以前三菱UFJ銀行に、アメリカ UnionBankでリアルな米国口座を開けるサービスがありました。
アメリカ国内から振込を受けたり、ATMで現金を引き出せるので、両行や留学で使っていた人も多いと思います。私も旅行や出張の際に役立ちました。
しかし2023年にUnionBankがU.S. Bankに吸収されてしまい、口座が移行されてしまいしました。全サービスがU.S. Bankベースとなったのです。
そこで問題になったのが日本への送金。
僕の場合いろいろ問題があって引き出し不能に陥り、完全にお金を動かすことができなくなってしまったのです!
その後必死で代用サービスを探し、WISEを使ったところ、今までよりはるかに安く早く引き出せたので、その顛末を書いてみます。
最終的に、WISEのおかげでスムーズにU.S. Bankの口座を解約することもできました。
U.S. Bankからの引き出しでお困りの方のお役にたてば幸いです!
U.S. BankからWire引き出しができない!
U.S. Bankに移行されてしばらくしたころ、いつも通り引き出しをしようとしました。
常には
という流れでした。手数料は送金で2,000円、着金時に2,000円前後かかっていました。非常に高い手数料ですが、年に1回か2回なので「まあしょうがない」と思っていました。
さて、はじめてU.S. BankからTransferをしようとしたのですが、送金先登録ができません。追加する際にSMS(ショートメッセージ)の確認が必要なのですが、そのために「プライマリモバイル番号を登録しろ」というメッセージが!
とりあえずアカウント画面で電話番号を登録しようとしますが、なんとアメリカの電話番号しか受け付けません!
僕自身は日本在住ですから、アメリカの電話番号なんて持っていません。
ダメもとで、日本の電話番号に+81を付けて登録しようとしましたが・・・ダメ。アメリカ国内の番号でないと入りません。(10桁まで)
それではと、アメリカの番号が取得できるSkypeで番号を取ってみました。(有料でした。)この電話番号を回せば、アメリカの番号からSkypeで電話を受けられるのです。
これならいけるでしょうと入力してみたら、「モバイル番号でなければダメ!」とのメッセージが・・・うわ、詰んだ。
ついでにSkypeに払った1000円ぐらいが一瞬でムダに。
日本からアメリカの携帯を契約するなんてそもそも不可能ですし、できたとしてもいくらかかるかわかりません。さらにたとえ契約したとしても、日本国内で着信するわけがありません。(電波などが全く違いますし、交換局がない。)
送付先登録が不可能になってしまったのです。
External AccountからPayPalに接続するが・・・
次に考えたが「External Account」の機能。いろいろな送金サービスと連携できるようなので試しました。
見てみると、よく使っているPayPalの名前があったのでPayPalアカウントを登録してみることにしました。
入力などは問題なく行え、Connectedと出るものの、なぜか登録後の名前が「NULL」(コンピュータの用語で”なにもない”こと)になってしまいます。3回同じ作業を繰り返してみましたが、結果も同じ。
External Accountの表示は「NULL」となり、もちろん送金先にも出てきません。PayPalも絶望的です。
Zelleは国内のみ
少額の転送システムであるZelleがありますが、残念ながらこれはアメリカ国内のみ。
国をまたいで送ることはできません。
WISEを見つける
サポートを受けようにも、込み入った内容は「電話をかけてください」となってしまいます。
僕の英語力は文章がなんとか読める程度で、こんなむずかしい内容を口頭で伝えられるわけがありません。
完全にU.S. Bankからの引き出し手段がなくなってしまい、正直かなり焦りました。
銀行から直接引き出せる両替のようなサービスがないかと探しまくったところ、今回使ったWISE(ワイズ)というサービスを見つけました。
40ヶ国のお金と、U.S. Bankにも対応していると書いてあります。
もはや最後の手段!
わらにもすがる思いでアカウントを開設しました。
シンプルな画面、シンプルな操作、そして入金できた!
WISEの開設は比較的簡単です。
少なくともUnion Bankの口座を開いたときのような、多量の書類は必要ありませんでした。
ウェブで開設し、本人確認としてマイナンバーと自分の写真を送ります。マイナンバー開設時のような感じでした。
その後、自分のWISE口座に対して3,000円の日本円を入金をすれば完了!数日かかりますが、かなりあっさりと開設できました。
なじみのない新しいサービスで、しかもあっさり口座が開けたので、この時点では「詐欺サイトではないか」と、正直かなり疑心暗鬼でした。(笑)
たくさんの国の通貨口座もすぐに開けます。ほぼワンタッチです。逆に不安になるほどカンタン。
とはいえ、僕に残された手段はもうこれだけ。
U.S. Bankのお金を引き出してみます。
銀行口座を接続
まずWISEでUSDの通貨口座を開きます。
次にUSD口座にリアル口座を接続します。この場合はU.S. Bankの口座ですね。
「即座の認証」というメニューがあったのでとりあえずこちらを選択。ダメだったら手動で。
Plaidという中間サービスを使うようですね。
どれもこれも初耳の名称ばかり。
「US」まで打ち込むと、U.S. Bankの名前が出てきました。
口座情報などをWISEと連携する確認が出ます。
U.S. Bankのログイン画面が出ました。
念のため詐欺サイトではないか、ドメインや認証をチェックします。「onlinebanking.usbank.com」となっています。必ず鍵マークをクリックしSSLも確認します。両方とも正常でした。
最終確認が出ます。
問題がなければ最下部の「Authorize」を押します。
連携するアカウント情報をチェックします。
少し待ち時間があり・・・無事に「Success」の画面になりました!
WISE側でも「銀行口座が接続されました」と出て、めでたく連携完了!
少額を引き出してみる
さて、本番はここからです。
さっそく少額を引き出してみます。
U.S. BankからWISEという銀行に送るイメージになるため、どれが「受け」でどれが「送り」なのか、ややこしくなります。
U.S. Bankからは「送金」するのではなく、WISEで操作し、WISEに「チャージする」ことになります。チャージ=口座からの引き出しととらえればOKです。
USD口座を開き、チャージするボタンを押します。
チャージする金額を指定します。これはU.S. Bankから引き出されるお金です。当たり前ですが、残高以上に指定はできません。残高以上に入力すると、引き落としまでに入金する必要があります。
最初は手順や入出金の様子を見るため、200ドルを指定して進めました。
送金の目的などが聞かれます。ここは適宜答えます。(家族への送金が無難です)
次に送金方法です。
僕の場合は
- ダイレクトデビット
- 電信送金(Wire)
- 電信送金(Swift)
- デビットカード
の4つが選択可能でした。金額によっても手段が変わるようです。
電信送金(Wire)はU.S. Bank側にも受け取り銀行側でも手数料を取られますし、日数もかかります。またWire、Swiftはチャージ後に元銀行からWISEへ振込をかけなければなりません。
僕の場合そもそも振込が不可能なので、選択はダイレクトデビット(ACH)のみです。これがダメだったら完全に”詰み”です。
手数料は0.26ドルと表示されています。
・・・・・え?安すぎない?何かの間違い?
いままで日本の銀行経由で、着金から両替まで4,000円ぐらい支払っていた僕には、奇想天外な数字です。26ドルでも2.6ドルでもなく0.26ドル!!150円換算でもたった39円!?
え?これ本当に本当?
総計画面。
本当に0.26ドルだよ・・・
しかもダイレクトデビットの場合、U.S. Bank側の送金手数料がかからないのです。ほんとかよ。ほんとにほんとかよ・・・ほんとに(しつこい)
引き出し元の口座はもちろんU.S.Bank。
ドキドキしながら「確認して送金」を押します。
利用確認書が表示されたり、パスワードの再確認がでまして・・・完了しました!
そしてわずか数分後にはWISEのUSD口座に200ドルが!!!!!
うぉぉぉーーーー!
アメリカから戻ってきたーーーーーー!!!!
マイマネーーーーーーー!!!
あまりの簡単さと料金の安さにひたすら驚くばかり。
U.S. Bank側はどうなるか
WISEの入金は確認できましたが、U.S. Bank側はどうなっているのでしょうか。ダイレクトデビット(ACH)は、出金は即座にできますが、実際のお金は2~3日後に口座から引き落とされます。
以下のように進行します。
- U.S. BankからACH支払(即時)
- WISEに着金(ほぼ即時)
- U.S. Bankから現金が引き落とされる(2~3日後)
デビットカードを使っている人にはおなじみの動作でしょう。
U.S. Bankの口座を見ますと、WISE着金後少し時間が経ってから(半日~1日程度)「Pending」として引落しリストに並びます。
そのまた1日程度で「Completed」となりました。ACHの場合、自分で操作することはありません。また、本当にU.S. Bankからの送金手数料はありませんでした。
WISEで表示されたとおり200.26ドルの引き落としのみです。
こ、これは神のサービスだ・・・
両替も安い!
先ほどの200ドルを日本円にしたい場合、「両替」を使います。
ここもまた便利で安いです。
まず手数料は1ドル。いままで着金銀行でドル→円は2,000円ほど取られていました。それが1ドル!!
さらになんと、指定した為替相場になったら自動両替をしてくれる機能も!
円安になってから両替すれば、ちょっとだけ円が増える!!高額の両替なら数万円の違いになるかもしれません。
す、すごいぞWISE!!
動作確認後すべての金額を引き出し、その後は無事に口座を廃止することができました。WISEがなかったら、いったいどれだけの手数料と時間がかかったかわかりません。
僕にとっては救世主のようなサービスでした!
WTS的まとめ
U.S. Bankに閉じこめられたお金が救えました!WISEがなかったら本当にどうなっていたことかわかりません。
英語ができる友だちに頼んでサポート電話にかけようか、とか、真剣に悩みました。
WISEのおかげで、手数料が一気に1/10ぐらいになり、しかも数日で現金化することもできました。本当にありがたい!
また、WISEの口座は本当の銀行口座としても使えます。ユーロやポンド、さらにはベトナムドンやらUAEディルハムまで、各国の地元銀行のように受け取れてしまうのです。
すごすぎる。
さまざまな画面がとてもシンプルで統一感があり、使い勝手も洗練されています。初めてでもあまり迷わず操作することができました。お手本のようなUIです。
ずっと続いてほしいサービスだと感じました。
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