本当に内蔵GPU!?ライバルのタッグが”ゲーミングCPU”を生み出した!小型ゲーミングノート G-Tune P3をレビュー

こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。

パソコン用CPUではIntelとAMDが2大巨頭となり、熾烈(しれつ)なシェア争いを繰り広げています。互いに相手を「完全な敵」とみなしているかと思いきや、今回なんと、CPUコアはIntel内蔵GPUはAMDという、とんでもない合作チップが生まれました!

それが今回レビューする、コンパクトゲーミングノートPC「G-Tune P3」に搭載している、インテル Core i7-8709G

夢の共演ともいうべきチップですが、搭載するGPUはいわゆる「CPU統合型GPU(内蔵GPU)」。

過去全ての機種を見回しても、「内蔵GPUなんて、軽いゲームしか満足にプレイできない」というのが常識。ライバル会社同士がタッグを組んだとしてもそれほどすごいものができるとは、イマイチ信じられません。

詳しく見ていきましょう!

  • 意外にとんでもないCPUとGPU性能
  • ゲーミングノートPCとしてはコンパクトで軽量
  • 10時間の長時間駆動
  • 比較的静かな動作音

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デザイン

デザインを見ていきます。

まず驚くのはそのコンパクトさ!

13.3インチという比較的小型なディスプレイを搭載することもあり、横幅307mm、縦幅215mmと、A4用紙を少しばかり大きくした程度。片手でラクに持てる大きさ。

重さも2kgを切る1.7kgを実現。実際、手に持つとゲーミングマシンではないスタンダードな機種と同じぐらいの感覚。持ち運びも余裕があります。

2kg、3kgという重さが”普通”のゲーミングマシンジャンルではかなり軽いといえます。

 

カドはエッジが立っており、ソリッドな印象。ですが上部から見ると角は丸めで、やさしい印象。この仕上げもいままでのゲーミングノートPCとは、大きく異なる印象です。

天板はロゴのみでとてもシンプル。

ディスプレイ

ディスプレイは13.3インチの光沢タイプ。

 

光沢画面は写真や映像が非常に鮮明に見えます。半面、屋外や蛍光灯の真下では多少の映り込み(反射)を感じます。細かな文字を読む作業が多い場合は映り込みで読みにくさを感じることもあります。

 

13.3インチにFULL HDの高解像度なので、文字のエッジはなめらか。密度感のある映像も迫力があります。

 

ディスプレイはここまで開くことができ、少し上からの目線でも自然な姿勢でプレイできます。

キーボード

キーはアイソレーションタイプ。フルサイズのキーピッチでさらに一つ一つのキーが間隔を持って並んでいるので、爪が長い女性でも上のキーに引っかかったりすることがありません。キーのスキマにゴミやホコリが入ることもありますが、間隔があるので簡単に掃除できるのも良い点でしょう。

 

小さいながらも面積をめいっぱい使い、可能な限り大きなキーにしています。この大きさですが打ちにくさはありませんでした。

 

キーボードはバックライトも搭載し、少し暗い場所でもしっかりと視認でき、ゲームプレイのミスを防ぎます。

タッチパッド

タッチパッドは1プレートタイプ。左下/右下を押し込むことで左/右クリックが可能です。タッチパッドも同色で、統一感があります。

 

面積が広く、操作しやすい。シミュレーションゲーム程度ならタッチパッドでも操作できそう。

ベンチマーク

さて!お楽しみのベンチマークです!

インテル Core i7-8709Gが搭載するのは、AMDが力を注いだ高性能GPU Radeon RX Vega M GH

とはいってもやはり内蔵GPU。そんなに高性能とは言えないのでは、と疑ってしまいますが・・・さっそく結果です!

3DMark

グラフィック機能やゲームベンチマークとして、ほぼ業界標準となっている3DMarkにてテストをしました。

ベンチマークスコア
Ice Storm101572
Ice Storm Extreme92210
Cloud Gate23919
Sky Diver22947
Night Rade6073
Fire Strike8530
Fire Strike Extreme4220
Fire Strike Ultra2270
Time Spy3072
Time Spy Extreme1352

 

この結果を見たとき、はじめは目を疑いました(笑)。「あれ?これ内蔵GPUだよな。外部GPU搭載してたっけ?」と何度も見直し、やはりCore i7-8709Gしか積んでない。

そうなんです。

いままでであれば、外部GPUでなければ出せないほどの数値が出ているのです!

しかも、外部GPUであればミドルクラスともいえる高いスコアです。GeForce GTX 1050~1050 Tiにかなり近いスコア。CPUに内蔵させるほど小さなチップとしては、異様に高い性能と言えるでしょう。

軽量ゲームはもちろん、AAAクラスゲームも画質を落とせばプレイ可能です。

FF15

FF15ベンチマークでは標準画質、FULL HDで4365ポイント、「普通」の評価です。

プレイ中はエフェクトの多い場面では少しコマ落ちが見られるものの、全体的にはなめらかで、十分プレイできそうな印象です。

ドラゴンクエストX

オンラインゲームのドラゴンクエスト Xのベンチマーク。軽めのソフトのジャンルとなります。

テストスコア評価
FULL HD/標準品質7313とても快適
FULL HD/高品質5583快適

最高画質でも「快適」評価で、十分にプレイできます。

ブラウザゲーム、軽量ゲームは並のパソコン以上に快適にプレイできます。

 

また、ベンチマーク中も外部GPU搭載マシンと比べ少し静かに感じます

CPUとGPUを冷やさなければならない一般的なゲーミングマシンと比べ、CPUのみを集中して冷やせば良いG-Tune P3は、冷却効率も高いのかもしれません。

ポート類

ポート類はUSB Type-Aが2つ、Type-Cが1つ、HDMIが1つとなり、ゲーミングマシンとしては少なめになりますが、それほど不自由を感じることはないはずです。

Type-CはThunderbolt 3にも対応していますので、ディスプレイへの出力も可能。本体ディスプレイとHDMIをあわせ、最大で3画面の同時出力に対応しています。

ACアダプタはそれなりの大きさ

本体はコンパクトでもACアダプタはそれなりの大きさがあります。

持ち運ぶ際はカバンの余裕が必要ですね。

スペック

今回紹介しているモデル:G-Tune P3

機能詳細
CPUIntel Core i7-8709G
CPUコア/スレッド数4コア / 8スレッド
ベース周波数 / ターボブースト周波数3100 MHz / 4100 MHz
メモリ16 GB
メモリスロット (空きスロット)
グラフィックスIntel HD Graphics 630 (1 GB)
グラフィックス2AMD Radeon RX Vega M GH (4 GB)
ストレージ512 GB SSD (NVMe)
OSMicrosoft Windows 10 Home
光学ドライブなし
ディスプレイ13.3インチ
解像度1920 x 1080ピクセル
ポート類USB Type-A x2、Type-C x1、HDMI x1
有線LANなし
サイズ
重量

WTS的まとめ

今までのゲーミングマシンと比べると、驚くほどコンパクトながら、ミドルクラスまで十分にプレイできる性能には驚きます。

ゲーミングマシンジャンルに、また一つ新しい選択肢が増えました。

コメント

  1. はっしー より:

    レビューするなら「Core i7-8709G」について、もっと勉強してきてください。
    2018年1月に発売されているCPUなので目新しいものでは。生産終了も決定してます。
    「RX Vega M」は、内部GPUではなく外部GPUです。
    Intelの仕様にも「ディスクリートGPU」と記載されています。
    「Core i7-8709G」は、CPUとdGPUがパッケージングされた製品です。

  2. はっしーさん

    コメントありがとうございます。
    正確な仕様としてはdGPUではありますが、CPU 1パッケージという部分を強調したくあえて内蔵と表現しましたが、少々乱暴だったかもしれませんね。
    これからはよりよい表現を目指します。