フローチャート / UML / ダイアグラムなどを書くためのツールやサービスまとめ

ビジネスやプログラミングではフローチャートや全体の関連図(ダイアグラム)などを書くことも大切です。

あとから自分以外の人が見てもすぐに理解できる状態にしておくことで、何度も同じ説明をしたり、互いに理解していない会話を延々と続けたりといった、ムダ時間を削減できます。

かといって、ドキュメントづくりに何時間もかけていては本末転倒。

見やすく、サッと書けるフローチャートツールやオンラインサービスをまとめました。

記事中の商品/サービス

Microsoft Store (マイクロソフトストア)

Microsoft PowerPoint

おすすめ度:★★

Office 365などで入手

対応プラットフォーム:Windows / Mac

まずはビジネスパソコンならたいてい入っているPowerPoint

プレゼン用ソフトではありますが、図形や罫線を工夫すればフロー図やダイアグラムも書くことができます。

といはいえ、比較的短いフローなら問題ありませんが、長いフローや、条件が複雑なフローは書いているとストレスがたまるのでおすすめできません。

・図と連結線を組み合わせて、フローを作図することができる。
・図やアイコンも手軽に入れられ、装飾も簡単。
・タブレットやスマホでも見られ、修正できる
・もともとがプレゼン用ソフトなので紙の大きさにしばりがある。
・図を動かすと勝手に連結が切れてしまうことがある。
・Office 365のサブスクリプションが必要。(最初から入っているパソコンなら課金なし)

複雑な図はPowerPointでがんばらず、EDrawやVisioなど他のソフトを検討したほうが良いでしょう。

Microsoft Visio

おすすめ度:★★★★★

公式サイト:Office 365

対応プラットフォーム:Windows / Mac

 

同じくMicrosoft製品ですが、こちらはフローやUML図に特化した機能を持った製品です。通常のOfficeには含まれず、別途購入(Office 365での追加購入)が必要になります。

フロー、ダイアグラム、クラス図、マトリックスなど、実務レベルの高度な図も問題なく書けます。非常に幅広い機能を備えています。

アイコンは数が多く、フラットなアイコンで使いやすい。

価格はオンラインのみの540円(1ユーザー)/月か、ダウンロードアプリケーションもあるフル機能版1,630円(1ユーザー)/月になります。当たり前ですが、アプリケーション版のほうが反応が速く、快適。

継続課金制で、支払いをやめるとソフトが使えなくなる点にも注意。買い切りのタイプは現在は販売されていません。

・複雑な図もカンタンに書くことができる。
・連結線が、ツールを持ち変えずに書けるので作業が速い。
・他のMicrosoft製品と組み合わせがラク。WordやExcelなどOfficeシリーズならカンタンに連携でき、非常に作業が速い。
・タブレットやスマホでも見られる
・継続課金の有料版しかない。1か月の体験は可能。
・オンライン版は便利だが、図を動かすと1テンポ遅れて連結線が動くので、見づらい時がある。

EDraw

おすすめ度:★★★★★

公式サイト:EDraw

対応プラットフォーム:Windows / Mac

 

非常にオシャレな色使いのチャートを、便利に書くことができるフローチャート/プレゼンツール。感覚的にはPowerPointとVisioを足したような、超高機能ソフトです。

全機能を持つEDraw Maxは、フローチャート、ダイアグラム、インフォグラフィック、間取り図、マインドマップからチャートグラフまで、とにかくありとあらゆる図表をEdraw一本で仕上げることができます。

 

色使いもモダンで、会議での説得力も上がるはず。PowerPointとVisioのように、チャートでソフトを使い分けなくてよいので、時間も短縮できます。

ただ、クラウド連携が中国のアリババクラウドのみで、Microsoftアカウントは使えません。クラウド重視の人は使いにくい点ですね。

ライセンスは買い切り2種、サブスクリプション1種類の、合計3種類。おすすめは一度買えば未来ずっとバージョンアップと使用ができる「生涯ライセンス」です。

購入タイプ支払いタイプ価格
買い切り3年間バージョンアップ保証(永久ライセンス)
(3年を過ぎてもバージョンアップがとまるだけで、ずっと使える。その意味で「永久」)
16,800円
生涯ライセンス
(未来までずっとバージョンアップが保証される。もちろん課金なくずっと使用できる。)
25,500円
サブスクリプション1年間ライセンス
(毎年更新。支払いを止めるとソフトも使えなくなる。Visioと同じタイプ。)
初年度 9,800円
次年度から4,900円
・あらゆる図を比較的カンタンな操作で書くことができる。
・連結線が、ツールを持ち変えずに書けるので作業が速い。
・モダンで明るいデザインや色がそろっていて、見た目が美しい。
・プレゼント織り交ぜた、説得力のあるチャートを作成できる。
・Visioやワードなどを取り込んで使用することができる。
・有料だが、買い切り版があるのがうれしい。生涯ライセンスは購入後の課金が一切なくバージョンアップが保証される。
・Officeに非常によく似たインターフェースで、だれでも使いやすい。
・有料版しかない。体験版はプリント時に「試用版」の文字が入る。
・オンライン版がない。タブレットやスマホで見るには、画像に変換して送る必要がある。

Cacoo

おすすめ度:★★★★

公式サイト:Cacoo

 

フローや関連図、組織図、ワイヤフレームなど、多彩な図をラクに書けるオンラインサービスです。AWSのダイアグラムにも対応しています。

オンラインという特徴を生かし、数人で同じ図を見ながら修正できたり、チャット形式の会話も残せます。タブレットやスマホでも同期できるのもポイント。

Visioよりもよりイラストチックなアイコンが多く、見た目に楽しい図になるのもポイント。

・複雑な図もカンタンに書くことができる。
・単独のシステムなので、登録だけですぐに使える。
・多彩なテンプレートも装備。
・タブレットやスマホでも見られる
継続課金の有料版しかない。14日間の体験は可能。

LucidChart

おすすめ度:★★★

公式サイト:Lucidchart

 

「Visioからの置き換え」が売り文句のオンライン専用サービス。無料でも数枚のチャートは保存できるので、1年に1、2枚しか書かない、という使い方なら無料のまま使えてしまう。(あくまで試用という扱いなので、データの保全性は未知数)

フローやUMLなど多彩な図を作成することが可能です。デフォルトのカラーリングも目に優しく、コネクタもすばやく書くことができます。

ただし、基本的に英語画面(2019/8/24 訂正 アカウント画面で日本語に切り替えることが可能でした。訂正いたします。)、ドル支払いというのがマイナス。(クレジットカードならほとんどの会社で対応できますので心配はありません。)

ログインした状態では英語状態になってしまいますが、アカウント設定の「User Setting > Display Language」にて日本語に切り替えられます。

 

価格はベーシック$5.95/月、プロ$8.95/月、チーム$20(3ユーザー)/月。

もともとはVisioが高価だったため価格的に有利でしたが、Visioに540円 (1ユーザー)/月というオンラインプランが増えたため、悩むところです。

・複雑な図もカンタンに書くことができる。
・単独のシステムなので、登録だけですぐに使える点も〇。
・多彩なテンプレートを装備。日本語のものも多い。
・無料でも数枚のドキュメントは書いて保存しておける。
・タブレットやスマホでも見られる
継続課金の有料版しかない。

gliffy

おすすめ度:★★★

公式サイト:gliffy

シンプルな画面構成で、初めての人でも挑戦してみようと思える画面構成です。ただし英語画面というのがマイナスポイント。

フローやUMLなど多彩な図を作成することが可能です。デフォルトのカラーリングはあまり凝っておらず、シンプルな感じの図に仕上がるのも美点。(もちろんカスタム可能)

価格はパーソナル$7.99/月、チーム$4.99(最低5ユーザー)/月。

もともとはVisioが高価だったため価格的に有利だったが、Visioに540円 (1ユーザー)/月というオンラインプランが増えたため、現在では選ぶ理由は少ない。

・シンプルな画面構成、シンプルな図の要素で、さっぱりした図が書ける。
・単独のシステムなので、登録だけですぐに使える点も〇。
・無料でも数枚のドキュメントは書いて保存しておける。
・タブレットやスマホでも見られる
継続課金の有料版しかない。
英語画面が多い。

Inkpod

おすすめ度:★★★

公式サイト:Inkpod

 

Windows、Macで動く単体アプリケーション。フリーウェアで、無料で使うことができます。

フローを書くツールは一通りそろっており、操作にクセはあるものの、覚えてしまえば十分な図を書くことができるでしょう。

テンプレートやビジュアル的なアイコン類はないものの、無料素材で自分で補充していくのがいいでしょう。

他のサービスと比較すると機能としては少なく感じますが、「フローツールなんてほとんど使わないから無料がいい」という場合はおすすめできます。

慣れてきてさらに多彩な図を求める場合は、Visioなどに乗り換えれば、より使いやすく感じるでしょう。

・完全無料で使うことができる。
・一通りの図形ツールは装備。
・操作に少しクセがある。
・起動が遅い。
・標準ではシンプルな図形のみ。

PlantUML

おすすめ度:★(ただしプログラマには強力なツール)

詳しい解説サイト:PlantUML

 

テキストエディタで書く、かなり特殊なUMLツール。

テキストでスクリプトを書き、PlantUMLに通すと、実際の図(画像)を生成してくれる仕組み。スクリプトは下記のようなものです。

スクリプト例 出力される画像
@startuml
山田 -> 佐藤: 作業を依頼
佐藤 -> 落合: 作業割り振り
佐藤 -> 阿部: 作業割り振り
阿部 -> 佐藤: 完了報告
落合 -> 佐藤: 完了報告
佐藤 -> 山田: 仕事をファイルにまとめ渡す
@enduml
@startuml
(*) --> "ユーザー名送信"
If "ユーザー名が存在するか?" then
--> [Yes] "実行を許可"
--> "コマンドを実行"
else
--> [No] 実行中止
Endif
-->(*)
@enduml

 

図形ファイル(画像ファイル)としてではなくテキストとして残せるため、例えばプログラムのソースコードの中にUML図を埋め込んでしまうという荒技も使えます。

図はJPEG、PNG、PDFなどでも出力できます。

描ける図はフロー、ダイアグラム、クラス図、シーケンスなど多彩で、スクリプトさえうまく扱えるのなら他のGUIツールが要らなくなるほど強力です。

項目間の矢印や線の位置も自動で計算してくれ、ある程度重ならないようにしてくれるので、”重なった線を一生懸命調整する”というムダ時間を削減することができます。半面、意図しない方向に罫線が書かれることがあり、その場合の微調整はむずかしい、というかほぼ不可能。

また、オシャレな色を付けたいと考えても、色コードで逐一書いていかなければならないので非常に手間がかかります。かといってデフォルトでは、上図の通り、かなりそっけない色使いとなってしまいます。

さらに使い方もむずかしい。JREとPlantUMLをインストールしシステムに共通パスを加え、エディタで書き、コマンドラインでPlantUMLにコンパイルさせる・・・という手順は、とてもではありませんが素人向けではありません

玄人向けのツールの一つとしてご紹介します。とはいえ、実は私はVisioと同じくらいよく使っています。

・完全に無料。
・テキストで保存できるので、いろいろな場所に保存しておける。
・マウスを使わなくてもよい。
・使いだすためにむずかしい設定が必要。
・使い方も勉強が必要。
・飾りつけなどは手間を要するし、微調整はできないこともある。

WTS的まとめ

フローチャートやダイアグラムを書くツールをまとめてみました。

少し違う目的のものや高額なものまで、探せばもっとありますが、手軽に試せ、十分な機能を持ったものを中心にしました。

個人的にはEDrawもしくはVisioがあればほぼどんな図にも対応できます。チャートやグラフを繰り返し使い、Microsoft Officeと連携できるという点では、やはりVisioに軍配が上がります。ただし高価なのが難点。

プログラマの方はPlantUMLを使ってみると、作業が短縮できる場面も多いと思います。

 

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