どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
3D映像を作りたいと思ったとき、最初にぶちあたる壁は「モデル作り」。
人物キャラクターであれ、車やイスであれ、思い描くものを作るためにはモデリング技術が必須。画面内で物体を伸ばしたり切ったりへこませたりして、理想の形を作っていくのです。
とはいえ、どんなに「カンタン」をうたうソフトであっても、それなりの練習は必要です。1日で思い通りにモデルが作れる人は、天才的なセンスを持つ人だけでしょう。
ならば現実にすでにある物体を取り込めばいい、と考えるところですが、それを実現する「3Dスキャナー」はほとんどがプロ用。100万円以上、モノによっては数千万円という高価なものばかり。
とてもではありませんが、「趣味で買ってみようかナ」とは思えない金額です。
そこに発売されたのが、今回レビューする「Revopoint POP 2 3Dスキャナー」。
わずか10万円前後※という、いままでのプロ用からすれば驚愕の低価格を実現。ホントにこの価格で物体が取り込めるのかよ!?と思わず疑いの目を向けてしまうほど。
クラウドファンディングで9200万円以上の絶大な支持を集め実現化した、個人ユーザーでも手が届く3Dスキャナーなのです!
今回メーカーから体験機をお借りすることができましたので、ちょっと使ってみましたよ!
セット内容
Revopoint POP 2 3Dスキャナーが到着しました!
箱を開けると、いきなりグレーのキャリングケースが現れます。ケース表面は合皮のような感触で、質感もいい感じ!
中にはさまざまな付属品がぎっしり!
セット内容を確認します。
- Revopoint POP 2 3Dスキャナー本体
- 電動式回転テーブル
- 三脚 / 手持ちスタンド(変形式)
- テスト用の胸像
- USBケーブル類(USB Type-A、Type-C)
- パワーバンク(バッテリー内蔵バー 4000mAh)
- スマホホルダー
- クイック取り付けキット
- キャリブレーションボード
- ポイントシール
なかなか盛りだくさんな内容です。これらすべてをコンパクトに持ち運ぶことができます。
パーツの詳細を確認
主要なパーツを確認してみます。
これがPOP 2 本体。片手サイズのちょっと重みのある棒という感じ。重さはスマホ程度です。
裏面にはUSB端子、電源ボタンがあります。
手持ちバーは開くと三脚にも。
次に黒い丸いもの。これは何かというと、なんと「回転テーブル」!
物体を手で回しながらではスキャンが不安定な上に、腕など余分な部分が入ってしまいます。この上で回転させれば、安定して360度スキャンすることができるわけです。
上の写真では忘れておりますが、回転テーブルの上にはこのボードを置きます。物体の位置をより正確に取り込むポイントボードです。
さらになんと電動式!電池もしくはUSBケーブルを接続することで自動で回転でき、さらにカンタンに取り込むこともできるのです。
スイッチを入れると静かに回ります。水が入ったコップでも大丈夫そう。
4000mAhのパワーバンクです。スマホで取り込むときの補助電源として、回転テーブルへの電源として、便利に使えます。(プレミアムセットのみ)
スマホホルダーです。バーの中間にとりつけ、スマホを見ながらスキャンができます。
POP 2の接続
さっそく使ってみましょう。
接続はカンタン。
まずは三脚にRevopoint POP 2 3Dスキャナーを固定、裏面にUSBケーブルを接続したら、もう一方をPCもしくはMacへ。(iOS、Androidにも対応)
裏面のUSBはしっかりとネジ留め式になっており、取込中に抜けて失敗しないようになっています。持って取り込む際も安心です。
とりあえずスキャナー側はこれだけで準備完了!
「3Dスキャナー」などと言われると身構えてしまいますが、POP 2はまさに誰でも間違いなくできるほどカンタンです。
もちろんこれだけでは何もできません。専用ソフトをインストールする必要があります。
専用ソフト「Revo Scan」「Revo Studio」は公式サイトから無料でダウンロード可能。Windows、Mac、Android、iOSで利用できます。
Windows 11、Macではダブルクリックしてインストーラに従うだけですんなりと完了できました。
さてでは起動!
本体のスイッチを入れUSBの接続音が聞こえたら、Revo Scanを立ち上げます。この時点ですでにスキャナーが認識されています。すんなり進んで気持ちがいい!
画面にPOP 2からの映像が出ていることを確認します。いろいろな設定をさわることなく、まずすぐに画面が見られるのは安心感があります。
実際にスキャンしてみる
いよいよ実際のスキャンです!
まずは添付の胸像を使ってみましょう。
POP2を三脚で立て、回転テーブルに胸像をセット。
最適な距離にカメラを合わせ(上に表示されています)、あとは右にある三角マークを押せば、取込開始です。じょじょにモデルが入ってきます!複雑な凹凸のある胸像ですが、かなりの精度感です。「安いからこの程度だな」という残念感はまったくありません。
その後プラモデルの飛行機に挑戦しましたが、反射が大きいのか、ディテールがしっかり捉えられませんでした。回転テーブルに乗せたり、白い背景で行ってみましたが、大まかな形しか出てきません。
物体によっては、説明にあるように反射を抑えるスプレーで下地処理をする必要がありそうです。
色つき(テクスチャ生成)も可能
公式サイトでは色つきのスキャン(テクスチャの同時取込)が可能となっています。今回は時間の都合がなくて試せませんでしたが、また機会があったら試したいところ。
美術品や考古学資料など、なかなか詳細に観察することができない物体を3Dモデル化してくれれば、学術研究にも大いに役立ちそうですね!
WTS的まとめ
ちょっと急ぎ足のレビューになってしまいましたが、なるほど、クラウドファンディングで大きな支持を集めただけあるなと感じました。
コンパクト、使い方が非常にカンタン、すぐにデータが流れてくると、全体的にお手軽スマート!直感的に使用することができました。
僕は3Dモデリングは超初心者ですが、それでも時間をかけて練習すれば、現実そっくりのモデルを短時間で生成できそうだぞ、と感じます。
モデリングが苦手な人はもちろん、時間を短縮したいプロにもおすすめできると感じます。