どうも、太田アベル(@LandscapeSketch)です。
高級&高性能キーボードの代名詞ともされている、東プレ 「RealForce(リアルフォース)」。
独特な「静電容量式」というキースイッチを使い、軽やかでしっかりとした打鍵感、打ち漏らしのない正確なキー反応など、あらゆるプロから選ばれる最強クラスのキーボードです。
私はここ15年以上RealForceのみをメインキーボードとしていて、10台以上を購入しているガチファンです。現在使っているのは、全キー荷重が35gという非常に軽い打鍵感に仕上げられた「RealForce R2 (R2TLSA-JP3-IV) 」。
手首や肘にほとんど力を入れずキーを打つことができるので、筋肉の負担が非常に軽い!実売価格28,000円という恐ろしい価格ですが、2台買って家と会社に設置しています。肩こりや腱鞘炎で医者に通うよりは安い。
前置きが長くなりました。
そんなRealForceブランドに新商品が出る!と聞き、どんな新機軸のキーボードが出るのかとわくわくして待っていたら・・・なんとマウス!
マウス!?
いきなりジャンル飛び越えすぎだろ!
そりゃ「入力機器」としてキーボードとマウスはほぼセットで語られるものではありますが、RealForceといえばキーボード。サブ商品として10キーのRealForceも存在しますが、それとてキーボードの延長。さすがにマウスを突っ込んでくるとは思わなかった。
どうやらマウスのクリックスイッチにRealForceの「静電容量式スイッチ」が採用されているらしい!RealForceガチファンからは見逃せないアイテムだ!
さっそく入手したのでレビューしていきますよ!
RealForceブランドのパッケージ
こちらがパッケージ。最新のRealForce R2キーボードとデザインを合わせていて、コレクションにも最適。(?)
本体の形をチェック
本体の形をチェックしていきます。
形状は右利き用に特化された左右非対称型。親指付近がへこんでいるくびれ型です。
大きさは「中サイズの少し大きめ」というところで、マウス全体に手のひらを置く「かぶせ持ち」でちょうど良くフィットします。(僕の手は手首から中指先端まで約17cm)
指先だけで持つ「つまみ持ち」では、少々大きく動かしづらいと思われます。また手の小さな方も、すこし大きいと感じるかもしれません。
正面から見ると、人差し指側が少し高くなる斜め型になっていることがわかります。手首が自然な形で保持され、負担が軽減されます。
クリックボタンは左、右、ホイールの3つ。そのほかにはサイドに2ボタン、上面にDPI切り替え用ボタンが1つついています。
底面にはセンサとトラッキング切り替えのスイッチ。
今まで感じたことのないソフトなクリック感
気になる使用感です。
まずはRealForceキーボードと同じという、静電容量式のクリックボタン。
これはいままで感じたことのないクリック感です!
普通のマウスのクリックをすごく細かく書くと、
- 力を入れる
- わずかな抵抗感がありスイッチが動き始める
- 最後まで抵抗感があり
- スイッチがカチッと入る(クリック)
となります。
対してRealForceマウスの場合、
- 力を入れ始めたと同時にスッとボタンが下がり始める
- 抵抗感がほとんどなくスイッチが下がっていく
- トンッと一番下に当たった感触
という感じで、最初から最後までとにかく抵抗感が少ない。人差し指に入れる力が、他社マウスの半分程度に感じます。(僕の感触なので全員がそう感じないかもしれませんが)
そして音。
マウスはカチカチとかコチコチというそれぞれのクリック音があります。安いマウスでは、パチパチというような耳障りな高音を発するものもあります。
RealForceマウスはクリック音はかなり静かです。
言葉にするのは非常にむずかしいですが、「トッ」とか「コッ」というものが近いかな?しかもあまり響かない、低い音です。
一般的なマウスで採用されているタクトスイッチやマイクロスイッチにある、押し切ったときに金属バネが動く「チッ」という音が、無くなった感じです。そのため、「コチッ」ではなく「コッ」なのです。
連打しても耳障りな音がほとんど発生しません。
集中したい場面では、隣の人が動かすマウスのカチカチカチカチという音が非常に気になったりしますが、RealForceマウスなら、周りへの迷惑度はかなり低いと思います。
また、クリック回数は5000万回まで耐えられるとされており、永く愛用したい人も安心して購入できます。
ただし、静電容量式はメインスイッチのみで、サイドボタンは通常のスイッチです。こちらは小さなカチカチという音が響きます。
チャタリングにイヤ気がさした人にも
まだ使った時間が非常に少ないので断言はできませんが、LogicoolやRazerのマウスでよく起こる「チャタリング(1回のクリックで何度も押されてしまう現象)」は、RealForceマウスならほぼ起こらないのでは、と考えています。
そもそも静電容量式は接点が接触するスイッチではなく、押し込んで電気抵抗が上がるとONと判定するもの。つまりスイッチの感度が悪いとか、グラグラして複数接触する(チャタリング)とか、接点が接触しても無反応という現象が、理論上起こりません。
これはRealForceキーボードでも証明済みです。RealForceは、使い込んだ10年前のキーボードを引っ張り出しても、チャタリングや無反応になったことがありません。
スイッチとしての信頼度が非常に高いのです。
どのメーカーのマウスも、使って1、2年でいつもチャタリングを起こしてイライラする・・・と思っている人にも、RealForceマウスは最終選択肢になりえるかもしれません。
DPI切り替えも可能
上部のスイッチではDPI(センサー解像度)を4段階に変更することが可能です。
また、DPIごとに「RealForce」のロゴの色が変わり、見た目にも楽しむことができます。
初期設定ではこちらの4段階。
- ブルー:400DPI
- グリーン:800DPI
- パープル:1600DPI
- イエロー:3200DPI
搭載されているPixArt PMW3360 センサーは、最大1200DPIもの高解像度に設定が可能。CADやイラストなど、繊細な操作を必要とするアプリケーションにも最適です。
解像度とLEDカラーは、専用ソフトによって変更が可能。DPIは100 ~ 12,000 DPI の範囲でカスタマイズ可能です。
ソールはごく普通
マウスソール(下綿の滑る樹脂)はごく普通で、可もなく不可もないすべり。
公式サイトでは、素材は「超高分子量ポリエチレン」とされています。
スイッチの感触は素晴しいが、新機軸もほしい
総じてマウスとしてのクオリティは高いと感じます。
手へのフィット感、ストッと下がる静電容量式のスイッチは、「人間の疲れを軽減させる」というRealForceキーボードのコンセプトに通じるものを感じました。
まだ数時間の使用ですが、手首の動かしやすさ、なによりクリックするたびに指の軽やかさを感じさせます。
ただ、価格が実売18,000円前後という部分に少々ひっかかります。
18,000円というと、Logicool MX Master、Microsoft Precision Mouse、(ジャンルは違いますが)Logicool G Pro、Razer Basilisk、SteelSeries Rival 650など、高機能や特殊形状、ゲーミング対応をウリにするジャンルと「同格である」と見られるでしょう。
RealForceマウスは独自の静電容量式スイッチによる負担軽減や12,000DPIの高精度トラッキングがメインであるとはわかっているものの、では他のマウスと比べてどうかといわれると、「絶対にRealForceマウスにすべき!」と言い切れる点が少ないとは感じます。
静電容量式だからどういいの?という部分がわかりづらいのです。
逆に言えば、RealForceマウスとは万人受けを狙ったものではなく、RealForceキーボードに惚れ込んでいて、東プレの静電容量方式スイッチへ絶対の信頼を置いている人へ贈られた特殊アイテムである、とも言えるかもしれません。
こんな機能があればな、と思うこと
僕はマウスのすべりに常々不満を持っていて、特にマイクロソフト製は最悪と位置づけています。すべりが悪いだけでマウスを変えるほどです。
ソールが問題ですぐに使用をやめた「Microsoft Precision Mouse」レビュー
その中で、いまでもよく使っているのがサンワサプライの「セラミックソール」を採用したマウス。(現在は完売で、継続販売はされていないようです。残念)
なんとこれ、机の上でマウスをはじくと氷の上のようにすべっていくというとんでもないシロモノで、マウスを動かす力がかなり軽い。動きが重いマウスから持ち替えると、明らかに疲れが減ります。
しかもセラミックなので超硬質。何年も(もしかしたら何十年も)すり減らず、汚れたらティッシュで拭けば、いつでも新品同様になります。
もしRealForceマウスにこのソールがついたなら、スイッチも軽く、動かす力も軽い、腕にやさしい究極のマウスになるのでは、と考えてしまいました。
WTS的まとめ
RealForceシリーズでキーボードもマウスもそろえたいなら、唯一無二の商品になるでしょう。ガチファンを誇りたいなら、ぜひとも手に入れたいところ。(笑)また、マウスのカチカチ音に悩まされているなら、素直におすすめできます。とても静か。
クリック感も非常にソフトで、今までに無い感触です。とにかく店頭にあったらさわってみてください。「まさに求めていたものだ!」と感じる人もいるはずです。
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