ちょっと家庭内で24時間サーバーの実験をするために、超小型PCを買うことにしました。
家庭内で24時間365日動かすので、なるべくなら完全無音、ファンレスが望ましいところ。ファンレスならばホコリの侵入も少なく、故障の低減にも役立ちそう。
いろいろ考えて、条件はこんな感じになりました。
- 超小型
- ファンレス
- Celeron~Core i3の間で安くても快適度が高いCPU
- できればなるべく新しいもの
- 3万円以下
この条件で浮かび上がってきたのが、小型PCマニアの中でも有名なLIVAシリーズのECS LIVA Z 4 (N4200) [LIVAZ-4/32]!
さっそく買ってきましたのでレビューしますよ!
デザイン
大きさはまさに手のひらサイズ!
117 x 128 mmで、CDケースぐらいの面積です。厚さは3cmほど。
最近は「スティックPC」というUSBメモリを大きくしたような形のPCまで出ていますので極小とまでは言えませんが、デスクトップ用PCとしては十分に小さいでしょう。
スティックPCは発熱を抑えるために速度に上限があったり、USBポートが一つだけしかないなど、多目的に使うパソコンとしては制限が多すぎます。
対してLIVA ZはUSBポートが4つ、映像出力にHDMIとMini Display portが各1ポート、有線LANポートが2つと、必要十分なポートが備えられています。
ただ背面にUSBがないのがマイナスポイント。キーボードやマウスをUSBでつなごうとすると全て前面になるため、あまりスマートではありません。せめて背面に1ポートだけでも欲しい。
両サイドには排熱スリットがあります。
スペック
スペックを見ていきます。
項目 | スペック |
---|---|
CPU | Intel Pentium N4200 |
メモリ | 4GB DDR3L 最大16GB(8GB×2) |
ストレージ | 32GB eMMC |
映像出力 | 1×HDMI 1.4b 4K30Hz、1×mDP 4K60Hz |
ポート類 | USB 3.0 x3、USB 3.0 Type-C x1、有線LAN x2 |
無線LAN | 802.11ac |
BlueTooth | あり |
本体サイズ | 117 x 128 x 33 mm |
本体重量 | 約365g |
LIVA Zはベアボーンタイプなのですが、なんと32GB eMMCと4GB メモリを標準搭載していまして、あとはOSをインストールするだけという状態。
ストレージもメモリも搭載していてどこがベアボーンなんだよ!という気もしますが、便利なのでOK。
それでいて価格はたったの27,000円弱なのです!かなりお得なセットではないでしょうか。
Windowsが余っている人(?)やLinuxをインストールするつもりの人には、安価にフルスペックのPCが手に入ります。
またWindows 10までインストールされているコンプリートモデルもありまして、こちらは32,000円前後。Windows 10は単体で買うと1万円近くしますから、セットの方が断然安い。OSインストール経験がない人もこちらを買った方が無難です。
セット内容
こちらがセット内容。本体、簡易的な説明書、ACアダプタ、VASA用プレートです。
ACアダプタも小型。
Pentium N4200というCPU
搭載しているPentiumというCPUは、Celeronよりちょっと性能が良く、Core i3ほど速くはない、しっかりと使いたいライトユースにピッタリのCPU。
搭載している型番はPentium N4200でApllo Lake世代のモバイル版となります。4コア/4スレッド、2MB L2キャッシュを搭載し、ベースクロックはわずか1.1GHz。
低いベースクロックのおかげで、TDPはたったの6W!
超低消費電力で、24時間/365日動かすサーバマシンにうってつけです。エコの面からも、電気料金の面からも。発熱も少ないので小さな筐体でもファンレス駆動を可能にしています。
ターボ時は全コア2.5GHzまでクロックアップをさせることが可能です。多少重い処理でもこなすことができます。
内蔵GPUはIntel HD Graphics 505。Celeronなどに搭載している500と比べると、実行ユニットが18機となりわずかにアップ。4K出力も可能というスグレモノです。
組み立て・・・?
さっそく組み立てです。
LIVA Zはベアボーンといいつつも、標準で4GBメモリと32GB eMMCストレージが組まれています。標準部品で満足なら本体を開ける必要すらありません。が、とりあえず開けてみます。(笑)
裏ブタはネジ(#1)を4本を外すと開きます。
フタは簡単に持ち上がります。
開きました。
こちらが内部。
2本のメモリスロット(1本は装着済み)、M.2端子、無線モジュールが見えますね。
CPUやeMMCストレージは多分上面についていると思いますが、上フタはカンタンには開けられそうにないのでやめました。開けるようなスキマもなかったので、もしかしたらマザーボードごと引きぬく感じになるのかもしれません。
Windows 10インストールでいろいろ起こる
さて次はWindows 10のインストールです。
Microsoft Media Creation KitでダウンロードしたISOを、rufusでUSBメモリに焼きこみ新規インストールを開始・・・しようとするのですが、なぜかUSBから立ち上がりません。
何度やっても、USBを焼き直してもダメ。BIOSの設定をいろいろいじって、USBを起動ドライブの先頭に持ってきたりしましたが無反応・・・
ソフトが壊れてるのか、もしかして本体壊したかも・・・とちょっとあせってきましたが、ふとrufusの書き込み設定を思い出しました。
最初はMBR/GPT互換モードで書き込んでいましたが、もしかして?と考えてGPT専用モードにしてみると・・・ビンゴ!見事にインストール画面が立ち上がりました!
書き込みと設定で1時間以上ムダにしてしまった・・・お気を付けください。
あとは普通にインストールを完了させ、無事にWindows 10が使える状態になりました。
操作感、速さ
一通り動作を確認しましたが、操作はサクサク快適です!
Microsoft Officeでの事務作業や軽い写真編集などは何も問題なく、サクサクと作業可能でした。会社のクライアントPCとしてもいいんじゃないでしょうか?場所をまったく取りません。
ただ、高速SSDになれているとLIVA ZのeMMCはちょっと遅く感じます。Officeの立ち上がりや、ブラウザを多数開いたときに、一呼吸置いてから起動する感じです。HDDよりは少し速く快適ではありますが、すべてスイスイという感じではありません。
M.2スロットがあるので次回はそちらにSSDを取り付けてみたいと思います。
追記:取り付けたのでベンチマークを比較してみました。
完全に無音で動作
動作音はとても静かというか無音です。ファンもストレージにも回転部分はありませんので、一切の音は発生しません。
24時間動かす家庭用サーバーとして使うにも、いいセレクトになるんじゃないでしょうか。音で家族に迷惑をかける事はありません。
WTS的まとめ
非常に小さなボディと完全無音の動作で、ディスプレイの裏やちょっとしたスキマに入れてしまえば、存在感が全くありません。(ただし排熱には注意!サイドのスリットをふさがないように気を付けたい)M.2やメモリは軽くいじれる余地もあるので、カスタマイズ好きにもうれしい。
ちょっと変わったPCを使ってみたい人や、無音のサーバを作ってみたい人にはかなりヒビくアイテムですね。