どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
ファイルコピーでイライラするといえばUSBメモリ。大量の写真を急いでコピーしなければならない!というときに、5分も10分もかかるので、ひっこ抜きたくなりますよね。(笑)
今日は超高速なM.2 SSDを使い、信じられないほどの超高速USBメモリを作ってみようと思います!
M.2 SSDの利点は薄型・小型という点はもちろん、NVMeタイプなら、従来のSATAでは実現不可能だった超高速転送ができることも魅力。
これをUSBで使ったら、どれほど快適になるのか!?試してみます!
使用する道具
まずは使用する道具を揃えましょう。
本体となるM.2 SSDは、USBケースの限界速度を確認するため、最高速度に余裕がある高速モデルを用意しました。
ADATAのゲーミングブランド「XPG」を冠する、「XPG SX8200 Pro 512GB 」です。
公称最高値シーケンシャルリード3500MB/s、シーケンシャルライト3000MB/sという、現在最高クラスのNVMeタイプ SSD。
次にM.2 SSDをUSBに変換するケース(エンクロージャ)は「ORICO USB-C NVME M.2 SSDケース PCM2-GY」を選択。NVMeタイプ対応ケースになります。
しつこく「NVMeタイプ」と書いていますが、ここに注意が必要です。
M.2 SSDはほとんど見分けがつかない形なのですが、中を流れるプロトコル(信号)が低速な「SATAタイプ」と、超高速な「NVMeタイプ(PCI-Expressタイプ)」という2種類が存在します。それぞれに互換性はありません。
コネクタ部分の「切り欠き」だけが違うという、もはや間違い探しレベルです。
たいていのUSBケースはどちらかしか対応していませんので注意してください。組み合わせを書きました。
M.2 SSD | USBケース | 動作可否 |
---|---|---|
SATA | SATA | 動作可能(低速) |
SATA | NVMe | 動作不可能 |
NVMe | SATA | 動作不可能 |
NVMe | NVMe | 動作可能(超高速) |
自分の持っているM.2 SSDがどちらのタイプなのか、確認した上でケースを購入してください。組み合わせが違うと使えません。
ちなみにSATAタイプは1000~2000円、NVMeタイプは3500~5000円と、値段もかなり違います。
持っているSSDがNVMeタイプなのに、「せっかくだから安いほうを買うぜ!」と勢いだけでSATAタイプを買うと、使えず泣くことになります。(笑)
USBケースの外観をチェック
ORICO USB-C NVME M.2 SSDケースの外観をチェックしていきます。
シンプルな箱に入ってきます。
内容は
- 本体
- USBケーブル2種類(TYPE-C to TYPE-C / TYPE-A to TYPE-C)
- ドライバー
- ネジ類
- 組立説明書(英語)
必要なものは一通り揃っています。家庭ではあまり置いていない、#0のドライバーも付属してくるのはうれしいですね。
本体はシンプルな形で、たぶんアルミ製です。工作精度もよく、エッジもダイヤモンドカット処理をされていて、輝きがあります。高級感がありますね。
アクセスランプがあります。色は青色。
ネジは1か所のみ。
組み立ては超カンタン
さっそくケースを組み立ててみましょう。
ネジを外し本体を開けます。基盤部分は何も固定されてません。
中には熱伝導シートがついていますね。熱伝導シートに接触させる必要があるので、M.2 SSDはヒートシンクなしのチップむき出しタイプが必要です。高さのあるヒートシンクがある場合、まったく入りません。
今回のXPG SX8200 Proはヒートシンク(放熱板)が別になっているので、問題なく使えます。
ベース基板にM.2 SSDを固定します。M.2のネジ部分にワッシャを入れ、基盤にネジ止めします。作業はこれだけ。カンタンですね。
あとはケースを閉めるのですが、熱伝導シートと擦れるのでギュッという手応えがあり、熱伝導シートが丸まらないかちょっと不安になります。(このあと何度か組み立てをしましたが、丸まることはありませんでした)
イライラするUSBメモリのコピーを爆速に!!
組み立てましたらベンチマークです!
まずはXPG SX8200 Proをマザーボードに取り付けた場合。これがフルスピードです。(※熱の関係で、公称値には届いていません。ご了承ください)
次にUSB接続なのですが・・・すみません、ここでも補足解説があります。
USBポートの規格は現在かなり増えています。それぞれの規格には最高速度があり、ここもしっかりと合わせないと実力は発揮できません。
USB規格 | 最高速度 |
---|---|
USB 1.1 | 12Mbps |
USB 2.0 | 480Mbps |
USB 3.1 Gen 1 (旧 USB 3.0) | 5Gbps |
USB 3.1 Gen 2 | 10Gbps |
※さらに今後、USB 3.1はUSB 3.2 Gen 1×1などと名称変更される可能性があります。もはや大混乱。詳しくはWikipediaをご参照のこと。
今回はUSB 3.1 Gen 2 (10GBps)を搭載したノートパソコン、デスクトップパソコンを用意しました。これより低速なポートしかない場合、今回の検証結果より遅くなりますので、ご注意ください。
PC | USBタイプ | 理論最高速度 |
---|---|---|
Lenovo ThinkPad X1 Carbon 2017 | USB Type-C | 10GB/s |
MacBook Pro 2017 (Four Thunderbolt Ports) | USB Type-C | 10GB/s |
自作PC CPU:Core i5-9400F マザー:MPG Z390I GAMING EDGE AC |
USB Type-A | 10GB/s |
結果は以下の通り。
Lenovo ThinkPad X1 Carbon 2017
MacBook Pro 2017 (Four Thunderbolt Ports)
自作PC Core i5-9400F / MPG Z390I GAMING EDGE AC
いかがでしょうか。
WindowsでもMacでも、900MB/sに迫る超高速転送を実現しました!
またCPUもマザーボードも高速な自作PCでは、980MB/sというとてつもない速度を実現できています!
ひと昔前のハイエンドパソコンの内蔵ドライブに匹敵する速度!いままでのUSBメモリとは一線を画す、とんでもない速度だといえるでしょう。
1GBの動画ファイルや、1000枚の画像ファイルでもホイホイ書き込め、とにかく爆速です。ストレスゼロですね!
これはすばらしい。
使用後はかなり熱い
ただし、大量のファイルを書き込むと発熱がかなりあります。これはケースのせいではなくてM.2 SSDのせいなのですが、冗談抜きでヤケドしそうな温度になります。
低温ヤケドとかそんなレベルではなく、「アチッ!」と声に出すぐらい熱いです。使用後にいきなり手で掴むのは危険!
この温度なので、熱に弱いものに近づけたり、乗せたりするのもやめましょう。(スマホとか文具とか)
連続して使う場合はコネクタやケーブルも熱くなるので、ここにも注意が必要です。ずっと取り付けたままにして使用する場合、燃えやすいものから離し、ホコリがたまらないようにして、万が一にも発火しないよう注意をしたほうがいいでしょう。
SATAタイプなら遅くはなりますが、熱はおだやかです。
WTS的まとめ
組みたてがカンタンで速度も十分です!この速度になれると、普通のUSBメモリは使う気をなくしますね。
大容量マルチメディアファイルを運ぶとか、M.2 SSDのシステムクローンをするとか、大量のバックアップを取るなど、高速性を活かした活用法はたくさんありそうですね!
とはいえ、熱には十分にご注意を。
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