷やせそうです。
とはいえ、真夏はより厳しい環境になります。サーマルスロットリングを起こさないためにも、機材の寿命を縮めないためにも、ヒートシンクは付けた方がよいでしょう。
WTS的まとめ
大容量クラスでもトップクラスの安さなのですが、さらに性能も高いという、コストパフォーマンスの高い1枚です。
安くても遅い、速ければ高い、という両極端の商品たちのなかで、「ほどほどに速く、けっこう安い」というおいしいところにちょうど入っています。(笑)
人気になるだけありますね!
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