どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
今日はドスパラから販売されている変態ゲーミングマシン、GALLERIA SIのレビューです。
たいていのGTX 980Ti搭載マシンというと、こんな感じのタワーになります。最低でもミニタワー型でしょう。それはなぜかといえば、もちろん冷却性。GTX 980Tiは省電力なMaxwellアーキテクチャを使用しているものの、2896 CUDAコアを1GHzものベースクロックで動作させます。当たり前ですがその熱量はすごい。内部空間の広いタワー型で、風を多く当てるから動作できます。
それをドスパラはなぜか、わずか9cmのスリムケースに詰め込んできました。
「スッゲー性能をチョー小さく詰め込んでみようぜ!」という、海外によくいる何でも小さいケースに入れてみる自作マニアならまだしも、まっとうな、それも日本で有数のBTO会社が商品として発売するというのは、いくらなんでもどうなのかと。
で、届いたのがコレ。
どう見てもフツーのスリムケースです。机の上にラクラク乗ります。しかも、他メーカーの小型ゲーミングマシンでは、たいてい電源を外部アダプタにすることで、内部空間を確保しています。しかしGALLRIA SIは内蔵電源・・・
GTX 980Ti、Core i7-6700、高出力電源。ギッチリ詰め込んだスリムマシンは、果たしてどうなってしまうのか?
スペック
まずはスペックです。Core i7-6700、GeForce GTX 980Tiと現状最強クラスのパーツで構成されています。非常に贅沢なパッケージ。
お値段は209,980 円(税別)から。
項目 | スペック |
---|---|
OS | Windows 10 Home 64-bit |
CPU | Intel Core i7-6700 (4コア / 8スレッド) |
メモリ | 16GB |
メモリスロット (空きスロット) | 2 (0) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 980 Ti (6GB) |
ストレージ | SATA 2TB HDD |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
ポート類 | USB2.0 x2, USB3.0 x4, DVI x1, HDMI x1, DisplayPort x1 |
Bluetooth | あり |
無線LAN(Wi-Fi) | 802.11 ac/a/b/g/n |
有線LAN | あり |
電源 | SILVERSTONE SST-SX600-G(SFX 600W 静音電源 / 80PLUS GOLD) |
サイズ | 105(幅)×350(奥行き)×382(高さ) mm |
重量 | 約7.2Kg |
外観
外観を見ていきましょう。とてもハイスペックゲーミングマシンとは思えない、わずか9cmのスリム筐体。しかも高さ、奥行きともに特に長いわけではなく普通です。
黒でまとめられたある意味地味な外観は、会社に置いてあれば普通の事務用パソコンに見えてしまうほど。
もちろん標準的なスリムデスクトップと違うのは、数カ所に開けられた巨大なエアダクト。熱量の多いCore i7とGTX 980Tiを冷やし切るための専用設計です。手のひら以上に大きく、格子も広いダクト。
縦でも、横でも
GALLERIA SIは縦でも横でも置くことができます。
縦にした時は安定性のために付属のアジャスターをつけることが推奨されています。
スリムデスクトップということで縦に置く人がほとんどだと思いますが、このように横置きも可能。なかなかゲーミングマシンで横置きできるものは少なく、この薄さに魅力を感じる人も多いはず。かくいうぼくもそうです。
ただ、上下から吸気と排気を行っていますので、横置きした本体上にモニタや物を置くのは厳禁。完全に通気をふさいだら、GTX 980Tiが文字通り火を噴くかもしれません(ウソです。その前にオーバーヒートで電源が落ちます)。ビデオデッキのように棚に設置するための形態と考えましょう。
横置きにした時は底部に付属のインシュレーターをつけます(両面テープ式)。底面からも吸気するので必ず付けましょう。
ポート類は十分な数
スリムデスクトップですがポート類は豊富。
USB3.0は8ポート、HDMI端子(ビデオカード & 内蔵グラフィックス)、Display Port(ビデオカード)、DVI端子(内蔵グラフィックス)、カードリーダーなどなど。普通のタワーデスクトップのように十分な数を揃えています。GTX 980Tiパワーで4画面でも余裕でしょう。
ハイパワーな内臓電源
スリム型のゲーミングマシンでは、内部に電源を収めることができず巨大なACアダプタを使用するものがあります。しかし家庭用ACアダプタは、安全上の問題や熱の問題で350W付近が限界で、グラフィックチップはおのずとGTX 960あたりが限界となります。
GALLERIA SIはSFX規格の内蔵電源を搭載。接続は電源ケーブルのみで非常にスマートで、しかも最大出力は600W。(GTX 980Tiモデル)
テスト機は80PLUS GOLD認証のものを採用していて、認証なしのものに比べ非常に高い効率を誇ります。
3DMarkでベンチマーク
とにもかくにも、まず3DMmarkを動かしてみましょう!
スコアを見れば一目瞭然ですね。すべてのテストで十分な満足感を得られます。最上位テストであるFire Strikeがスコア14000を超え、なめらかに動いています。
一番下のIce Stormのテストは、1000fpsを割り込むのが珍しいほどで、目にした中では1800fpsを表示していました。恐るべきフレームレート。
とにかく全体的に余裕というかやりすぎ感さえ感じる、激しいグラフィックスパワーです。並大抵のグラフィックで満足できない人でも、これなら文句は出ないでしょう!
ファンの音は?
スリムデスクトップのハイエンドということで、購入前に気になるのはやはりファンの騒音でしょう。3ヶ所の大きなファンダクト、GTX 980Tiの2連ファンなど、ファンの音は相当ヤバそうだ・・・とぼくは思っていました。
が、想像していたよりかなり静かでした。
どれだけの騒音になるんだ?と身構えてベンチマークを開始しましたが、最高潮に達しても最初に電源を入れた時からそれほど大きくなりません。もちろん通気性の良いフルタワー筐体に水冷システムを組んだような静けさにはかないませんが、この薄さでは十分に静かといえるレベルでしょう。数年前のハイエンドマシンのように「うるさい!」と叫びたくなるような音とは、雲泥の差。
まず通常時は冷蔵庫の音よりも静か。搭載していたグラフィックボードは60度以下ではファンを停止するタイプで、最初は電源とCPU上のファンの音だけがしています。
3DMarkのCloud Gateあたりからグラフィックボードのファンがゆるゆると回りだしますが、風切り音はかな~りマイルド。回転はファンのロゴが目で追えるほどゆっくり。Fire Strikeで最高速に達しますが、風の音はグラフィックボードよりも、むしろCPU上のファンの方(白色)の方が目立っています。全体的にはウィーンという低音が響いている感じの音です。
テスト機のグラフィックボードは、ファンの形からたぶんドスパラ販売の風シリーズだと思われますが、このシリーズは静穏性に定評があります。
WTS的まとめ
満足この上ない性能ですね!コンシューマーでは最強クラスとなるパーツの組み合わせながら、机の上にも余裕をもって置けてしまうコンパクトさ。最強パフォーマンスは手に入れたいけど場所が・・・と悩んでいるなら、GALLERIA SIは最適だと言えるでしょう。
■価格やスペックについて■
価格やスペック、オプション品、キャンペーン等は記事掲載時点(記事の掲載日付は最上部に掲載)での内容となります。構成内容は予告なく変更、終了する場合がございます。ご購入前には必ずスペックと価格を再度ご確認ください。
■掲載ベンチマーク結果についてのご注意■
ベンチマーク結果は選択したスペックによって大きく上下します。また機材の入手時点(記事の掲載日付は最上部に掲載)での結果となりますので、掲載から時間が経っている場合はマイナーチェンジ等により数値が変わることがあります。
上記は入手した機材において個人的に計測したもので、メーカー公式発表ではありません。目安としてお考えください。