Ncase M1 V6に簡易水冷 NZXT Kraken X53を導入!苦労して搭載したあとの衝撃の結果とは・・・!?

どうも、太田アベル(@LandscapeSketch)です。

前回はNCase M1 V5にRyzen 7 3700Xを搭載してみたら、かなりの熱でファンが激しく回ることになったところまで書きました。

小型ケースNCase M1 V6にRyzen 7 3700Xをぶっ込んでみた!その結果とは!?
どうも、太田アベル(@LandscapeSketch)です。 先日から快適に使用している、おしゃれなメタルケース「NCase M1 V6」を採用した自作PC。 ...

 

Ryzen 7 3700XはIntelに先駆けて7nmプロセスを採用。より省電力で動く用になりました。

ただ、8コアは8コア

Core i5-9400Fより2コア増えスレッドは実に10スレッドも増えているので、低温で動くわけがないのです。いや、買う前はもう少し低温だと思ったんです!海外のレビューとか見たもん!(もん?) テストしていたのは全部ATXケースだったけど・・・

 

ということで、かなりのファン音でだいぶ耳障りになってしまったマイPC。かといってこの小ささでは手を入れられる部分は限られます。

そう残る最後の手段とは、「水冷」だ!!

気がつくと、僕の手にはいつの間にやらNZXT Kraken X53がにぎられていたのだった・・・

NZXT Kraken X53

さていつの間に買ったのかわからないが、とにかく僕の目の前にはNZXT Kraken X53がある。本当のことを言えば騒音でイライラして衝動的にAmazonでポチったのだが、常に冷静な私が衝動買いしたなどと言えるわけがない。そんな忌まわしい記憶は消去しなければならないのだ・・・

 

なにやら文体ごと変わってきましたが、とにかく水冷化開始です!

まずNZXT Kraken X53全体をチェック。

クーラーヘッドに「インフィニティミラー」が搭載され、ヘッドの中にまで光が回転しているように見えるのが大きなポイント。光ものなのに不思議さと上品さがあり、かなりの人気を誇ります。(下記画像はAmazonより)

そんなすばらしいLEDマジックですが、NCaseに搭載すると全く見えません。(笑)

重要なのは冷却力です。

 

全体のチェックをしていきましょう。

ラジエターは240x120mmの中型タイプ。ファンは120mm x2で、NZXT製のもの。

 

ラジエターフィンは細かく、冷却能力は高そうです。全体ブラック塗装。

 

ホースは直径1.5cmほどで、中太でしょうか。メッシュ編み込みで非常に丈夫そうですが、弾力が強く、小さく曲げるのはキツそう。

 

ウォーターヘッドにはNZXTのロゴ。(すみません、光ったところが撮影できませんでした)

 

ヘッド裏にはあらかじめペースト状のグリスが塗られています。時間があればシルバーグリスなどに塗り替えますが、今回はこのまま使用します。

 

ファンはグレー。

 

ファンのペラは外側が軽く折れ曲がり、飛行機のウィングレットのような形状。風量と静音性を両立、とNZXTは言っています。ネジ穴にはしっかりと防振ゴムが入っています。

さっそく組み立て・・・だが

話は逆転しますが、とにかくまず言えることはNCase M1 V6への水冷キット搭載は、「なんとかすれば搭載できる」ものであって、ラクにポン付けできるものではないということ。

Micro ATX、ましてやATXケースのように配線が比較的自由なケースで自作の経験があっても、NCase M1はかなり苦戦するはず。

どちらかといえばチャレンジングなアイテムです。

 

では組み立て状況をお伝えしましょう。

今回はマザーをケースに付けたまま装着します。というか、ホースの取り回しを考えながら組むにあたり、むしろその方が良かった。

空冷のCryorig M9 Plusを取り除いたところ

 

まず現状のCPUをファンを外し、Krakenの取り付けピンを付けていきます。

 

ウォーターヘッドを搭載。ここまでは特に問題なく終了。

 

問題はここから。

ラジエターにファンを取り付けます。もちろん配線が入り乱れる狭い空間に入れるので、ファンガードは必須。吸気効率を最大重視したいところですが、フロント側だけでも付けておきたいところ。

 

取り付け時にリヤケースファンがラジエターに当たるため、ファンを取り外し。

 

ラジエターをNCaseのサイドフレームに取り付け、ゆっくりとはめ込んでいく。

 

しかし、ここでとんでもないことが発覚!

なんと電源コードの根元に接触し、ラジエターが最後まで収まらない!

 

メキメキと力を込めてみるが、明らかにゆがみそうなので中止。どうにかしようと思っても、相手は専用電源コード。薄型の交換品はないし、ましてや被覆を削るなんて恐ろしいことはできません。

ここで「入らないかも」という、恐ろしい想像が浮かびますが、レッドブルを一気飲みし、ネガティブメージを吹き飛ばします!!

苦闘すること15分。

 

まずラジエターをサイドフレームの最大まで前に出し、仮ネジ留め。この状態ではもちろんサイドから垂直に入れることはできません。ラジエターとサイドフレームの間に本体のフレームを挟み込むように、ナナメに入れていきます。

入った!!!電源コードに強く当たらずラジエターが入りました!

写真が見づらいですが、かなり前寄りにラジエターが収まっている部分に注目。

 

この時点で後ろ側にもスキマができたので、ケースファンを取り付けることができました。もちろん、またラジエターを外します。(笑)

 

まだまだ戦いは続きます。

次は電源周りのケーブルがわさわさしていて、ラジエターを押さえつけないと線に弾かれ、入りません。と言うことで配線のスリム化作戦開始。

 

特にATXケーブルとUSB 3.0ケーブルの太さと量がきつい。

 

なるべくコンパクトにまとめ、電源ボックスにはり付けるように薄く薄く収納。これでなんとかラジエターが余裕をもってネジ留めできました。ここまでで1時間。

 

位置が決まったらタイラップでさらに締め付けていく。

 

次はKraken X53の電気ケーブルとホースです。

ウォーターヘッド、USB、ファン x2、LEDの5本もの配線を通さなければなりません。もちろん今回はLEDが全く見えませんのでつながない。

 

ケーブルをタイラップできつく締め付けるのはよくありませんが、この狭さでは仕方ない。小さく小さく丸めながら固めていきます。

 

電源真下はケーブル祭り。GPUのPCIeケーブルが通せるか不安になるほどの量です。コルセアの電源ケーブルがスリムで柔らかくなかったら、この時点で詰んだかもしれません。

今回はSATAを使っていませんのでまだマシですが、SATA ドライブがあったらさらにヤバい。

 

電源、ホース、ケーブル類を可能な限り重ならないように微調整していきます。

 

最後の強敵はラジエターホース。弾力があってとにかくキツイ!

 

ラジエターホースは上部を回した場合、電源ケーブルと必ずクロスします。どちらをスキマに詰め込むかが勝負なのですが、ラジエターホースは電気ではなく液体が通るという性質上、曲げ角度には限界があります。

さらにラジエターからのインレット、アウトレット部分(ホースの付け根)もそれほど頑丈ではないので、無理な角度で使用し続けると、ヒビ割れが起きたりして液漏れが発生する恐れがあります。

 

水冷システムは液漏れがもっともダメージが大きい。CPUやGPUにクーラントが降りかかった場合、無事であっても大きな汚れが付き、最悪の場合完全故障します。保証修理も受けられないことがほとんど。

空冷なら、故障してもオーバーヒートでブルースクリーンになる程度ですが、水冷の被害は甚大です。とにかく慎重に、よゆうある空間に設置したいところ。あらゆる角度でうまく収まる部分を探します。ここだけで20分以上経過

 

ホースのちょうどいい角度を保つため、タイラップで2カ所固定。さらにATXケーブルをまとめスリム化し・・・

 

ついに完成です!!!!!!!

時間は2時間ちょっと。はあ、疲れた・・・

そして騒音は・・・!?

さて、ようやっと起動です!

BIOSでポンプの回転速度は常時最大に、ラジエターファンの回転を抑えめにして起動します。クーラントを高速で回しつつ、ラジエターではほどほどに冷やす作戦。

が、この時点で「フォォォォ」と、ときどきファンが強めの音を立てるのが早くも気になります。Windowsが起動してアイドリング状態になれば静かになるだろう・・・いや、なってくれ!(祈)

そしてWindowsが起動。アイドル時のCPU温度は45~58度

あれ?そんなに冷えてないような・・・?

 

そしてベンチマーク。3DMarkのTime Spyを3回動かして温度の記録を取ってみると、最大温度は76℃!?これまたCryorig M9 Plusと大差ない。少し低いですが、10℃も変わりません。

もちろん2つのファンの音もそれなりに元気で、フォォォォという音と、ラジエターを風が通るザーッという風切り音がかなり聞こえます。静かではない

も、もしかして、CPU温度も騒音もCryorig M9 Plusとほとんど変わらないのでは・・・

NCase M1に240mm水冷は、苦労する割に結果も微妙

とにかく狭かった。

こういう地道なフィッティング作業そのものを楽しめる真の自作マニアでなければ、断然空冷をオススメします。僕はもうやりません(笑)

もう少し広いケース(NZXT H210iなど)ならホースの取り回しも楽ですし、効果も出ると思いますが、NCase M1の空間ではあまり意味のない結果となってしまいました。極小空間に水冷を詰め込んだという「テクニック賞」ぐらいはもらえるかもしれませんが。(だれかください)

カン違いしないでいただきたい点は、今回の結果はNZXT Kraken X53の性能が低いのではなく、NCase M1が狭すぎて実力を発揮できていないという部分です。

またケースを変えたら実験してみようと思います。

WTS的まとめ

CPUグレードをミドルクラス(Core i5、Ryzen 5など)に抑えれば、Cryorig M9 Plusでかなり静かに冷却することができます。静音重視ならCPUグレードをほどほどに抑え、空冷で様子を見た方がいいでしょう。

ハイパワーPCのバランスって、ほんとにむずかしいもんです。

さて次はラジエターファンをNoctuaに変えて静音化を・・・(ドツボ)

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