どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
いよいよPhotoShop for iPadが登場しました!
PhotoShopをiPadで使う日が来るなんて、まだまだ遠い未来のことだと思っていましたよね!でも本日(2019/11/05)より、配信開始しています!
直リンクはこちら>
もしくは「Adobe Creative Cloud – Adobe Inc.」のアプリを先にインストールし、その中から探せばすぐに見つかります。
使用するにはAdobe Cretive Cloud (CC)のアカウントが必要です。(たぶん有料版が必要。無課金アカウントがないので後日確認します。)
いちおう年間500万円分ぐらいデザインや印刷物を作っている(自称)プロデザイナーとして、PhotoShop for iPadがどれほど仕事に使えそうか、ちょっと探ってみます。
ファイルの読み込み、保存
まず重要となるファイルの読み込み、保存。
これはどこから読むかと言うと、
- 内蔵ストレージ
- iCloud Drive
- Adobe Creative Cloudストレージ
- OneDrive
- Google Drive
- DropBox
などなど。iPadの「ファイルApp」で取り扱える場所ならどこでもOKでした。ただ、後述するファイルの同期はAdobe Creative Cloudストレージにのみ対応しているようです。
カメラから直接撮影、もしくはカメラロールからも読み込みできます。
iPadで保存すると「クラウドドキュメント」という場所に入れられ、これはイコール「Adobe Creative Cloudストレージ」となります。
他の場所へは「書き出し」を行わないと、たぶん保存できません。その場合、レイヤー統合された1枚の画像となってしまいます。
基本的な機能はだいたい備えている
ペンでの描画、Apple Pencilでの筆圧表現、レイヤの作成/移動/削除などはすべて問題なく動いています!
イラストを描くだけなら、大きな不足はないと思われます。
200MBの大きなモックアップを開いてみましたが、見た目は正常に開けました。ただ、スマートオブジェクトやレイヤー効果がまったく動作していません!
レイヤー効果は限定的
非常に便利な「レイヤー効果」ですが、これはかなり限定的です。
レイヤーに「?」がついてしまって効果が現れないものが多いですね。また、レイヤー効果を与えようとすると「この機能はまだサポートされていません」と表示されます。
レイヤー効果、スマートフィルタはほとんど使えませんでした。
スマートオブジェクトも限定的
またスマートオブジェクトも限定的。そもそも単体レイヤとして編集もできません。
スマートオブジェクトの積み重ねで表現している作品はかなり増えているので、これはがんばって搭載してほしいところですね。
デスクトップ版PhotoShopの連携
同じ日にデスクトップ版PhotoShopもアップデートが開始され、バージョン「2020」となりました。
画面周りや機能はさほど変わらないものの、設定の同期、Photoshop for iPadとの作品の同期など、オンラインを重視した機能アップが主なようです。
保存するときにローカルとクラウド上の選択が出てきます。
同期のタイミング
クラウドを選択した場合、もしくはiPadで編集した場合、作品の保存は自動で行われます。
気になるのはこのタイミング。
例えばエクセル・オンラインなどは、複数人で同時に編集でき、同期はほぼリアルタイムで行われます。
Photoshop for iPad、Photoshop デスクトップ版では、裏側でダウンロードのみ行われ、「開いた時点」で同期になります。
つまり、同じファイルをiPad、デスクトップ版で開くと、その時点ではそれぞれ1つずつのファイルが開かれた状態になります。そしてそれぞれで編集して保存すると「競合している」となり、2つのファイルが発生してしまいました。
下の画像は同期で競合が出た場合。右下に黄色の「!」がついています。
保存やサムネイル作成もそんなに頻繁ではなく、「iPadで保存したのに、なかなかデスクトップ版で見れないなぁ・・・」という感じになることもありました。
クラウドにするということは、やっぱりすばやいレスポンスを求めたいところ。単なるファイルの連携ではなく、ひとつの”Adobeサービス”としてレスポンスが出れば、大きなメリットとなりそうです。
単なるファイル連携ならOneDriveやiCloudのほうが、今のところ速い。
仕事としてガンガン使うにはまだまだか
総合して、デスクトップ版の作業をすべてiPad版で、というのはまだまだ時間がかかりそうです。
とりあえずPSDをレイヤ構造を保ったままiPadで見る、という夢は実現できています。
ですがそれを本格的な仕事(印刷、データ入稿レベル)に使えるレベルかというと、かなり機能が足りません。そもそもレイヤー効果が動かない時点で、制限が大きすぎます。
書き出しも画像形式がPNG、JPEG、PSD、TIFFしかなく、出版用のPDF X-1/aに変換することはできません。色情報をすべて保ったPDF入稿は、この時点でムリということです。
もし現状仕事に活かすとしたら、デスクトップ版で作られた作品を、随時iPadで「確認」する、という組み合わせになるでしょう。
- デスクトップ版で作業
- アップデートしました!とLINEなどで連絡
- 確認担当がiPadで見る
- 修正指示を出す
- 1にもどる
現時点ではデスクトップ版を離れるのは無理でしょう。
希望はたくさん
でもこれはあくまで2019年11月5日の初バージョンです。
Adobeの天才プログラマたちなら、どんどんデスクトップ版に近づき、数年後には使い勝手で上回るかもしれません。
希望を持って待ちましょう!
そしてどんどん要望を出していきましょう!
WTS的まとめ
総合して仕事として使うにはまだまだ先のものになりそうです。
でもいよいよAdobeが本気でiPadにかじを切ってきた、という見方もできます。いままでパソコンがなければできなかった作品作り、デザイン作業が、iPadで完結できる日も遠くはないでしょう。
コメント