どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
以前はマニアックなものだった超小型パソコンもだいぶ一般化してきましたが、用途としては軽作業用がほとんどです。もともと重い処理はむずかしいため、TVにつないで動画鑑賞やブラウザとして使ったり、事務用として使ったりする場合が多いでしょう。
しかし!ついに片手に乗るサイズで、フルスペック・ゲームを動かせてしまうマシンが発売されました!
まともにAAAクラスゲームが動き、超小さくて、さらに静かなんてものはもう想像上の生物、未来のPCという扱いだったのです。このマシンがが登場するまでは・・・
驚異的なパワーをわずか16cm四方に収めた小さなモンスター「G-Tune NEXTGEAR-C ic100」をレビュー!
ゲーミングマシンは普通は大きい
ゲーミング・デスクトップPCというと、ほとんどは40cm以上もあるタワー型になります。
搭載される部品も多く、発生する熱も多いため、小さなボディに詰め込むのはもともと不可能なのです。
もちろん無理やり詰め込むのも不可能ではありませんが、あまりの熱でファンが耳をつんざくほどの騒音を立てたり、スペックを絞ってなんとか動くようにしたものばかり。性能に満足できる機種はありませんでした。
NEXTGEAR-Cはどうなのでしょうか?
デザイン
さて、届きました!
まず箱に驚く!ジューサーミキサーや電気ポットぐらいの大きさしかありません。というか最初、そういうものが届いたと勘違いした。
そして本体!なんだこれ!
いままでのゲーミングPCの常識を覆す、驚くべき小ささです!
片手で十分持てる大きさと重さ。わずか 幅158mm × 高さ143mm × 奥行き87mm。2段重ねの女性用お弁当箱ぐらいでしょうか。こ、このサイズでGPUも搭載しているだと・・・!?
この小ささなら置き場所は自由自在!狭い机でも大丈夫です。うまく設置すればモニタ裏に隠してしまうこともできそうです。
重さは1.6kgで、これまた10kg以上はアタリマエのタワー型と比べると雲泥の差。移動もラクラク!
持ちあげてみると、ズシリと中身が詰まった密度感のある重さが心地いい。
上面はゲーミングPCを誇示するようにイカツイ造形になっています。
底面、左右サイドには多数の通気口が開いています。小さなスペースでも放熱は万全です。
ポート類
ポート類は前面と背面に集約されています。この小ささなのに非常に豊富。
前面にはUSB 3.0 x2とカードリーダを搭載。
背面は小さな面積にぎっしりと、さまざまなポートを装備しています。
USB 3.1 (Gen2,10Gbps,Type-C) 、USB 3.0 4基、DisplayPort 1基、HDMI を 2基、有線LANにヘッドホン端子もあります。
マウス、キーボード、ヘッドセット、片手キーボード、USBキャプチャをつなぎ、有線LANをつなぎ、3つのディスプレイに出力・・・なんていう激しい使い方にも、拡張ハブすら不要です。
配信好きなプレイヤーでも安心して購入できそうです。
スイッチ
前面にナナメに入っている電源スイッチ。カッコいいですね。電源が入ると隣のLEDが白く光ります。
ただ、僕としてはスイッチは上面が良かったかなと思います。というのも、本体が軽いので押すと後ろに動いてしまうんですね。すべり止めシートの上に置けばいいかもしれませんが。
静粛性
非常に小さなサイズに驚きましたが、やはり一番気になるのは静粛性。
実は以前にもこのクラスの小ささを実現したゲーミング・マシンというものは存在しまして、Gigabyte社のBrixという機種です。
もう5年前ぐらいになりますが、Core i5と当時のミドルアッパークラスであったGeForce GTX 760を詰め込み、片手サイズのモンスターとして一躍有名になりました。僕もすぐに飛びつきました。
が、実際にプレイしてみるとファンは常に最高速で回り、風圧で飛んでいくんじゃないかと心配になるほど。
もちろん騒音もすさまじく、ジャーーー!という風切り音とモーター音が合わさったかのような爆音で、すぐに電源を落としたくなった思い出があります。(Gigabyteの名誉のために付け加えますが、あのマシンは小ささの限界を試したマシンとして非常に重要な一台だと思います。)
技術は進みましたが、NEXTGEAR-Cが搭載するのはミドルクラスのGeForce GTX 1060。上記のアレと同じ状態になるのでは・・・と危惧していました。限界を知るために、ベンチマークソフト3DMarkの最重量級テスト Fire Strikeを5周連続でかけてみます。
結果は、無音に近い最近のパソコンと比べればファン音ははっきりと聞こえますが、アレと比べれば天地の差。十分許容範囲だといえます。
ファン音は「シューーーー」という低めの音で、高音のノイジーな部分はうまく押さえこんであり、そんなに耳障りではありません。少なくとも、他人が「何だこの音は?」と気になることはないはず。
通常でも気にしなければ気にならない程度。ヘッドホンをすれば全く気にならなくなるでしょう。
ベンチマーク
次に気になるのは性能です。小さくて静かでもゲームがガクガクだったら問題です。
3DMarkでテストしてみました。
重量級のFire Strikeでも60fps近くを保てました。その上のテスト(Ultraなど)ではコマ落ちが見られるものの、動かなくなるほど重くはありません。サイズを考えれば十分なゲーム性能ではないでしょうか。
Fallout 4やGTAVクラスなら、高めの画質設定でも60fpsを保てるはずです。
スペック
今回のレビュー機のスペックです。
256GB SSDと1TB HDDを搭載するデュアルドライブ仕様。システムはSSDでサクサク動き、巨大な容量のゲームは1TB HDDに余裕をもってインストールできます。159,800円(税別)からというお手ごろな価格も見どころ!
項目 | スペック |
---|---|
OS | Windows 10 Home 64-bit |
CPU | Intel Core i7-7700HQ CPU |
CPUコア/スレッド数 | 4コア / 8スレッド |
メモリ | 16 GB |
メモリスロット (空きスロット) | 4 (2) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1060 (3GB) |
ストレージ | 512GB Serial ATAIII M.2規格 |
ストレージ | 1TB HDD |
光学ドライブ | なし |
ポート類 | HDMI 背面×2、DisplayPort 背面×1、USB2.0 x4、USB3.0 x5 |
Bluetooth | あり |
無線LAN(Wi-Fi) | 802.11 ac/a/b/g/n |
有線LAN | あり |
サイズ | 158×143×87mm |
重量 | 約 1.6kg |
WTS的まとめ
WTS的まとめ
この小ささでまともなゲーミングマシンです!ごく最近のゲームでもほとんどが快適に動作します。
設置するスペースはないけど十分なスペックのゲーミングマシンがほしい、と考えているのなら、ぜひ一番に検討したい機種です。