ドスパラ GALLERIA UL7C-AA2実機レビュー | この低価格でこの高性能!Intel共同開発のゲーミングノートPC

今日はドスパラにて販売されているゲーミングノートPC「GALLERIA UL7C-AA2」を実機レビューしていきます!

このモデルで注目したいのはグラフィックチップ(通称グラボ)です。

ゲーミングPCのグラフィックチップといえば、「NVIDIA GeForce」と「AMD Radeon」のほぼ2強となっています。ここに昨年から、Core i7などのCPUで有名なインテル社が本格的に参入。Intel Arc(インテル アーク)シリーズとして出荷を開始しています。

性能はミドルクラスで十分に”使える”ものなのですが、いかんせん、まだまだ参入したばかりで知名度が低い(というか一部のマニアしか知らない)のが弱点

「Intel Arcを積んでいるから買おう!」というファンが非常に少ないのです。

 

そんなIntel Arcを採用したゲーミングPCが、今回レビューするGALLERIA UL7C-AA2

見どころはなんといっても価格!当初は18万円台での登場でしたが、やはり知名度で苦戦したのか、価格改定を繰り返してなんといまや12万円台!

Core i7-12700H、16GB DDR5メモリ、1TB SSD、そしてグラフィックにはIntel Arc A730Mを搭載して、この価格。

はっきりいってバーゲンセール状態なのです!

さっそくレビューしていきましょう!

  • 確実にお値段以上のスペック
  • 新しものずきにウケるIntel Arc A730M。もちろん実力もある。
  • 打ちやすいテンキーレスキーボード
  • FULL HD、144Hzの高リフレッシュレート液晶

スペック

今回レビューするのはUL7Cシリーズの上位機種GALLERIA UL7C-AA2です。

GALLERIA UL7C-AA2

コンポーネント スペック
CPU Core i7-12700H (14コア/20スレッド)
メモリ 16GB DDR5
ストレージ 1TB NVMe SSD
グラフィック Intel Arc A730M
OS Windows 11 Home
LAN 2.5Gb Ethernet対応LANポート
無線LAN インテル Wi-Fi 6 AX201NGW (IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n 2x2 Max2.4Gbps)
ディスプレイ 15.6インチ リフレッシュレート144Hz 非光沢フルHD 液晶
サイズ 358.3(幅) x 235(奥行き) x 22.3(高さ)mm
重量 約2.0kg

 

ちなみに、下位グレードのArc A550Mを搭載したGALLERIA UL7C-AA3驚愕の105,980円(税込)!!

最重要であるCPUとメモリはCore i7-12700H / 16GBで上位のAA2と同じ。グラボが下位グレードA550M(3050よりわずかに下)、ストレージが512GBになるだけという、これまたお得すぎる安値。CPUパワー重視なら、十分期待に応えてくれる。(価格は2023.4.15現在のもの)

Intel Arc A730Mの実力とは?

Arc A730Mは世界的に販売台数がまだまだ少ないので、必然的に評判も少数になってしまいますが、おおむねGeForce 3050~3060のあいだぐらいの評価。平均して3050 Ti程度と考えられるのではないでしょうか。(もちろんゲームによって得意、不得意がある)

下記に当サイトで計測したベンチマークも掲載しますが、新参のシリーズだからといって性能が低いわけでは決してありません。

むしろ現在の価格と比べれば、オーバースペックとも言えるほどの実力です。

まさにコスパが高い。

デザインとディスプレイ

天板デザインはGALLERIA ロゴのみの、シンプルなもの。ゲーミングPCのジャンルとしては落ち着いたデザインです。

LEDで光りまくるような”魅せる”デザインが欲しい人には物足りないかもしれませんが、仕事で使いたいと考えている人には、歓迎されるデザイン。

シンプルなデザイン

 

ディスプレイは15.6インチ リフレッシュレート144Hz 非光沢フルHD 液晶 (1920×1080ドット表示)。

高速リフレッシュレート144Hzを採用しており、マウスの動きひとつとってもなめらか。普段使いでも恩恵があります。

もちろんゲームの動きもスムーズです。チラツキやブレが少ないので、特にFPSなど高速な画面移動を伴うゲームに強い。敵の動きをしっかり視認することができるはず。

視野角は広く、だいぶ斜めから覗き込んでも、ほとんど色は変化しません。

 

天板材質はアルミ。エッジ部分がアルマイト加工されており、光が当たると青く見えます。

エッジはアルマイト加工で青く輝く

 

エッジ部分の拡大写真

 

底面はプラスチック製です。こちらには通気口が多く開けられています。

ベンチマーク

早速ベンチマークを取り、Intel Arc A730Mの実力を見てみましょう。

3DMark

ゲームベンチマークとして、ほぼ業界標準となっている3DMarkにてテストをしました。

ベンチマーク スコア
Night Raid 37878
Wild Life 36986
Wild Life Extreme 11334
Fire Strike 15438
Fire Strike Extreme 7738
Fire Strike Ultra 3910
Time Spy 6851
Time Spy Extreme 3199
Port Royal 3195
Speed Way 1171

全体的なスコアはGeForce RTX 3050よりちょっと良い感じです。ミドルクラスの画質で滑らかなプレイを楽しむことができる実力を備えています。

もちろんこの結果は、Core i7-12700Hの高性能も手伝っています。この価格で最高クラスのCPUを搭載しているのは、やはりオイシイ

レイトレーシングを使うPort Royalなども動いたのは驚きでした。動きは重いものの、たとえばゲーム画面のスクリーンショットを撮る際だけにONにすれば、より美麗な1枚が手に入るはず。

※ニューラルエンジンを使うPort Royalは、GeForceやRadeonの下位グレードでは動作すらしません。動くだけでもすごいのです。

Passmark

PassMarkでPC全体の能力を計測してみました。

ベンチマーク スコア
PassMark Rating (総合スコア) 4546
CPU Mark 26003
2D Graphics Mark 539
3D Graphics Mark 5965
Memory Mark 1699
Disk Mark 33370

総合能力はかなり高いです。グラフィック処理、動画編集、3DCGのクリエイションまで、幅広く応えてくれます。CPUスコアはデスクトップPCクラスです。

ファイナルファンタジー XV (FF15)

ファイナルファンタジー15は最新技術を多数使っており、重めのゲームです。最新技術のサポートがどのくらいあるのかを確かめることができます。

設定 スコア 快適度
フルHD / 高品質 3850 普通
フルHD / 標準品質 6231 快適

FF15はNVIDIA GeForceに最適化されている部分が多く、Arcではスコアがそんなに伸びません。

高画質ではちょっとカクつく場面があり、全体的に60fpsを割り込むところも多く見られました。標準画質なら、なめらかにプレイできそうです。

CineBench

CineBench R15

CPUとOpenGL能力を計測するCineBench R15〜R23で性能テストをしました。

テスト スコア
OpenGL 154.94 fps
CPU 2560 cb

CineBench R20

テスト スコア
CPU 5347 pts

CineBench R23

テスト スコア
CPU (マルチコア) 11569 pts
CPU (シングルコア) 1806 pts

CPUのテストはどれも非常にハイパワーです。もはやデスクトップPCと比較しても良いぐらいのスコア。

2〜3世代前のデスクトップ用Core i7とそん色ありません。シングルコアでは、デスクトップ用Core i7-11700に大きく差をつけ、圧勝します。

PCMark 10

システム全体の性能を計測するテストです。

テスト スコア
総合 6634
Essentials 9825
Productivity 7217
Digital Content Creation 11176

高度なグラフィック処理でも余裕でさばけるスコアが出ています。このコンパクトさで映像編集すらラクラクこなせるのです。

事務用パソコンでは総合が2000ポイントあれば十分と言われていますので、その3倍を超える処理能力を秘めています。あらゆる作業の反応が早く、とにかく快適です!

キーボード

キーボードは10キー(数字キー)がないショートタイプ。

 

10キーがないおかげで、キーボードの文字部分が全体的に中央にそろい、打ちやすいと感じます。筆者はデスクトップPCでも常にテンキーレスのキーボードを使っているため、こちらが好み。

10キーのスペースがないため、キーの大きさも余裕があります。

とはいえ、10キーに専用アクションを割り当てられるゲームもあるため、不足を感じる人もいるはずです。ここは好みの問題でしょう。

 

キーストロークは薄めですが、しっかりと打鍵感があります。音はパタパタといった音でやや静かめ。

キーの拡大図

キーはフラットなタイプ

 

LEDバックライトは全面で搭載され、多少暗いところでも見やすい。専用ソフトで色を変えることができます。(色は全体で1色になります)

タッチパッド

タッチパッドは1プレートタイプ。左下/右下を押し込むことで左/右クリックが可能です。タッチパッドも同色で、統一感があります。

 

複数の指でスクロールなどが行えるジェスチャー操作にも対応しています。

 

押し込んでのクリック。音は「コツコツ」といった静かめの音。

熱の感触

フルパワー状態になると本体はだんだんと熱くなってきます。熱の感触を確認してみました。

本体の後ろ側はかなり熱くなり、ディスプレイ下の排気口から熱い風がふきだしてきます。

ディスプレイヒンジ部に排気口がある(写真では影になってうまく写せませんでした)

 

ですが、キーボード面、手のひらを置くパームレスト部分は暖かい程度で、それほど不快にはならない温度でした。昔のゲーミングノートのように、熱くてさわれないほどにはなりません。(室温20℃での感覚)

ファンの騒音

内部部品が高性能なので発熱は多めだと感じます。エクセルやウェブを見る程度の作業でも、たまにファンが回っていました。とはいえ、普段使いではそれほど高回転にはならず、騒音はわずかです。また回転はすぐに収まることがほとんどで、通常は無音に近い動作です。

ゲームやベンチマーク中は全開に近いファンの音が聞こえます。「サーッ」という大きめの風切り音がずっとしていて、人によっては気になるでしょう。ヘッドホンをしてプレイするのもおすすめ。

ごく静かな図書館のような空間では、隣の人が気になるかもしれません。(図書館でゲームをやる人は想像しづらいですが)

ポート類

ポート個数はノートとして十分な数がそろっています。ポートは全て左右サイドに装備されています。

  • HDMIx1
  • USB3.2 Gen1x3
  • USB4 Type-C、Thunderbolt4兼用x1
  • 有線LAN(2.5Gbps)

USBには最新のUSB4/Thunderbolt4兼用ポートが付いているのが頼もしい。これから登場する高速なUSB4機器にもそのまま対応できます。Thunderboltを使えば、高速なプロ用の映像機器や、10GbE LANアダプターを取り付け可能です。またこのポートは映像出力にも使えます。

有線LANは採用例の多い1Gbpsではなく、速度が2.5倍となる新しい2.5Gbps LANを採用。2.5GbpsのLAN環境を整えれば、より高速で、遅延のないバトルを楽しむことができます。

WTS的まとめ

同グレードのゲーミングPCのなかで、トップクラスに低価格なマシンです!とにかくまず価格で惹かれてしまいますね!

実力がないから値引きされたわけではなく、単に知名度が低いから値引きされてしまったので、コストパフォーマンスは非常に高い。買い得感の強い機種です。

実力があるマシンがなるべく安くほしい、そんなときにはGALLERIA UL7C-AA2がいま、狙い目です。

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