手頃な価格で最新規格に対応した3アンテナ高速ルーター TP-Link Archer A10 Pro AC2600 レビュー

どうも、太田アベル(@LandscapeSketch)です。

しばらく前に、家の無線環境をTP-Link RE505X 2台のアクセスポイントによるメッシュを構築しました。RE505Xは中継器(レンジエクステンダー)なのですが、実は単体同士でメッシュの構築が可能なのです。

TP-Link RE505X

 

ただ、アンテナを少しかたむけたりすると5GHzバンドが途切れてしまったり、複数台が大容量のアクセス(動画やゲームなど)をすると、少し遅くなる場面が感じられました。

そこで、親側となるRE505Xの代わりに、4アンテナとデュアルコアCPUを搭載する本格的なルーター、TP-Link「Archer A10 Pro」を導入してみました!

使い勝手などをレビューしていきます。

実用重視のデザイン

TP-Link Archer A10 Proは外部 3アンテナ、内部1アンテナの合計4アンテナを装備し、MU-MIMOに対応した高速ルーターです。

 

本体は手前側がテカリのあるブラック、後ろ側がメッシュ状の通気口になっています。

背面におよそ10cmほどのしっかりとした大きさの外部アンテナがあり、「いかにもルーター」という形ではありますが、信号強度重視なら安心感があるというもの。

 

手前側は鏡レベルでテカテカ。くっきりと反射します。僕はどちらかと言われればマットなタイプの方が好みです。単純にホコリが目立ちにくいというだけですが。

 

メッシュ部分は中の基盤も覗け、放熱性が高そうです。

 

アンテナを除けば本体はシンプルな四角形。家庭内でもそれほど目立たない形です。大きさは216 x 164mmで、およそA5サイズ。

 

左サイドにはWi-FiのON/OFF、リセットスイッチ、WPSスイッチ、USB 3.0ポートがあります。右サイドにはスイッチ類はありません。

 

背面にはACアダプタポート、電源スイッチ、WANポート、LANポート4個があります。有線LANは、WANとLANは色分けされていてわかりやすい。通信速度はすべて1Gbpsです。

 

ちなみに縦置きも可能で、純正専用パーツがアマゾンで800円ほどで購入可能です。とはいえパーツは単なる金具ですので、コーディネートやスタイリングなどを問わなければ、ブックエンドなどでも代用できそう。

安価ながら機能充実

Wi-Fi信号は 5GHzで最大1733Mbps、2.4GHzで最大800Mbpsのデュアルバンド速度を実現できます。3つの物理アンテナに加え、本体に内蔵された1アンテナがあり、合計4アンテナで複数デバイスからのデュアルチャネル接続にも耐えられます。

 

信号規格には2020年現在、使用されているほぼすべてのWi-Fi規格に対応。

帯域 対応規格
5GHz IEEE 802.11ac/n/a
2.4GHz IEEE 802.11b/g/n

「Wi-Fi6」と呼ばれている IEEE 802.11axのみ未対応となっています。ただ、記事執筆時点で11axはまだ使用されている機種がほとんどなく、大きなデメリットとは言えないでしょう。

また通信だけ高速化しても内部処理が遅ければ意味がありません。その点もぬかりなく、デュアルコアの高性能CPUと256MBのRAMを搭載し、内部スループットも強化されています。

より詳しいスペックはTP-Link公式サイトをご覧ください。

通信を最適化する技術も豊富

単に最新の規格に対応するだけでなく、それにプラスしてさまざまな通信高速化技術を問う咲いている点にも注目です。

従来は一台ずつを高速で切り替えてあたかも「同時」に見せていた部分を、Archer A10 Proは4本のアンテナを同時にコントロールし「本当の複数台同時通信」を実現。

 

また、古い規格(11gなど)と新しい規格の(11ac)の機器を同時に接続すると、他の機種では古い機種が通信が終わるまで信号が占有されてしまい、全体が遅くなりました。

TP-Linkの「エアタイムフェアネス」機能は、古い規格の待ち時間でもどんどん新しい規格の信号を受け取ることができ、混在環境でも速度の低下がほぼなくなります

複数台接続に非常に強いと言えるでしょう。

設定は専用アプリでカンタン

ルーターの設定は専用アプリ「Tether」からカンタンに行えます。TetherはAndroid、iOS用があります。Windows PCなどからは、ブラウザにURL(http://tplinkwifi.net)を直接打つことで設定画面に入ることができます。

 

ルーターの配線を接続し、電源をON。すべてのランプが点灯したらTetherからルーターを検索します。特殊な設定をしないかぎりすぐに見つかり、設定画面へ入ることができるはずです。

 

設定画面はグラフィカルで、また上級者用の項目はあえて隠してあり、シンプルな見た目です。はじめてWi-Fiルーターを購入した人も、戸惑うことなく使えるのでは、と感じました。

初期の手順をまとめた「簡単設定ガイド」(もちろん日本語!)も付属します。紙を見ながら設定できるので、安心感が高いのではないでしょうか。

ブリッジモードはTetherから

ちなみに僕の場合は光回線(コミュファ光)のルーターを必ず使う必要があり(ひかり電話も併用のため)、コミュファ光のルーターにArcher A10 Proをつなぐという2重構造になります。

この場合、Archer A10 Proのルーター機能(ルーティング機能)を切った方が、LANの管理が非常にカンタンになります。このような変更を「ブリッジモード」「アクセスポイントモード」などと呼びます。

要はルーターとしてではなく、無線信号を有線LANにするだけのコンバーターとして使うという意味ですね。少々ぜいたくな使い方といえるでしょう。

Archer A10 Proの場合、この切り替えはTetherから行います。

切り替え時はArcher A10 Pro自体のIPが消えてしまうため、ルーターへのログインは通常のアクセス手段(http://tplinkwifi.net、http://192.168.0.1)では、できなくなる場合があります。そのときは上位ルーターのIP割り当てを調べ、手動でアクセスする必要があります。

そのため、作業前に上位ルーターのIPとログイン方法を用意しておいた方がスムーズです。

電波強度をチェック

電波強度を確認します。

RE505Xでの接続は、家から出て10mほどで電波はすぐに1~2本になってしまいましたが、Archer A10 Proでは同じ距離で3本立っています!やはり複数アンテナの安定性はすごいですね。

 

子機となるRE505Xへも、安定度が高まりました。

RE505X + RE505Xでは、少しアンテナの角度を変えると5GHzのランプが赤になってしまいましたが、Archer A10 Proにしてからは、本体を移動させても青のまま保っています

電波強度で悩んでいる人も、改善が期待できます。

※電波強度は家の構造や他の電波源などの影響を大きく受けます。あくまで筆者事務所での計測結果であり、導入後必ずしも電波が強くなるとは保証できません。ご了承ください。

動画の複数再生でもスムーズ

速度的にはいままでのRE505Xと大差ないと思いましたが、複数デバイスから同時に動画を再生すると、Archer A10 Proのほうがスムーズだと感じます

 

ほかには、大容量ゲームのダウンロード、Windowsアップデートのダウンロードも少し高速化した感じです。

SteamとMicrosoftで大容量ゲーム(10GB)をダウンロードしてみた結果です。

機種 平均通信速度
Archer A10 Pro 31.4Mbps
RE505X 20.8Mbps

意外に差がつきました。

3回ほどダウンロードしてこの差となります。大元の回線速度は変わっていませんので、Wi-Fiの速度もしくはルーター内の処理が速くなったおかげで、この差が付いたのかもしれません。

WTS的まとめ

Wi-Fi部分を変えただけでファイル転送やダウンロードが少し速くなるのは驚きです。

高速なルーターは信号やデータの「詰まり」が起こりにくく、それが回線を有効活用できているのかもしれません。

これだけいろいろな機能が付いて、アマゾンで実売10,000円以下という、手に入れやすい価格もうれしいですね。安価な高性能ルーターを求めていたら、試してみてもよい機種だと感じます。

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