どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
先日家庭内小型サーバー用に購入したNVMe対応 M.2 SSD「WD Black 256GB」は、価格も安く、温度も低く、転送速度もそこそこというとても良いバランスでした。レビューはこちら。
そして今回、Wd Black 2018 としてマイナーチェンジし再登場したのですが・・・性能がぜんぜん違う!
バージョン | 最大読み込み速度 | 最大書き込み速度 |
---|---|---|
WD Black 2017 (512GB) | 2,050MB/s | 800MB/s |
WD Black 2018 (500GB) | 3,400MB/s | 2,500MB/s |
何が起こったんでしょうかこれは。
書き込み速度は1.6倍、書き込み速度に至っては3.1倍という、驚異的な速度アップを果たしています!
2017年は「そこそこの速度で安価」という路線だったのに、何に目覚めたのか、突如としてトップ集団に乱入。
平凡な成績の高校生が有名予備校に通ったら、1年で特進クラスに入ってきやがったぞオイ!なんのチートをしやがった!と噂になるレベル。まさに2018年のダークホースSSDなのです!(Blackなだけに)
さっそく500GBの「WDS500G2X0C」を買ってきたのでベンチマークしますよ!
スペック
2017年版は256GBと512GBの2モデルでしたが、2018は250GB、500GB、1TBの3モデル構成になりました。
冒頭でも書きましたが速度アップがハンパない。全モデルで読み込み3,000MB/sを超えています。
表にまとめてみました。比較として2017年モデルを一番下に入れましたが、違いは歴然。
モデル | 読み込み速度 | 書き込み速度 |
---|---|---|
1TB | 3,400 MB/s | 2,800 MB/s |
500GB | 3,400 MB/s | 2,500 MB/s |
250GB | 3,000 MB/s | 1,600 MB/s |
(2017) 512GB | 2,050 MB/s | 800 MB/s |
(すべてメーカー公称最大値)
モデル | ランダム読み取りIOPS | ランダム書き込みIOPS |
---|---|---|
1TB | 500,000 IOPS | 400,000 IOPS |
500GB | 410,000 IOPS | 330,000 IOPS |
250GB | 220,000 IOPS | 170,000 IOPS |
(2017) 512GB | 170,000 IOPS | 134,000 IOPS |
(すべてメーカー公称最大値)
とはいえ、2017年モデルは”安さで勝負”だった価格(512GBで16,000円前後)が、2018年モデルではSamsungやPlextorと並ぶほど(500GBで23,000円前後)になっていて、完全に1グレード上がったという感じです。
「スタンダードな性能を安価に手に入れる」というパーツではなくなりました。
トップクラスとしては少し安価です。
パッケージなど
さて届きました。
箱は2017からほとんど変更なく、シンプル。3400MB/sの表示が誇らしげ。(?)
本体はヒートシンクなどがない基盤むき出しタイプ。長さは2280。
組み込み
今回は超高速なので、性能を引き出すためにメインマシンにインストール・・・するのですが、実はかなり問題があります。
というのも、僕のマシンはMini-ITXのマザーをこれまたMini-ITXサイズギリギリのPCケースにギッチギチに詰め込んであります。↓
さらに、M.2端子はマザー裏側にあるのですがこの通り配線だらけ!風も通らず配線が覆いかぶさるという最悪の条件です。
サーマルスロットリング(熱による暴走をしないために、速度を抑制する機能)により最大値まで届かない可能性もかなり高いと思われます。こんな状況でのベンチマークだということをご承知おきいただきたいところ。
前作ではロースペックならではの低発熱で好評を博していましたが、2018年版はどうでしょうか。
というか熱が上がりすぎて早々に壊れないことを祈る。(笑)
ベンチマーク
Crystal Disk Markで容量を変えてベンチマークを取りました。
1GiB、4GiBで計測しましたが、大きな速度落ちも見られず満足な結果です!
設置場所はかなりの悪条件ながら、読み込みは安定して3,300MB/s付近を記録。書き込みも公称値に迫る2,500MB/sを超えています。
放熱環境を良くすればもう100MB/sぐらいは伸ばせそうな感じです。悪条件でもここまで出せるという良い素性を示しています。
気になる温度ですが、Windows起動~アイドル時は62℃付近。ベンチマーク中は平均75℃前後、瞬間的に最大82℃まで上がってしまいました。
速度トップクラスのSamsung 970(ヒートシンクなし)は風通しが良くても85℃を突破することがあるので、それと比べればまずまず低発熱とは言えます。それでもこの温度で連続稼働は避けたいところですね。
空間があればヒートシンクを付けたり、ファンの風を当てたりして排熱に気をつかう必要はありそうです。
最近は基盤表面にM.2端子がついていたり、高級なマザーではM.2用のヒートシンクまで装備したものもあります(ROG STRIX Z370-I GAMINGなど)。これからMini-ITXでM.2 SSDを使おうと考えるなら、マザーの端子構成にも気を配りたいですね。
WTS的まとめ
速度も価格も1グレード上げてきたな、という感じです。温度も想像したよりも上がらないのがいいですね。サーマルスロットリングらしき大きな落ち込みも見られず、温度への耐性も高いような感じを受けます。
お手軽さはなくなったものの、速度トップ集団の中では安価なので、少しでも安く3000MB/s級のSSDを手に入れたいならおすすめできる製品です!
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