僕が愛用しているクラウドバックアップサービス「BackBlaze」の詳しいシステムや使い方を説明していきます。
BackBlaze B2はファイルを更新すると常に履歴(バージョン)がとられます。標準では変更のあったすべての地点でバージョンが発生し、どのバージョンにも回復できます。
ただ、NASからバックアップしているときなどは、履歴はNASでとられていることも多く、BackBlaze側ではとる必要がないこともあります。
BackBlazeでは柔軟なバージョン設定ができますので、今日は設定方法の紹介。
BackBlaze B2のバージョン設定
BackBlazeのバージョン管理は「ライフサイクルルール」と呼ばれます。
ルールはBucketごとに設定できます。ファイルごとやディレクトリごとなどの細かな設定はできません。※
もし部署ごとに違う設定にしたいとか、ファイルの種類で変えたいというときは、それぞれのグループでBucketを作っていく方がわかりやすいですね。
設定方法です。
BackBlazeにログインし、左のメニューからBuketsを選択。
Bucketの一覧が出てきますので、設定したいBucketの右下の「Lifecycle Settings」をクリックします。
このような設定画面がポップアップします。
設定は4種類。
- Keep all versions of the file (default)
- Keep only the last version of the file
- Keep prior versions for this number of days
- Use custom lifecycle rules
各ルールの詳細を解説します。
Keep all versions of the file
これがデフォルト設定です。更新されたファイルのあらゆるバージョンが無限にとられます。最も安全ですが、その分容量を消費します。
小容量のファイル(テキストやエクセルなど)ばかりでしたら、このオプションでもOKです。
逆に写真や動画などは制限をかけた方がいいですね。バージョンが増えるとGB単位で増加してしまう可能性があります。
Keep only the last version of the file
ひとつ前のバージョンだけが残ります。
1→2→3と更新したら、3が現在となり、2まで回復できます。1の状態には戻れません。
Keep prior versions for this number of days
指定日数分を保存します。
横の欄に日数を入力します。10と入れれば10日前までの分が残っています。10日以前には戻れません。
更新が頻繁だけど、あんまりたくさんのバージョンがあってもなぁ・・・という場合は、日数制限が適しています。ビジネス用途なら60日ぐらいにしておけば、よほどのことがなければ大丈夫だと思います。
5年保存の機密書類などは別途無制限のBucketを作るのもいいですね。
Use custom lifecycle rules
このオプションはファイルの種類ごとや、特定ファイルだけに制限をかけるカスタムルールです。
File Path
設定したいファイル名の一部や、ディレクトリ名など。空白(ブランク)にするとBucket全体に適用されます!注意です。
Days Till Hide
この日数が経過するとファイルが「隠され」ます。回復は可能ですが、見た目は存在しなくなります。容量は減りません。
Days Till Delete
この日数が経過すると「隠されている」ファイルが「削除され」ます。
隠されていないファイルはまったく影響しません。つまり履歴を完全消去するためには、まず隠さなければなりません。
ファイルを更新したり、ファイルを消去(見えなくなる)状態にして、「消去された」というバージョンができたときだけ実行されます。
サーバーログなどを7日たったら非表示にし、非表示にした後1日経ったら完全消去するという場合、
File Path | /logs |
Days Till Hide | 7 |
Days Till Delete | 1 |
となります。
この設定をすると7日以前のログは見た目上どんどん消えていき、さらに1日経つと完全消去となります。
WTS的まとめ
BackBlazeのライフサイクルルールを説明しました。
業務で頻繁に更新されるファイルなどはなるべく無制限で運用するのがいいですね。このスイッチが入っていれば、何年前のファイルにも戻ることができます。