こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。
PCIe Gen 4接続に対応したSSDが次々に登場しています。
ほとんどの機種がシーケンシャル読み込み5000~6000MB/s、シーケンシャル書き込み3000~5000MB/sという高い数値を実現し、どのブランドが一番速いのか、もはやレースゲームのごとき様相となっています。
そんな中に、激安SSDとハイパフォーマンスSSDの両方の顔を持つKingston(キングストン)が参戦します!
新発売のKC3000シリーズはPCIe Gen 4接続に対応した、ハイパフォーマンスM.2 SSD。
今回レビューする2048GB(2TB)モデルは、公称値 シーケンシャル読み取り 7,000MB/秒、シーケンシャル書き込み 7,000MB/秒を実現。読みこみはまだしも、書きこみも7,000MB/秒を実現している製品は非常に希少です。
ランダム4K読み取り/書き込みも最大 1,000,000 / 1,000,000 IOPSという、表記ミスではないかと思うほど、頭一つ抜けた速さを実現。
実機はどれほどのパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか!?
さっそくレビューしていきます!
- 公称値通りの超高速
- 3200TBWの高い書き込み耐性
- 5年間の安心保証
デザイン
本体はブリスターパックに入っています。
他メーカーのハイエンドクラスは重厚な箱パッケージがほとんどなので、ちょっと驚き。
公称値7000MB/sが堂々と表記されています。
本体には放熱材としてグラフェンシートが貼られていますが、ここまで高速なSSDなので、ある程度のヒートシンクは別途用意した方がよいでしょう。
記憶素子は両面にあります。
裏側にも1mm程度の厚みが必要になるので、超薄型ノートPCなどに搭載するときは、事前に搭載空間を確認したいところ。
おもしろいのは裏側のコネクタ部分。必要なパターンのみに配線が入っています。ノイズ対策でしょうか?
スペック
公式サイトよりスペックを転記します。
今回は2048GBモデルとなります。読み込みは前モデルで7,000MB/sを実現していますが、書き込みは大容量のものほど速くなります。読み書きとも7000MB/sを超えるのは2048GB以上。
フォームファクタ | M.2 2280 |
---|---|
インターフェイス | PCIe 4.0 NVMe |
容量2 | 512GB、1024GB、2048GB、4096GB |
コントローラ | Phison E18 |
NAND | 3D TLC |
連続読み取り/書き込み | 512GB モデル – 7,000/3,900MB/秒 1024GB モデル – 7,000/6,000MB/秒 2048GB モデル – 7,000/7,000MB/秒 4096GB モデル – 7,000/7,000MB/秒 |
ランダム 4K 読み取り/書き込み1 | 512GB モデル – 最大 450,000/900,000 IOPS 1024GB モデル – 最大 900,000/1,000,000 IOPS 2048GB モデル – 最大 1,000,000/1,000,000 IOPS 4096GB モデル – 最大 1,000,000/1,000,000 IOPS |
総書き込み容量(TBW)3 | 512GB~400TBW 1024GB モデル – 800TBW 2048GB モデル – 1.6PBW 4096GB モデル – 3.2PBW |
消費電力 | 512GB モデル – 5mW(待機時)/ 0.34W(平均)/ 2.7W(読み取り最大)/ 4.1W(書き込み最大) 1024GB モデル – 5mW(待機時)/ 0.33W(平均)/ 2.8W(読み取り最大)/ 6.3W(書き込み最大) 2048GB モデル – 5mW(待機時)/ 0.36W(平均)/ 2.8W(読み取り最大)/ 9.9W(書き込み最大) 4096GB モデル – 5mW(待機時)/ 0.36W(平均)/ 2.7W(読み取り最大)/ 10.2W(書き込み最大) |
保管温度 | -40℃~85℃ |
動作温度 | 0℃~70℃ |
寸法 | 80mm x 22mm x 2.21mm (512GB~1024GB モデル) 80mm x 22mm x 3.5mm (2048GB~4096GB モデル) |
重量 | 512GB~1024GB モデル – 7g 2048GB~4096GB モデル – 9.7g |
耐振性(動作時) | 2.17G (ピーク時、7~800Hz) |
耐振性(非動作時) | 20G (ピーク時、20~1000Hz) |
MTBF | 1,800,000 時間 |
保証 / サポート4 | 5 年限定保証と無料技術サポート |
ベンチマーク
さっそくベンチマークを取ってみましょう!
計測マシンのスペックです。
メモリ:64GB DDR4-3600
マザーボード:GIGABYTE AORUS B550I
接続はCPU直結ブロックの、M.2 PCIe Gen 4 x 4スロットになります。
SSDにはマザーボードに付属している、厚めのヒートシンクを取り付けてのテストになります。
Crustal Disk Mark
公称値通りの非常に高い数値が出ています!とんでもないケタ数の数字が踊りまくる。
読み込み速度は公称値を超え、テストでは7366MB/sというすさまじいアクセス速度に!PCIe Gen 4 x4の限界値に近い速度です。
1GiBと大容量の8GiBでテストしてみましたが、大きな容量でもまったく速度が落ちず、ノンストレス!書き込みキャッシュの速度も十分に機能しています。
細かなファイルのアクセスに効くランダムアクセス(RND4K Q32T1)も、通常の製品なら100~300というところ、なんと600MB/sを超えてきます。
Windows 10をインストールしてみると、あらゆるソフトがサクサク動きます。通常なら立ち上げに少々時間がかかるエクセルも、ダブルクリックして1~2秒後には使用可能状態に!
これは快適!
ATTO Disk Benchmark
つづいてATTO Disk Benchmarkにてテストです。
グラフ上部の細かなファイルアクセスが高速なのはもちろん、512KBを超えたあたりから6000MB/sを超え、7000MB/s付近に張り付きます。とんでもなく高速!
PCIe Gen 4 x 4レーンでは、これでほぼ帯域MAX状態。つまりカンストです。これ以上高速なディスクはGen 5対応のSSD待ちということになります。
パーツは帯域を限界まで使っていないと落ち着かない(笑)、という人に、最強の1枚となりそうです。
WTS的まとめ
PCIe Gen 4の帯域を使い切る、非常に高速なSSDです。
Windowsの起動ドライブはもちろん、動画編集用のテンポラリディスクや、大量の写真の編集用ディスクとして、何に使っても満足できる速度でしょう。
一度味わってしまうと、もう昔のディスクには戻りたくない!と感じてしまうほどの快適性でした!
現状最高速の製品を手に入れたい!と思っているのなら、KC3000は外せない選択肢と言えるでしょう。
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