太田アベル(@LandscapeSketch)です。
先日発売となったAMD Ryzenの最新型番「Ryzen 5 2400G」、「Ryzen 3 2200G」。
いままでのシリーズは、末尾は何もつかないか、高速モデルには「X」がついていました。今回は末尾に「G」が付き、いままでにないバージョンということがわかります。
何が変わったかというと、内蔵グラフィック機能。
これまでのRyzen CPUにはグラフィック機能はまったくなく、安く済ませようとしても最低限グラフィックボードを1枚積む必要がありました。2018/3/14現在、ドスパラで一番安いNVIDIA GeForce GT710搭載ボードでも、3,880円(税込)となっています。つまり最低限の機能+約4,000円は別途必要だったのです。
Ryzen 5 2400G、Ryzen 3 2200Gはグラフィックス内蔵になったことで、スッパリとこの4,000円をカットでき、非常にお安くシステムを作ることができるようになったのです!
さらにグラフィックスコアには最新のVEGAを採用。処理能力にも期待がかかります。
今回はドスパラから発売中のRyzen 5 2400G搭載マシン、「Regulus AR5-Q」を入手しました。
さっそくレビューとテストをしていきましょう!
Ryzen 5 2400G搭載 Regulus AR5-Q
外観をざっと確認。
ケースは2段の5インチベイを搭載するミドルタワー。全体飾り気のない黒です。
(※今回のマシンケースはDiginnosオリジナルケース EM041 ブラック(MicroATX)を選択。ケースを変更すると見た目も変わります)
CPUの真上となる側面パネルには大型のエアメッシュが開けられ、効率よく冷却ができそうです。もちろん別途グラフィックボードを積んだときにも役に立つ場所です。
ミドルタワーなので拡張もカンタン。ドスパラの自由度が高いカスタマイズも可能です。
ちなみに内蔵グラフィック搭載Ryzenはかなりの人気のようで、発売当時は秋葉原でも品薄になるほどでした。Regulus AR5-Qも納期が伸びていたようですが、現在はカスタムしても最短2日の高速出荷に戻っています。
3画面出力が可能か?
最近は一人で2画面、3画面を使うことが普通になってきました。Ryzenのマルチ画面対応を確認してみましょう。
というのも、Twitterで「Ryzen単体での3画面出力は可能か?」との質問をいただき、僕も非常に気になっていました。
メインパソコンはHDMIとDisplayPortとVGAの3画面だから気になっているけど、
Ryzen 2400Gや2200Gって3画面出力に対応しているのだろうか?
それとも2画面までなのだろうか?— ありさん@Web系かTesterで求職中だが胆石持ち (@arigayas) February 10, 2018
もしRaven Ridgeをレビューするなら3画面出力できるか試して欲しいです。
— ありさん@Web系かテスターで求職中だが胆石持ち (@arigayas) 2018年2月13日
Regulus AR5-QはHDMI、DIV-D、VGAの3種類の出力端子を備えます。(※時期やカスタマイズによってはパネルが変わります)
つなげるのは普通の24インチモニタと、2台のモバイルモニタ。
モバイルモニタは、同じくドスパラが販売しているDiginnos DG-NP09D。HDMIでダイレクトに接続でき、電源はUSBで供給できるというスグレモノ!
しかも8インチで1920×1200ピクセルという高い解像度も魅力。
サブディスプレイとしてはもちろん、ヘッドレスのサーバー管理から、PC組み立ての仮ディスプレイまで、非常に自由度が高くお役立ち。レビューもしています。
全部つなげてみましょう!
おおっ!3画面がしっかり表示されています!接続しただけですんなりと表示されました!
当たり前ですが画面表示は自由自在。3画面に同じ映像を出したり、それぞれを1画面と扱ったり、連結したように表示したり、なんでも可能です。
一通り操作も行いましたが、どの画面も至ってスムーズ。3画面だから重くなったとか、動きがガクガクする、といった問題もありません。Ryzen 5 2400Gは3画面同時FULL HD以上でも、まったく問題なく使用可能です!
さすがに3画面同時出力のゲームをプレイするというのは求めすぎですが、事務用途としては十分な実力を持っていると思っていいでしょう。
例えばパワーポイントを表示しながら現場の写真を入れて行きたい、という場面。写真画面とパワーポイントを何度も行き来することになります。
このようなマルチ画面を揃えることができれば、メイン画面にパワーポイント、サブ画面に写真や資料を常に表示すれば、ドラッグドロップでサクサクとスライドが作れます。
画面切り替えのストレスも無くなり、効率はかなり上がります。
ベンチマーク
それではグラフィックス機能のテストもしてみます。
まずは軽量ゲームのドラゴンクエストXです。FULL HD (1920×1080)の最高画質でも、十分になめらか。8000ポイントを超え、まだ余裕があります。
次は重めのファイナルファンタジー14 紅蓮の解放者。
FULL HD (1920×1080)、高品質(デスクトップPC)では、2288ポイントで「普通」のスコア。大きなキャラや多数のキャラが出ているシーンではコマ落ちが目立ちました。
次に解像度を下げて1280×720、高品質(デスクトップPC)。こちらは十分プレイ可能ななめらかさ。コマ落ちはときどきあるものの、スムーズさは保っていました。
CHINEBENCH R15は、OpenGLが63.98fps、CPUが798 cbとなり、まさにミドルクラスど真ん中というところ。処理能力は十分です。
VEGAエンジンはかなり優秀でした。軽量ゲームならFULL HD (1920×1080)でも遊べるレベルに達しています。コストパフォーマンスは高いですね。
スペック
今回のマシンのスペックです。
仕様やポートなどは時期によって変更される場合がありますので、ご注意ください。
項目 | スペック |
---|---|
OS | Windows 10 Pro 64-bit |
マザーボード | AMD B350 チップセット マイクロATXマザーボード |
CPU | AMD Ryzen 5 2400G with Radeon Vega Graphics |
CPUコア/スレッド数 | 4コア / 8スレッド |
メモリ | 8 GB |
メモリスロット (空きスロット) | – (-) |
グラフィックス | ATI AMD Radeon RX Vega 11 Graphics 1024MB |
ストレージ | 1TB HDD |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
有線LAN | あり |
サイズ | 190(幅)×420(奥行き)×360(高さ)mm |
重量 | 約7.8kg |
■価格やスペックについて■
価格やスペック、オプション品、キャンペーン等は記事掲載時点(記事の掲載日付は最上部に掲載)での内容となります。構成内容は予告なく変更、終了する場合がございます。ご購入前には必ずスペックと価格を再度ご確認ください。
静粛性
静粛性は10段階で「5」ほどでしょうか。
起動時からアイドリング時まで、ずっと風切り音が聞こえてきます。うるさいほどではありませんが、静粛性が高いとはいいずらい。
ベンチマークテストなど高付加時はやや音の大きさが大きくなります。ただ、そんなには大きくなりません。
常時聞こえているが、高付加をかけてもそれほどうるさくならないファン、と言えます。ちなみにAMD純正。
WTS的まとめ
内蔵グラフィックスでマシン構成もシンプルになり、価格もお安くなりました!
VEGAによるグラフィックスもかなりGOOD!ドラクエ、FF14などのオンラインゲームなら画質調節で快適にプレイできそうです。
コストパフォーマンスに優れた一台だと言えそうです。