TourBox Elite実機レビュー!写真、動画編集を高速化!非常に便利な左手専用デバイス

TourBox(ツアーボックス)」というデバイスの名前を聞いたことがあるでしょうか?

数年前に第一弾が発売されるや、写真、映像、イラストクリエーターの絶大な支持を集め大ヒットとなった左手操作用のデバイスです。

その後もアップデートをくり返し、ついにこの3月に、最新版「TourBox Elite」が発売されます!

現在はCampfireにてクラウドファンディングを受付中ですが、残り45日の時点で(2022/3/16日現在)、すでに目標金額の4777%(47倍以上)という非常に熱い支援を寄せられています。(先行割引販売 実施中!

CampFireでの支援者の数(2022/3/16現在)

 

前作までの非常に使いやすいボタン配置やダイヤルはそのままに、多数のクリエイターが望んだ「無線化(Bluetooth)」がついに実現!机のどこにでも配線を気にせず置けるのはやはりうれしい。

メーカーから発売前の試験機を試す機会をいただきましたので、さっそくその使い勝手に迫ります!

※発売前の機材のため、製品版ではパッケージ内容や製品仕様が変更される可能性がございます。
  • 小型で日本人の手にもマッチする大きさ
  • 触感、形を変え、手触りで全てがわかるボタンデザイン
  • ダイヤル、ボタンの動作はフルカスタム可能
  • 組み合わせボタンで膨大な数のショートカットを記憶
  • ガッチリとした強度の高いボディ

記事中の商品/サービス

クラウドファンディングで火が付いた、世界的大人気左手デバイスTourBoxの最新版!

デザイン

デザインを見ていきます。

商品化粧箱 シンプルでしゃれたデザイン(輸送時にカド衝突があり、右下カドがちょっと傷ついています)

 

内容物は、本体、USB Type-C to Type-C(L字)ケーブル、単3電池2本、簡易マニュアル。

 

手のひらサイズの大きさに、さまざまな形のボタンやダイヤルが詰めこまれています。ボタン大好きな子どもや大人は、この時点で大興奮です。(笑)

TourBox Elite 本体 多数のボタンやダイヤルが”そそる”

 

5歳になる次女は目を輝かせながら、10分以上ボタンやダイヤルをいじり回し、そのままオママゴトの道具に直行!ちょ、ちょっと待って!まだレビューしてないから!

便利なPCデバイスというより、TourBox Elite自体が「操作して楽しいおもちゃ」のような存在感なのです。

つまり仕事がちょっと楽しくなる!・・・かも。

 

製品版ではブラック、ホワイト、モダンスモークブラック・トランスルーセント(日本ではスケルトンといったほうが通じるか?)タイプの3種類が発売される予定。

今回のレビュー品はモダンスモークブラック・トランスルーセント。

TourBox Elite カラーバリエーション

 

濃いグレーで、うっすらと中身が透けて見えます。光が当たるとわずかに深い緑のようにも見えます。

うっすらと内部基板が見えるトランスルーセント

 

ボディーはどこにもカドがなく、まるでチョコレートが溶けたように不定形でまるみを帯びたデザイン。非常に複雑な曲面で構成されています。

どこも非常になめらかに処理されている

 

この曲面は実によく計算されていて、どの角度で手を添えても、手のひらにカドを感じることがまったくありません。手の感触に敏感なアーティストでも安心です。

かくいう僕も、わずかでも手に違和感があるデバイスはすぐに使用をやめてしまいます。キーボードにツメが当たる感触もいやなほどで、爪切りは常備。(笑) もはや神経症レベル。アーティストにはこういう人がもっと多いと推測。TourBox Eliteは合格です。

 

日本人の手の大きさにもフィットします。多機能ですが大きくはありません。

 

手に持ってみるとズシリと感じる重さ。この小ささなのに実測379gもの重さがあります。

ちなみに世界最軽量のマウスは、現在65gほど。一般的なマウスでも120gほどです。いかにTourBox Eliteの重さがあるか、おわかりになるでしょうか。

もちろんこれはTourBoxにとってはメリットです。

こういった片手デバイスは、軽いと使っているうちにズリズリとズレてしまうのが、非常にストレス。その点、TourBox Eliteはこの自重と裏側のゴム足でしっかりと止まっています。力を入れてダイヤルをいじっても、ほぼズレません。とてもグッド!

 

上側面にはUSB Type-Cポート。L字型のUSBケーブルも付属します。ケーブルを使えば有線タイプとして使用可能。ちなみにケーブルは両端がType-Cなので、Type-Aポートにつなぐ場合は変換ケーブルまたは変換コネクタが必要です。

USB Type-Cポート

付属のUSBケーブルはL字でジャマにならない

 

裏面には電池ボックス、電源スイッチ、Bluetooth接続用ボタンがあります。単3乾電池2本で動作します。

裏面には電池ボックスや電源スイッチ。摩擦力の高いゴム足が装備されている

ダイヤルをチェック

ボタンとダイヤルは形、触感がさまざま。右上の丸ボタン以外、同じ形のボタンはありません。

ダイヤルは3つ。

ダイヤル、ホイールは3種類

 

左上に縦スクロール、中央につまみ型ダイヤル、左下に平面のダイヤルがあります。どれもグラグラせず、なめらかに回り、精度の高さを感じます。

また、それぞれ「押し込み」にも対応していて、レベルのリセットなどの操作を割り当て可能。

中央ダイヤルはつまむように操作。人差し指と親指がちょうどフィット。

最も使いやすい中央ダイヤル

 

左上スクロールは中指で送ることもできますし、少し持ち替えて人差し指で送っても使いやすかった。

左上ホールを操作しているところ

 

左下は親指をかなり曲げるか、手を持ち替えて回す感じです。

左下ダイヤル

 

そして、つまみ型と平面型はなんと、回すと本体内部から振動のフィードバックがあります!(※ドライバインストール後)

回すとカリカリカリ、チチチチといった歯車を合わせるような感触が返ってきて、その自然な感覚に驚きました。iPhoneの画面を押すと「コツッ」としたフィードバックがありますが、あれのダイヤル版。

 

従来のモデルにも同様の機能がありましたが、Eliteは広帯域振動モーターを採用し、フィードバックの遅さときめ細かさがアップしたとされています。

確かに、ダイヤルのちょっとした動きにもカチっと感触があるので、回転はスムーズなのに、Lightroomのゲージを1目盛り増やすような繊細な操作も非常にラクに!

もちろんフィードバックの強さ、発生間隔も完全カスタマイズ可能。うるさいときはOFFにもできました。

 

ダイヤルの加速度もカスタム可能。

たとえば動画編集。フレームを送るときにキーボードの矢印キーを使うことも良くあると思いますが、押し続けてもずーっと同じ速度で送られるので、イライラしますよね。

TourBox Eliteはゆっくり回すとき、速く回すときで加速度を変えられ、1フレームずつ送ることも、ざっくり10秒送るときもダイヤルだけで操作できます。非常に感覚にマッチしています。

ボタンをチェック

全体に設置されたボタンは6カ所、8個。

TourBox Elite ボタンは8個

 

不定形なボタンであまり整然としていない見た目ですが、すべての配置が計算され尽くしています。

ボタン位置 種類、個数
右上 小さな丸型ボタン 2個
右下 縦型ボタン 2個
中央上 横長ボタン 1個
中央ダイヤル 左横 小さなボタン 1個
中央下 十字ボタン 1個
左側面 縦長ボタン 1個

 

全てのボタンがソフトでカスタマイズ可能。Cmd+Shift+Aのような複合キーも設定可能です。

キー操作はアプリケーションごとに設定可能で、PhotoShopならPhotoShop用の、Premire用ならPremire用のキー操作に自動で切り替わります。アプリを移動するたびに、手動でプリセットを切り替える必要はありません。

 

驚くのは、ボタンの形だけならまだしも、ボタンの「押しごこち」まで変えてあることです。

 

まず右上の小さな丸ボタン。

軽くくぼみのある丸型。人差し指を意識して伸ばして使う場所にあります。こちらは少し固めで、カチッとした浅い感触。

 

右下の縦長のボタン。ちょうど親指が当たる部分にフィット。

2つありますが左側のみにスリット状の浮き出し模様があり、どちらに触れているのか、見なくてもわかります。やや柔らかめで、ストロークのあるカチッとした感触。押しやすいのでよく使う機能を割り当てると良さそう。

 

中央上には横長の大きめのボタン。

中指で押せる位置にあります。少しストロークのあるカチッとした感触。

 

中央ダイヤルの横にも小さなボタンが。ダイヤルの動作切り替えにベンリそうですね。

カチッと浅い感触。少し固め。

中央ダイヤルの下にボタン

 

中央下にはゲームコントローラでおなじみの十字キー。

ストロークは浅めでカチッとした感触。キーは少し固めで、意識しないと押されないようになっています。親指の付け根が当たりますが、暴発はほぼありません。

見た目通りカーソル移動にも便利そうですし、上下左右で別の機能を割り当て、親指のみで切り替えるのも便利そう。

 

左側面にもボタンが!

こちらはストロークが深く、シャクっとした押し込み感のボタン。意識して動かすような機能(アンドゥとかオールリセットとか)を割り当てると良さそうですね。

左側面のボタン

わかりやすいコントロールセンター

操作説明中にちょこちょこ出しましたが、非常にわかりやすいコントロールセンターソフトが付属します。

BluetoothもしくはUSBでTourBox Eliteを接続し、ソフトをインストール。最初はファームウェアのアップデートが行われました。

 

グラフィカルな画面で、どの形のボタンになんの機能を割り当てるのか、迷わず設定できます。

さらに、単なる「Cmd + A」ではなく、PhotoShopなら「すべて選択」など、ソフトごとのショートカットの機能名が一覧になっており、ほしい機能がすぐに見つけられました。

機能設定画面

 

アプリケーションごとにプリセットを切り替えられます。

 

初期状態ではPhotoShop、Lightroom、Premiere-Edit、Premiere-colorの4つが登録されていました。

公式のプリセット公開サイトでは、ダヴィンチ、クリスタ、Affinityなどのプリセットがユーザーによって公開されており、それをダウンロードしてインポートすることで、登録のないソフトでもラクラク設定できます!

もちろん、ゼロからあなた自身のスーパーカスタムを作るのもいいでしょう。

 

4方向に機能を割り当てられる十字キーは、覚えるまでなんの機能を割り当てたかわからなくなります。それも心配無用!なんと画面上に十字キーのモデルが出て、いまどの機能が動いているのかわかります!これは親切だ~。覚えたら非表示にもできます。

十字キーの機能は画面内に表示させることができる

 

ボタン複数押しや、ボタン+ダイヤルといった複合操作も可能。ボタンを押すと十字キーの内容が丸ごと入れ替えるなんて動作も!

組み合わせキーを使えば数十ものキー操作を詰め込めるます。キーボード操作部分をまるごと置き換えることも不可能ではありません。

 

ちなみに、初期状態ではPC起動ごとにコントロールセンターが起動し、タイトル画面がでてしまいます。接続していないと「接続してください」という画面が毎度出てきて、ちょっとジャマです。

そのときは、タスクトレイのアイコンから 設定>ポップアップを表示 をOFFにすれば表示されなくなりました。

TourBox Elite ポップアップ設定

TourBox EliteをサポートするTourMenu

一番上のボタンはカスタマイズもできますが、デフォルトでは「TourMenu」という特殊メニューを呼び出せます。

押すとマウスのポインターの位置に表示される独自メニューで、自分自身のよく使うコマンドを集めておける便利メニューセット。

ボタンに割り当てるまでもないけど、それなりによく使うんだよね・・・というコマンドがあったら、TourMenuに集めておけば、操作短縮につながりそうでです。

WTS的まとめ

熟成されたインターフェースデザイン、こだわりのボタンやダイヤル、親切なコントロールセンターがすべて揃い、「クリエイティブ系 左手デバイスの1つの完成形」と感じました。

Lightroomで使っていますが、キーボード持ち替えやマウスで小さなバーを必死で動かすことが減り、右手がだいぶラクになりました!なじむまでの時間はかなり短いです。

操作にこだわるクリエイターには、ぜひ一度試してほしい、使ってソンのない貴重なデバイスです!

コメント