ソースネクストより販売されているプロ仕様動画編集ソフト「VEGAS(ヴェガス) 16」を入手しました!
2年前ほど前に、2つ前のバージョンとなる「VEGAS 14」をレビューしています。シンプルな操作系で洗練された使い勝手と、高速なレンダリングが高印象でした。
さて今回のVEGAS 16。今回は新たなモーショントラッキングをはじめ、新機能、従来機能の大きなバージョンアップが実現!さらなる進化を遂げています。
さっそくレビューしていきましょう!
- 従来ユーザーならすぐなじめ、さらに洗練されたユーザーインターフェース(UI)
- 最新のグラフィックカードに対応した超高速レンダリング
- ユニークなダイナミック・ストーリーボード・ワークフロー
- 強力になったモーション・トラッキング、手振れ補正
- 限定キャンペーン時は恐るべき低価格で入手可能(最大95% OFFも!?)
ダークで洗練されたユーザーインターフェース
まず起動して気づくのはダークなカラーに進化したユーザーインターフェース(以下UI)。
MacにもWindowsにも、最近「ダークテーマUI」が標準装備され、他のクリエイティブソフト(AdobeやAudoDesk等)も次々にダークテーマに対応。VEGASのグレーのUIは、少し「浮いた」存在になってしまっていました。
しかし、VEGAS 16でついにダークグレーで統一されました。やっぱりクリエイティブソフトはこうでなくては!見た目は重要ですよね。
VEGAS 16以前は、使いやすいのですが、ちょっと古さを感じる50%ほどのグレーのUIでした。最新4K映像をいじっているのに、なんとなくWindows XP時代の映像を編集しているような、妙な錯覚を感じてしまったのも事実。
もちろん、見た目だけではありません。
グレーでは映像周辺が明るくて、錯覚で実際よりも明るい色を基準にグレーディングしていまうという問題もありました。
下の画像を見てください。
夜の映像ですが、VEGAS 16のほうが暗さを直感的に感じられます。最終的に観られるYoutubeや映画、スマホでも、映像周囲は真っ暗なので、こちらのほうが自然です。色がしっかりととらえられます。
旧バージョンの明るいグレーでは、仕上がりの雰囲気と隔たりがあると言えるでしょう。
タイムラインの表示も洗練
ライムラインも情報がまとめられ見やすくなりました。
とはいえ、もともとVEGASはプロ仕様なので、他の素人向けソフトと比べると文字や記号は多めです。
初めて見る人は「うわ、いろいろ書いてあってむずかしそう!」と感じるかもしれませんが、必要なものがしっかり選別されて表示れるので、とても使いやすいのです。
そういうバックグラウンドがありつつも、VEGAS 16は文字情報を可能な限り抑え、従来よりもスッキリ見える状態になっています。
VEGASのタイムラインは高機能
VEGASのタイムラインは操作速度を最優先に考えられています。
たとえば編集で多用する「クロスフェード」。場面AとBをなめらかに切り替えるエフェクトですね。
VEGASはタイムラインで映像を少し重ねると、「X」のような線が出ます。たったこれだけでクロスフェードが完成!
他のソフトですと、エフェクトをかけたい部分を選択して、クリップ秒数を指定して、クロスフェードを選んで・・・と、2段階、3段階の操作になるでしょう。VEGASならワンタッチなのです。
ちなみに個人的な感覚ではありますが、たいていの場面転換はクロスフェードで十分です。
ページがめくれるようにかわったり、モザイク状になったりといった凝ったトランジションは、多用するとガチャガチャした雰囲気になります。
凝ったトランジションは、ここぞ、という場面だけで使うのがベストではないでしょうか。
最新グラフィックカードに対応した超高速編集
見た目だけではなく中身も進化!
nVIDIA GeForce RTX 20シリーズをはじめ、今年発売された最新グラフィックカードに対応し、編集速度、レンダリング速度すべてがアップしています。
まずグラフィックカードの対応が違います。
VEGAS 14では、最新のnVIDIA GeForce RTX 20を搭載していても、認識できません。RTX 20シリーズを使おうと考えているのなら、この時点でVEGAS 16が必要になります。
VEGAS 16 対応している |
VEGAS 14 対応していない(搭載していも「オフ」になる) |
RTX 20シリーズは前GTX 10シリーズと比較し、大幅な処理速度アップが可能です。FULL HD (1920×1080)の映像を、4K 60fpsに引き延ばしレンダリングをかけてみましょう。
全く同じマシンで、10分程度の4K映像をエンコードしてみます。エフェクトはクロスフェードのみです。
テスト環境
- OS Windows 10 Pro
- CPU Core i5-9400F
- メモリ 16GB DDR4-3000
- グラフィックカード MSI GeForce RTX 2080
ではCPUのみの場合とNVENCを使った場合のテスト結果です。
VEGAS 16 NVENCCore i5-9400F + GeForce RTX 2080 |
VEGAS 16 CPUのみCore i5-9400F |
4分01秒 | 17分34秒 |
いかがでしょうか。たった10分の動画でも、実に4倍近い差が出ています。
仕上げのレンダリングが、コーヒーを飲む間に終わるか、それとも別の作業を考えてしばらく放置しておかなければならないのか、効率の差がかなり大きくなるでしょう。
最新のグラフィックカードに対応する重要性はお分かりいただけるでしょうか。
ついにモーショントラッキングが!
AfterEffects勢、Premiere勢にさんざん言われ続けてきた「モーショントラッキング」がついにVEGASでも実現しました!うれしい!
物体や人物を追いながらエフェクトをかけることが、劇的にラクになります!!
いままでも手作業とキーフレーム乱れ打ちでなんとかなったものの、やっぱり追跡してくれるのはありがたい。
モーショントラッキングの基本的な使い方
モーショントラッキングの一例をご紹介します。
まず「ベジェマスキング」を作成。ビデオFXのタブから、ベジェマスキングをタイムラインに与えます。
追跡したいオブジェクトに対し、適度な大きさでマスクを囲みます。
次に「トラッキング」タブを開き「スタート」を押します。
すると下のほうにタイムラインが現われ、映像の分析が始まります。
変化したフレームにキーがダカダカ打たれていきますね!興奮する!
トラッキングの準備ができたら、一度再生してみましょう。狙ったオブジェクトにマスクが追従していればOKです!
ベジェマスキングは「マスクしていない部分が下(裏)のソースを透過する」ものです。
まず、同じソースをタイムラインで2本に複製します。
下のソースからはベジェマスキングは取り除き、「デフォーカス」をかけてみます。
すると・・・
こんな感じで、マスクした物体だけがくっきりと、その他の部分がボケているという、”警察24時”の犯人映像みたいなものができ上がりました。(笑)
※この映像は著作権フリー(CC0)の映像で、写っているものに何の問題もありません。
このようにモーショントラッキングを使えば
- 動く車のナンバーにモザイクをかけ続ける
- 人物に明るくスポットを当て続ける
- 動くオブジェクトの色を変え続ける
などなど、映像の幅を大きく広げてくれるはずです!
単なるマスクではなく、移動するエフェクトなども使えるようですので、また研究したらレビューを書きたいと思います。
WTS的まとめ
まずはザッと進化ポイントを見てきました。
特にモーショントラッキングは便利そうですね!精度も高く、小さな顔などもとらえてくれました。
またほかのポイントも、随時レビューしていこうと思います!
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