なめらかに動くアニメーションがあなたにも作れる!Moho 12で初めてのアニメに挑戦

どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。

僕は15年ほど前から「MONOmation Studio」という、小さなモノクロアニメを作るフリーソフトを配布しています。すごく荒い絵なのですが、非常にカンタンにアニメ(パラパラマンガ)が描けるので、地域のパソコン体験教室や、学校の授業などにも多く使われています。(学研の教員向け雑誌にも載りました)

変わったところでは、本職のアニメーターの人がちょっとしたアイデアを試すために使ってくれている、とメールをもらったこともあります。作品の展示館なども運営しています。

仕事と子育てで非常に忙しくなってしまい、長年アップデートできずじまいなのですが、発表2~3年はかなり人気がありました。

 

とはいえ、MONOmation Studioはパソコンの速度がものすごい遅い時代のソフトで、画像が粗い(160×120ピクセル)のでお遊び程度にしか使えません。

YouTubeで「いいね!」を集めるような、もっと高度なアニメーションを作ってみたい!と思っても、セル画調の本格アニメーションツール10万円、30万円という金額で、趣味で買うにはとても手を出せないプロ仕様のものばかりです。

そこで紹介したいのが、今回のMOHO 12(モーホー12)

カタカナになると牛の鳴き声のような変な名前ですが、そこは「まあ海外の名前ってこういうもんだよね」とスルーしましょう。

 

注目は1万円ちょっとという低価格ながら、4Kデジタル映画クラス(2160P)の映像まで出力できてしまう、本格的な機能!

なめらかでグリグリ動くアニメが、けっこうカンタンに始められ、その気になれば多数のキャラクターや背景を付け、映画レベルのクオリティで仕上げることも可能なのです!

今回はMOHO 12の基礎的な機能と、「ボーン機能(ボーンリギング)」の一部をご紹介します!

記事中の商品/サービス

なめらかなアニメーションが自分の手で作れる!画像変形やボーン機能など、本格機能満載!

作成画面

こちらがMOHO 12の基本的な画面です。

左にツール類、中央に作業場となるステージ、右にプロパティやカラー設定などがあります。そして下にはフレームを設定するタイムラインがあります。

全体的な雰囲気はVEGASのような動画編集ソフトを思わせますね。

 

しかしMOHOが動画編集ソフトとちょっと違うのは、撮影した映像をいじるのではなく、絵やベクトルオブジェクトを組み合わせ、画面表現そのもの作るということ。

サンプルを見てみましょう。

MOHOの特長とは

テレビアニメの一場面のようなサンプルです。

練習すればここまでのものがつくれるということですね!ワクワクしますね!

 

このサンプルでは女性飛行士と後ろの飛行機や景色などが、すべて別々に設置されています。

下記はそれぞれの部分のみを表示したところです。複数の画像が組み合わさって、一つの場面を表現しているのですね。

  • どの位置に飛行機を置くのか?
  • 飛行士の位置や表情、ポーズは?
  • カメラはどちらから、どのくらいの速さで動く?

などなど。すべての要素を自分で設定していきます。あなたの思い浮かべるアニメを作り上げることが可能なのです。

その気になればスタジオ ジブリ並みのセルアニメーションも作ることが可能です!(その気になれば、ですけど・・・)

 

通常のセルアニメーションは、1フレーム(1/24秒~1/60秒)ごとに少しずつ違う絵を出すことで、動いているように見せています。1/24秒なら、たった1秒に24枚もの絵が必要となるのです!

一コマ一コマ書いていたら、1時間の映像を作るのに20年ぐらいそうです。(笑)

そこも安心。MOHOは「キーフレーム」という任意のフレームに動きを割り当てれば、その間のフレームは「自動で」計算してくれ、非常になめらかに動かせるのです!

四角をぐにゃぐにゃと動かしてみる!

先ほどのサンプルはかなりの熟練者が作ったものです。なんでもまずカンタンなものを作って、まずはMOHOの使い方に慣れましょう。

画面に「シェイプツール」を使って、四角を書いてみます。このような”単体の絵”を「オブジェクト」と呼びます。

オブジェクトは選択すると、周りに〇印がついたワクが現われます。これをドラッグすると自由に形を変えられます。〇印の部分は一般的に「ハンドル」とも呼ばれます。

 

この変形をキーフレームに割り当て、アニメーションにしてみましょう!

 

まずキーフレームの先頭(1)を選び、先ほどの四角を置いておきます。

次に24フレーム目ぐらいを選びます。(フレーム数は適当でかまいません)
24の数字の部分をクリックすると、現在フレームを示す黄色の線と、小さな三角の目印が付きます。

 

四角をゆがませ、回転もしてみます。

 

準備はこれだけ!

 

次に下のプレイボタン(右を向いた三角ボタン)を押すと・・・

おおっ!四角がゆっくり変形しながら回転していきます!感動!

 

2つの形をMOHOに教えれば、その間の部分はMOHOが自動で計算し、なめらかにつないでくれるわけです。

基礎的な繰り返し

たった3ステップで基礎的な動きはできてしまいました。

例えば山を描いて、手前に自動車を置き、それぞれをゆっくり動かせば走っているように見せることができます。

単純な作業を積み重ねるだけで、ある程度凝ったアニメーションは作れてしまうということですね!

自然な画像変形やボーン(骨格)処理もできる!

MOHOの機能はこんなもので終わりではありませんよ!

例えば、一回描き終わったイラスト(静止画)をアニメーションにしてしまうことも可能です。

それには「ボーン機能(ボーンリギング)」を使います。ボーン機能は絵に仮想的な骨格を入れ、まるで関節のように動かせてしまうのです!

 

次回ボーンの使い方を詳しく書きますが、例えばよくある線人間を描き、これにボーンを追加すると・・・

 

自由にポーズが決められます!

 

もちろんキーフレームごとにポーズや位置を変えれば、線人間がなめらかに動いてくれます。おもしろいですね~!(不慣れでヘタクソすぎますが、シロウトでもこのぐらいはすぐできるという感じで大目に見てください・・・)

アニメを作りたいけど絵が・・・

アニメを作りたいと思っても、基本的に絵が必要になります。絵が描けないとMOHOは無用の長物に・・・なんてことはありません!

なんと購入者には無料でたくさんの素材を提供してくれるのです!

Windowsでは下記のインストールフォルダに素材が入っています。(c:\Program Filesにインストールした場合)

C:\Program Files\Smith Micro\Moho 12\Resources\Support\common\Library\Scenes\Backgrounds

 

キャラクターにはすでにボーンを設定してあるものもあり、とりあえず何か動かしてみることが可能です。

このキャラクターをもとに別の形や色に作り替えたり、ボーンの勉強に使うこともできますね。作り替えているうちに、自分でゼロから作れる力がつくでしょう。

 

背景素材もいくつかあります。

また、いろいろな無償イラストサイトのものを利用するのもいいですね!ただし、二次利用や加工利用を許可している作品、していない作品があります。十分注意しましょう。

CC0(シーシーゼロ)」という権利表記の作品なら、自由に加工、利用できますので一番安心です。権利を侵害しないよう、気を付けて使いましょう。

 

そしてMOHOにも慣れ、いよいよ本格的な作品を作ろうとなったときには、絵がうまい人とタッグを組んでとりかかるのもいいですね!

WTS的まとめ

比較的安価に始められ、ゆくゆくは高画質なYouTubeデビューもできるパッケージです。

すでにバージョン12まで来ているので、操作系やツールも非常に洗練されていて、使い込めばものすごく複雑な動きを自在に操れるでしょう。

コメント

  1. 山田太郎 より:

    MOHO12豚の絵のパッケージ1万ちょっとと4万ちょっとのでは解像度劣るのでしょうか?まともな解像度でムービー作るなら4万ちょっとがいいでしょうか?英語だけで日本語翻訳ないでしょうか?

  2. 太田アベル より:

    ちょっと調べてみましたが、豚の絵のDebutでもたいていの機能は使えそうです。
    ボーンリギングや、物理計算など高度な機能が省かれているようですね。

    出力はProが4Kまで対応していますが、Debutはそれ以下となるようです。たぶんFHD程度は出力できると思うので、YouTube用アニメぐらいなら十分でしょう。

    > 英語だけで日本語翻訳ないでしょうか?

    このご質問はちょっとよくわかりません。
    私の使っているMOHO 12 Proはすべて日本語で動いています。

    こちらから体験版も利用できるので、一度使ってみたほうが早いと思いますよ!

    https://www.e-frontier.com/smithmicro/moho/debut