どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
今日はHPから販売されている一風変わったパソコン「HP Pavilion Wave 600」をレビューしますよ!
丸みのある三角錐(すい)の本体は、オシャレなグレーのファブリックで覆われ、また上部には高音質なスピーカーを内蔵しているといういままでにないコンセプト。
「四角くてゴツい真っ黒な鉄の箱」というパソコンのイメージをまったく根底から変え、しかも部屋に完全に溶け込んでしまうという離れ業を成し遂げた、おもしろいマシンだった!
不思議なカタチ
まずは形から見ていきます。
およそいままでの、どんな形のパソコンとも似ていません。丸みのある三角形をそのまま伸ばしたような三角錐(すい)です。
上には傘のように空間を開けた部分があります。
ここは熱の排出口を兼ねたスピーカー部分。
ひと昔前にソニーがこのようなカタチのスピーカーを出していまして、ソニーの名称で「サウンドレンズ」と呼んでいたのを思い出しました。一つのスピーカーの音を360度に広げるシステムだったと思います。たぶんPavilion waveも同じような効果を狙っているんでしょう。
上部にはHPのロゴがあります。
大きさは 約 174 × 169 × 259 mm 、重さは約 3 kg。
がんばれば片手でもなんとか持てるほどコンパクト。
表面処理
表面処理も注目。
パソコンといえば黒とか白とか、モノによっては赤とか青があるぐらいですが、Pavilion waveはいままで見たことがない「布張り」。
グレーの濃淡がある柄で、一点のたわみもなくピッチリと貼られています。
もちろん本物の布なので、手触りもサラサラでやわらかい感触。
何の知識もなく見れば、まったくパソコンだとは思わないでしょう。
ソファーなどに使われそうな素材です。
実はパソコン
いまさら「実は」なんていうこともないのですが、これはれっきとしたWindows パソコンです。
前面にはさりげなくUSBポートとヘッドホン端子。
裏面には拡張端子がずらっと並んでいます。
端子はピシッと一直線で、気持ちがいい。
USB3.0、USB3.1 Type-C、Displayポート、HDMI、有線LAN、カードリーダーを装備。通常使用する限りで足りなくなることはなさそうです。ディスプレイポートとHDMIでデュアルディスプレイも実現可能。
一番上が電源スイッチです。
最新のCPUを搭載していて、動作も非常にサクサク。一番下のエントリーモデルでも、インターネットを見る、写真を整理・編集する、動画を楽しむなど、あらゆることが十分にこなせます。もちろんエクセル、ワードなどのオフィスソフトも問題なし。
家庭に仕事に、この1台で対応できます。
最上位のパフォーマンスモデルになれば、グラフィックスチップ(Radeon R9 m470)を搭載し、軽いゲームから4Kのなめらかな映像再生まで余裕をもって対応できます。本体の大きさは同一なので、小さくてハイパワーなパソコンとしても検討に値します。
(今回のレビューしているモデルはスタンダードモデル Core i5-6400T / 8GBメモリ / 128GB SSD + 1TB HDD)
動作音とスピーカー
起動してみると、動作音は非常に静かです。耳を近づけると、わずかにファンとHDDのアクセス音が聞こえる程度。
そして注目の上部スピーカー。一般的なノートPCの約3倍のワット数を誇る7Wの出力、55mm口径のスピーカー。さらに本体内の空間までも利用して音を響かせるという、よく考えられているシステムです。
サウンドを担当したのは著名なプレミアムオーディオメーカー「Bang & Olufsen」。表面のUSB付近にさりげなくロゴが入っています。
音楽を鳴らしてみましたが、かなり広がりのある音です。音は指向性のある感じではなく、全体にふわ~っと広がる感じで、部屋全体に自然に流れるようなソフトな音質です。
重低音もよく出ていて、音を大きくするとかなりの音量。静かな部屋ならボリューム1/3でも十分に聴こえます。
ただ、高音はちょっと弱いかな、という感触を受けました。オーケストラを聞いてみるとバイオリンの音がいまいちソフトすぎて、鋭さが足りなく感じました。これは「全体に響かせる」という設計上、しかたのない部分かもしれません。
中~低音は良く響いて、音質はクリアです。
存在の転換
さて、Wave 600を使う上で僕が一番注目したのは、その「存在感」です。
今までは机の場所を取るだけ、というイメージだったデスクトップパソコンが、高音質のスピーカーを備えることで「スピーカーを置くこと=デスクトップパソコンの設置」を兼ね備えてしまうという、ちょっと違った意味合いを持っています。
パソコンを使いたいからしかたなく置く、のではなく、スピーカーとして設置するという発想の転換です。いい音のスピーカーなら、まあ多少大きくても仕方がないか、みたいな意識の変化が起こっています。
いまだかつてない布張りファブリック調の仕上げも、よく考えたな~と感心します。
テカテカのプラスチックや、黒い金属の箱では、どんなにがんばってもインテリアにはなりませんが、ファブリックで覆われるとびっくりするほど自然な見た目に。布で覆われた小物入れ、(言い方は悪いですが)ファブリック仕上げのゴミ箱という感じです。
部屋のどこに置いておいてもパッと見、気づかないほど自然です。インテリアに溶け込むという点で、いまのところこれ以上のパソコンはないでしょう。カメレオンレベル。
WTS的まとめ
デスクトップパソコンの存在理由を大きく変えてきた、非常におもしろいパソコンでした!スピーカーだけならまだしも、ファブリック仕上げには拍手です。無骨なパソコンというイメージを見事に払拭した、新発想のパソコンでした。
HP Pavilion Wave 600の公式サイトはこちらから!