QNAPのNASでオンラインストレージのような自動同期をする

QNAPのNASには、Google DriveやDropBoxのようなオンラインストレージを実現する機能が備わっています。

  • 自分のNASなので容量は好きなだけ使える
  • 家庭内、社内の権限設定をそのまま活かせる
  • 回線にもよるが、光回線同士なら十分な同期速度
  • PC、Mac、タブレット、スマホすべてに対応
  • 自分のNASなので、他人に見られることはなく、安全(Google Drive、One Drive、DropBoxなどは、他社に預ける以上100%安全・覗かれていないとは言い切れない)

このようにかなりの高機能です。単なるオマケ機能ではありません。

オンラインストレージの心配の種である容量は、HDDを買い足せばどこまでも増やせますので、4スロットで12TBなんていうのも可能です。12TBをGoogle Driveで借りたら、毎月15,000円ぐらい払うことになります。

オンラインストレージ「QSync」の設定方法、Google Driveなどと比較したメリットデメリットも考えてみます。

My DDNSサービスを有効にする

まずはMy DDNSサービスを有効にします。

myQNAPCloudアプリを立ち上げ、「My DDNS」→「myQNAPcloud DDNSサービスを有効にする」をチェック。

2017-05-23_22h23_51.png

少しすると専用のアドレスが割り当てられます。「example.myqnapcloud.com」というようなアドレスになります。

次にQsync Central Stationを開きます。利用スイッチがONになっていることを確認します。

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最後にクライアントソフト「Qsync」をインストールします。NASからもダウンロードできますが、できればQNAPサイトの最新版をダウンロードして使ってください。

通常の同期

標準では、homesフォルダ以下にユーザーごとのフォルダが作られ、さらに.qsyncという隠しディレクトリが作られます。(隠しファイルを表示しないと見えません)

なので、管理者以外は他の人のファイルは見られません。

全員共有のフォルダを作りたい

権限を持つ人が共通で使えるフォルダを作ることも可能です。

QSync Central Stationで「共有フォルダー」を選択し、フォルダ一覧から共有したいフォルダの「権限付与」にチェックを入れ、適用します。

さらに右側の権限管理のボタンを押し、アクセスできるユーザーを設定します。これはLAN内の権限と共通になりますので、すでに設定済みなら行わなくてもOK。

QSyncの設定

Qsyncから同期の設定をします。

Qsync1

 

まずはNASを探します。
LANでつながっている場合はIPアドレス、インターネット経由ならDDNS名を指定すれば接続できるはずです。

qsync2

QNAPアカウントを使っていれば、アカウントにログインしてNASをリストから選択できます。

QSync3

 

正常に接続できると、フォルダの設定になります。Google DriveやDropBoxのように決められたフォルダにすべてが同期されるわけではなく、個別に設定可能。便利です。

QSync4

 

また、共有設定がされていれば、同期設定を追加できます。(上記全員共有のフォルダの作り方を参照)

これもまたローカルのどこにでも同期できるので便利。

Qsync5

 

これで設定完了です!

あとはフォルダにファイルを入れると、リアルタイムでどんどん同期してくれます。

オンラインストレージサービスとの違い

Google Drive、DropBoxなどの他のオンラインストレージとの違いです。

NASオンラインストレージ
容量どこまでも増やせる増やすごとに料金が上がり、上限もある
月額なし(電気代のみ?)容量により有料 1TB 1,000円が相場
速度速い速い
設定むずかしい簡単
同期フォルダの位置柔軟ある程度固定
オンライン上の編集機能なし高度な編集機能あり
オンラインのUIまあまあ使いやすい使いやすい
耐障害性中~低(管理による)高い
共有リンクの発行あり
ただし閲覧、ダウンロードのみ可能
あり
ただし閲覧、ダウンロードにユーザー登録が必要な場合あり

WTS的まとめ

オンラインストレージの容量が少なすぎる!と思っていたら、いっそ自分でNASを持った方が良いかもしれませんね。容量は無制限で、月額もかかりません。

ただ、回線故障、HDDの故障、停電などは常に起こり得るものです。自宅で管理するNASは予期せず止まることもあり得ます。

あまり使わない大容量のデータはNAS、常に使う細かなデータはオンラインストレージサービスと、目的によって使い分けるのがベストプラクティスと言えるでしょう。