どうも、太田アベル(@LandscapeSketch)です。
ThinkPad X1シリーズに加わった、最軽量のモデル「ThinkPad X1 Nano」をようやっと入手しましたよ!
発売直後から売り切れが発生し、注文しても「納期まで2か月」というとんでもない状態に。注文してから本気で2か月ほどがたち、注文したことすら忘れそうになりましたが、やっと手にすることができました!
いままでThinkPadシリーズでは、ThinkPad X1 Caronの1.08kgが最軽量モデルとなっていました。もちろんこれでも十分に軽く、満足して使っているファンも多くいました。もちろん僕も使っていました。
ただ、世界最軽量PCの「富士通 Lifebook UH-X」は驚異の634g、「NEC Laive PM (Pro Mobile)」は889gと、非常に軽いPCが出てきている中、ThinkPadにも「もう一声!」の軽さがほしかったところ。
それに応え、ついに1kgを切ったのが、ThinkPad X1 Nanoなのです!(ダジャレではない)
さっそく詳細レビューしてみますよ!
- 小さいが使い勝手はまさにThinkPad
- 第11世代CPUで速く反応がよい
- 打ちやすいキーボード
- 13インチだが2K解像度で非常にきめ細かな映像
- 縦に少し大きい16:10ディスプレイ
- 人感センサーで細かくロックでき、解除もカンタン
デザイン
デザインを見ていきましょう。
天板はさらっとしたマットブラックのThinkPad仕上げ。落ち着いたビジネスマシンという雰囲気。
LenovoとThinkPadのロゴはブラックアウトされていて、「X1」の文字が目立つようになっています。
非常に薄型のThinkPad X1 Carbon(Gen 9は14.9mm)よりもさらに薄い、13.87mmという極薄ボディ。まさに「ノート」というべき薄さになっています。
裏面には、CPUの真下であろう部分に小さめの吸気口があります。
底面手前左右にはスピーカー。音はなかなかの広がり。リモートワークには十分な音質。
右側面には排気口があります。電源スイッチもこちらにあります。欲を言えば、電源スイッチはキーボード上部に付けてほしかったところ。
ThinkPad最軽量の軽さ!
そして注目は、ThinkPadシリーズとしてついに1kgを切ったその軽さ!
Core i5/16GBメモリ/LTEなし/512GB SSD/IRカメラという構成で、わずか922gです。
端をつまんで軽々持ち上げられます。もちろん本体はしっかりと強度があり、こんな持ち方をしてもミシリとも言いません。
カバンに入れてもサッと取り出せる軽さと薄さ。機動力は最強でしょう。
ディスプレイ
ディスプレイはLEDバックライト付13.0型 2K IPS液晶(2160×1350ドット)を採用。
くっきりと明るく、色合いも鮮やか。このサイズに2Kの解像度なので、文字がなめらかで読みやすいのもポイントです。
非光沢タイプで周りの光が映り込みにくく、細かな描画もしっかりと見えます。外で使うことの多いモバイルPCには最適な表面処理がなされています。
また光沢タイプよりも目が疲れにくいとされていて、長時間の使用でも集中力が続きそうです。
比率は一般的な16:9のワイドサイズではなく、縦に少し大きい16:10サイズ。同じ大きさのディスプレイと比較すると、上下に広くなりエクセルが少し広く使えます。パソコンとしてはこの比率が使いやすいと感じます。
逆に映像をよく見る人は、上下のクロオビが大きくなるので、気になるかもしれません。
最近のLenovoのマシンは、ビジネスマシンもゲーミングのLegionシリーズも、この16:10サイズの採用が多くなってきています。
キーボード
キーボードがThinkPadシリーズの命、という人も多くいます。長年ビジネスで鍛えられた非常に打ちやすいキーボードです。
キーは手前側が丸くなっている独特な形で、シリンドリカル加工で表面がわずかにへこんでいて、指にフィット。スッと押し下がり、タンッとしっかりした反発があります。ノートパソコンでは最高の部類のタッチ感です。
全てのキーでカチカチというタイピング音が聞こえます。
X1 Carbonと比べると、X1 Nanoの方がわずかにストロークが短い(Carbon 1.5mm、nano 1.3mm)ようですが、言われてみればそうかもしれないと思う程度で、体感差はほとんどありません。
また反発力、押し下げの力もそれほど違わないですね。
通常の文字キーのキーピッチはおよそ19mm。
オーソドックスな配列で変則的なキーはないのですが、面積的な問題か、Enter周りでは横幅が小さくなっているキーが多くあります。最初は小指の打ち間違いが何度か発生しました。とはいえ、しばらく打てばすぐに慣れてくる範囲です。小指を大きく動かさなくてよいのは、手の小さな人には利点かもしれません。
あとはスペースキーの両側、無変換やひらがな/カタカナキーなども細長くなっています。キーの多い日本語キーボードなのでしょうがないところはありますが、スペースキー周りはけっこう窮屈ですね。ALTやCTRLを打つときは、キーボードを見ないと打ち間違えます。
カーソルキー周りは少し段を変えて作ってあり、打ち間違えは最小限です。
キーボードはバックライト付き。多少暗い場所でもしっかりと文字が認識でき、問題なく打ち込むことができます。Fn+スペースキーで明るさを2段階に変えられます。もちろんOFFも可能。
IRカメラによる顔認証
上部のカメラにはIRカメラ(赤外線カメラ)が内蔵されており、Windows Helloによる顔認証に対応しています。(※IRカメラは筆者購入時点では全グレード装備でしたが、廉価版ではオプションになる可能性もありますので、購入前にお確かめください)
電源スイッチを押したら、画面を見て待っているだけで安全なログインが完了してしまいます!手をまったく動かす必要がないので、非常に便利です。
また人感センサーも兼ねていて、ディスプレイを開けているときに前に立つと、パッと画面が点灯しログイン画面が表示されます。おもてなし感があります。(笑)
カメラには物理的なシャッターが付いています。これを閉じておけば、万が一ThinkPadが乗っ取られてカメラが起動されても、何も撮影できません。(※オプションによってはシャッターが付かない場合あり)
指紋認証
上記のIRカメラによる顔認証のほか、指紋認証でのログインも可能。もちろんWindows Helloに対応しています。
コロナウィルス蔓延防止のため、マスク装着で顔認証がやりにくくなっている2021年現在、指紋での認証はむしろ便利。家にいるときは顔認証で便利に、出先ではマスクを外さず指紋認証ができるので、非常にスマートです。
タッチパッド
タッチパッドは1プレート。サラッとしていて、指のすべりは上々。反応も問題ありません。左右の下側を押すと、左右クリックが可能です。
2本指や3本指でのジェスチャー機能も搭載。
カーソルの追従は、以前よりも精度が上がっています。ごくわずかな動きがとらえられ、操作しやすくなっています。Windows側の仕組みと、ThinkPadのハードウェアとしての精度の両方が進化しているようです。
感覚的なものなので比べるのはむずかしいのですが、MacBookの操作感に、けっこう近くなってきたと感じます。
トラックポイント
ThinkPadのトレードマークでもある、キーボードの真ん中にある赤いトラックポイント。人差し指でわずかに力を入れると、その方向にカーソルが動きます。
タッチパッドしか使ったことない人は「いまいち使いづらい」と言うことが多いのですが、ThinkPadを長年使っている人の中には「トラックポイントのためにThinkPadを買っている」という人もいます。
トラックポイントの最大の利点はキーボードのホームポジションから手を動かさなくてもマウス操作ができること。使ってみるとわかりますが、腕の動きが他のパソコンに比べて半分以下になります。
書類を作るときの操作を考えてみてください。
文字を打つ → タッチパッドを操作 → 文字を打つ → タッチパッドを操作・・・
という感じでけっこう手を動かしています。これでは手を動かすたびに思考が途切れ、集中力が途切れがちになります。
そこでトラックポイントです。
キーボードのホームポジションに手をおいたままで操作できるので、腕を一切動かさずにすべての操作が行えます。キーボードを主に使う人にとって、トラックポイントは非常に便利なデバイスなのです。
慣れると、タッチパッドへの手の移動がめんどうになってくることに気づくはずです。
ポート類
ThinkPad X1 nanoでもっとも不満点が出るとすれば拡張ポートでしょう。
ThinkPad X1 NanoはApple MacBook Airと同じように、USB Type-Cポートがたった2つになってしまいました。薄型かつ側面のデザインをくさび状に細く見せていることから、Type-Aの大きさを収めるのはむずかしいとは思いますが、それでも1つは付けてほしかったところ。
充電ポートも兼ねているため、充電中は1ポートだけになってしまいます。
USBメモリであっても、まだまだType-Aのものが非常に多く使われています。その場合、ThinkPad X1 Nanoには変換コネクタもしくはハブ経由で接続しなければなりません。
またHDMIもThunderbolt 3(Type-Cポート)からの変換接続となります。予定していなかった急なプレゼンなど、外部ディスプレイへ接続したい場面では、困ることもあるかもしれません。
デザインを重視したMacBookではなく、利便性と機動性を高い次元で両立したThinkPadシリーズとしては少々削りすぎでは、と思ってしまいます。
とはいえ、最近はBlueToothなど無線接続のものも非常に多くなり、USBポートを使うことは少なくなってきています。Type-Cが2つだけでもまったく不便を感じない人も多いことでしょう。
普段USB機器を活用している人は、ご自身の使い方を一度振り返ってみた方がよさそうです。
ポートが足りないと感じるなら、同時に拡張ドックやハブを買っておいたり、少し厚くて重くなってしまいますがThinkPad X13やThinkPad X1 Carbonなども検討すべきだと思います。
スペック
今回紹介しているモデル:ThinkPad X1 Nano Gen 1 [20UN0039JP] (ThinkPad X1 Nano Gen 1)
機能 | 詳細 |
---|---|
CPU | Intel Core i5-1140G7 |
CPUコア/スレッド数 | 4コア / 8スレッド |
ベース周波数 / ターボブースト周波数 | 1800 MHz / 4200 MHz |
メモリ | 16 GB |
メモリスロット (空きスロット) | なし |
グラフィックス | Intel Iris Xe Graphics (1 GB) |
ストレージ | 512GB MVMe SSD |
OS | Microsoft Windows 10 Professional |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.0インチ |
解像度 | 2160 x 1350ピクセル |
ポート類 | USB Type-C x2(Thunderbolt3対応) |
有線LAN | なし |
サイズ | 292.8 x 207.7 x 13.87mm |
重量 | タッチなし 907g |
WTS的まとめ
ThinkPadシリーズ最薄、最軽量は素直にすばらしい!
ThinkPadの打ちやすいキーボード、正確で手の動きが最小限になるトラックポイント、美しい2Kディスプレイをこの軽さで持ち運べるのはまさに最高です。
ただ、ポートの少なさはThinkPadとしては異例。とくにビジネスで使っている人は、普段のUSBポートの使い方を一度思い出してみた方がよさそうです。
ThinkPad X1 Nanoは、今までのThinkPadの常識にとらわれず、新しい時代に求められる理想の姿を実現してみた、先兵のようなものかもしれません。
今までThinkPadを使っていて、”とにかく軽いものに変えたい”と思っているのなら、ThinkPad X1 nanoは絶対にハズせないモデルです。
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