ハードディスク4台をワンボックスに!USB 3.1 Gen1で高速転送できる TerraMaster D4-300 実機レビュー

どうも、太田アベル(@LandscapeSketch)です。

先日はTerraMasterのNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)をレビューしました。複数ディスクを束ねるRAID機能と、10Gbpsというコンシューマ機では最高速クラスの転送力を備えていました。

さて今日はカタチはそっくりなのですが、機能がだいぶ違うD4-300」です。

NASとの最大の違いは、D4-300は「DAS(ダイレクト・アタッチド・ストレージ)」という点。

DASはネットワーク機能は持たずUSBケーブルでPCに接続します。おおざっぱに言えば、複数ディスクを格納できるUSB外付けハードディスク・エンクロージャです。

とはいえ、単なる外付けハードディスクとは違います。通常の製品であれば1台ずつですが、D4-300は4台のディスクを格納でき、置き場所と配線が少なくてすみます。

さっそく使い勝手を見ていきましょう。

デザイン

まずはデザインを見ていきます。

PC周辺機器といえばブラックが大多数ですが、TerraMaster D4-300は明るいシルバーのメタル筐体が特徴。表面はさらっとした梨地加工がされ、やさしい雰囲気です。メタルボディなので放熱力も高そうです。

 

光が当たると白っぽく見えるほどの明るさ。

比較的大きな機材でしかも背面に排気口もあるため、棚に隠せない場合あります。そうなると机に置くわけですが、真っ黒の機材では威圧感があります。TerraMaster D4-300のシルバーカラーは、白い机でも気になりにくい、貴重な選択肢です。

 

前面に4つのドライブベイを装備。カバー部分もシルバー塗装とメッキ加飾がされ、モダンな雰囲気。家庭内はもちろん、オシャレなオフィスや店舗にもマッチしそうです。

 

HDDインジケータ、電源ランプ、電源スイッチのみのシンプルな操作パネル。

 

側面は排気口などはなくフラット。メーカー名が印刷されただけのシンプルなデザインです。ファン部分はフラットではなく、横から見るとファンの部分だけ出っ張ったような感じになっています。

 

背面はファンが2基、USB 3.1 Gen 1 Type-C 1ポート、電源ポートを装備。

 

USBポートと電源コネクタのみ。LANポートがないのでNASと見分けがつきますね。

ハードディスクの取り付け

ハードディスクを取り付けてみます。

本体前面のパネルを引き出すと、そのままトレイが出てきます。

 

ハードディスクを置き、裏から付属のネジで固定します。3.5インチでも、2.5インチでも取り付け可能です。

 

そしてまた元通りに戻せば完成!すぐにパソコンから認識されます。

 

2.5インチ用のネジ穴も用意されています。

 

ハードディスクは本体の電源を入れたままで交換できる「ホットスワップ」に対応。ディスク故障時でも、本体を止めずにディスクを交換できるので、作業が中断されません。(ただしハードディスクが壊れるとデータは消えてしまいます。バックアップはお忘れなく)

比較的大型のアダプタ

ハードディスク4台を安定動作させるため、ACアダプタは比較的大きなものがついています。

USBの転送速度

USBはUSB 3.1 Gen 1(5Gbps)に対応。最大5Gbpsで接続できます。

LANでは標準的な機器で1Gbps、ごく最近にようやっと2.5Gbpsを搭載したNASが出てきました。また2.5Gbpsを全開で使うためには、PC、ネットワークハブなどをすべて2.5Gbpsに対応する必要があり、コストは安くありません。

その点、USBならどのパソコンにも標準で装備され、長年使われている安定性と、直結ならでは高速性があります。USB 3.1 Gen 1は5Gbps。これはほとんどのパソコンのLANより数倍速いということです。

接続できるPCは1台だけという制限はあるものの、複数ディスクを超高速でアクセスしたい場合、USBは重要な選択肢となるでしょう。

超大容量の実現

現在最大容量のHDDでも1台18TBです。

もちろん家庭用としてみればとんでもない大容量なのですが、大量の動画を扱ったりすれば、すぐに足りなくなります。

通常の外付けハードディスクでは、足りなくなるともう1台接続することになります。2台、3台と増やしていくと、データをどのディスクに入れたのかわからなくなるし、配線もどんどん増え、管理の煩雑(はんざつ)さが増していきます。

 

そこでD4-300です。

18TBを4台入れれば、最大72TBもの大容量を1つのボックスで管理することできます。配線も1本なので接続もわかりやすい。(※ただしPCPC上からは4台のディスクとして認識されます)

ディスクは1台ずつ増やせますので、2TBなど小さめの容量から使い始め、いっぱいになったらディスクを付け足していく、という使い方もできます。

アクセス速度をチェック

Samsung 860 Evo SSDを使用し、アクセス速度をチェックしました。

SSDならUSB 3.1 Gen 1の限界近くの速度でアクセス可能。少し前のSSDなので書込速度が物足りない感じですが、これは単純にSSDの問題です。

 

 

TerraMaster社での試験では、エンタープライズクラスのSSDを使用した場合、読み取り420MB/s、書き込み390MB/sをマークしているとのこと。

複数台を納めるエンクロージャなので速度を心配する人もいると思いますが、まったく心配することはないと言えるでしょう。

 

ウェスタンデジタル WD RED 3TBを使用し、アクセス速度をチェックしました。こちらはもちろん標準的な外付けHDDと同等の速度です。回線にはまだまだ余裕があります。

RAID機能が欲しい場合はD5-300

D4-300は4台のHDDを組み込めますが、すべてシングルドライブ(単体動作)となります。

つまり4台入れれば、PCからは4つのドライブとして認識されます。

もし4台を仮想的に1台のドライブとして扱ったり、組み合わせて高速性や冗長性(データを複数に保存し、安全性を高める)RAID機能が欲しい場合は、D5-300などの上位機種が必要です。

WTS的まとめ

シンプルな明るいデザインで、インテリアにこだわる家庭やオフィスでも、それほど違和感を感じさせません。

USBで何台もハードディスクをつなげ、非常にめんどうになっている場合、D4-300に乗り換えれば、すっきりとまとめることができるでしょう。

ただし、4台入りますがすべて単体動作です。RAID機能はありませんので、そこだけはご注意を。

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