どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
最近Windows 11のアップグレード宣伝があまりにうるさいので、MacBook Airを使う機会が多くなりました。(笑)
そんな中、出先で急に動画を編集して書き出さなければならなくなり、手持ちがMacBook Airしかなかったので仕方なく編集して書き出したところ・・・あれ?なんかミョーに速いぞ?
いつもは動画を編集するなら、Core i5-12600K + GeForce RTX 3080という比較的重量級のマシンをわざわざ使っていましたが、その書き出し速度と体感的にあまり変わらないのです。
MacBook AirといえばMac商品群の中で、最もエントリーに近いマシン。
さらに僕の使っているのは、すでに型落ちとなったApple M1 (8コアCPU / 7コアGPU)に8GBメモリのベースグレード。はっきり言って「ローエンドMac」なのです。Windows系で言えばCeleronに値する地位(?)です。
それなのに、本体は熱くもならずバッテリーもほとんど減らず、そして「え?もう終わった?エラー終了か?」と疑うほどの速さ。
いや、確かめたらちゃんと書き出されている・・・というかバッテリー駆動だったのも、忘れるほどの速度。
Intel Mac時代であれば動画なんか書き出そうもんなら、激重で本体はさわれないほど熱くなりバッテリーも鬼減り!でした。
あれ?Apple M1、もしかしてすごくない?
と、購入して1年も経った今ごろになって感づいてしまったのです!!1年間、テキスト編集と写真修正ぐらいしかやってなかった!いや、動画編集などやろうともしなかった!
そんなわけで、手持ちのいくつかのWindowsマシンを使い、動画書き出しを比較してみた!
そのとんでもない結果とは!?
比較対象マシン
まずは比較対象マシンを列挙してみよう。
PC | CPU | メモリ | GPU | |
1 | MacBook Air (M1, 2020) | Apple M1(8コア/8スレッド) | 8GB | SoC内蔵(7コア) |
2 | 富士通 LifeBook UH | Core i7-1165G7(4コア/8スレッド) | 16GB | 内蔵 Intel Iris Xe(96ユニット) |
3 | 自作 Ryzen 7 5700Gマシン | AMD Ryzen 7 5700G(8コア/16スレッド) | 32GB | 内蔵 Radeon Graphics (8コア) |
4 | 自作 Core i5-12600Kマシン | Intel Core i5-12600K(10コア/16スレッド) | 64GB | GeForce RTX 3080(8704 CUDAコア) |
まずは今回基本となるMacBook Air (M1, 2020) です。
CPUは8コアのApple M1。「8コア」といえば多く聞こえますが、中身は高性能4コア、効率コア4コアのBig-Little構成。動画エンコードでは、主に高性能4コアと内蔵デコードエンジンに頼ることになるでしょう。
またM1のコアはハイパースレッディング的な処理(1コアを擬似的に2コアとして扱う)機能はありません。8コア=8スレッドになります。
Windowsからは、世界最軽量を誇るモバイルノート「富士通 Lifebook UH」、サーバーとして使っている「AMD Ryzen 7 5700G」搭載マシン、重いゲーム 重い動画処理をメインにこなす「Core i5-12600K + GeForce RTX 3080」搭載マシンです。
様々な用途で揃えました。
比較に使うソフトは「WonderShare Filmora(フィモーラ)」。
なぜこのソフトかというと、Windows / Macに両対応しており、しかもどちらのOSで作成したファイルも読めるからです。使いかたもカンタンなので愛用中!(レビューはこちら)
テストは4K 30秒ほどの動画を5本つなぎ、あいだに適当なトランジション、そして各パートに適当なエフェクト(色替え、ブラーなど)を置いてみました。
合計5分ほどの4K動画をFULL HD(1920×1080 30fps H.264)に変換し、書き出します。
いきなり結果発表
さっそく計測してみました!結果発表!
Lifebook UHはCore i7といえど、超低電圧のモバイル版。モバイルノートでのエンコードといえば、まあこんなもんだろうな、という感じ。今回最も遅く、1分20秒ほど。ファンも高速回転してがんばっていました。
そしてRyzen 7マシン。こちらは8コア/16スレッドでかなり善戦はしているものの、GPUを搭載しているマシンにはかないません。ギリギリ1分を切る程度。本当はもう少し速いと思っていました。
メインとなるCore i5-12600K + GeForce RTX 3080。少し前までハイエンドに数えられたGPUを搭載するだけあり、さすがのスピード!Ryzen 7でも1分近くかかるエンコードを、わずか20秒ほどで完了します。
さて、問題はMacBook Airです。なんなんでしょうかこいつは。
僕のイメージではLifebook UHとRyzen 7の中間ぐらいだろうな、と思い込んでいましたが、むしろCore i5-12600K + GeForce RTX 3080に肉薄しています!
何がどうなっているんだApple M1!!いくらメディアエンコードエンジンを積んでいるといっても、この差は想定外。
しかもMacBook Airはファンレスですよファンレス!
エンコード中はRyzenマシンもCore i5-12600Kも、それなりにファンが回ります。短い時間ですが、GeForceのファンも高速回転する場面がありました。
しかしMacBook Airはそもそも回るファンがない。本体のみのパッシブ放熱でこの速度を出すのです。ついでに言えばほとんど熱くもなっていない。
なんだか頭がおかしくなりそうだ!
もっと長い動画なら発熱でMacBook Airが遅くなっていくかもしれませんが、YouTube用の10分程度の動画なら、十分に対応可能でしょう。
動画編集ならAppleシリコン搭載機が安い!?
つまり軽い動画の編集(といってもソースは4Kなんですけども・・・)なら、MacBook Airで「全然いけますよ」ってことになってしまいました。
「動画編集やるなら絶対にグラフィックボードと最新CPUが必要!」と、さんざんレビューで言ってきましたが、「Appleシリコンを搭載したMacなら、MacBook AirでもMac miniでも大丈夫です」と言うしかない。
Intel Mac時代は、むしろ同クラスのWindowsマシンに負けることも多かったMacBook Air。少し重い処理をさせれば猛烈に熱くなるわファンの音はすごいわ、大変な騒ぎだったのです。
ベンチマーク中はうちわであおいでいましたからね。熱さで故障しないか心配で。
AppleシリコンになったとたんにファンレスでGeForceに追いつくとか、どんなマジックだよ。
「Windowsがあまり必要ない」「動画や写真の編集が多い」というのなら、Windows系クリエイターマシンに加え、最新Macシリーズも検討に加えた方がよさそうです。
WTS的まとめ
持ち歩いてデザインも動画編集もしたい人は、Appleシリコン搭載Macはかなりおすすめできます!入門機でこれです。かなりすごい。
今回テストしたMacBook Airより、さら高速化した「M2」を搭載したMacもすでに売っていますし、倍以上のCPUコアをもつMacBook ProやMac Studioなど、ハイエンドマシンも揃っています。
ハイエンドMacは総じて立ちくらみを起こすほどの金額ですが(笑)、大人気ユーチューバーを目指すなら、気合を入れて買ってみてもいいかもしれません。編集スピードは満足できるはず。
ただ、学校用としてはMacはおすすめしづらいところがあります。多くの教材がWindowsの手順で示されているので、課題がうまくいかない場合もあるでしょう。またWindows専用ソフトは一切動かせません。注意してください。
Appleシリコンは本体の大きさから想像ができないパワーがある、それが実感できる結果でした。
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