どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
片手サイズのケースに65WまでのデスクトップCPUを積んでしまえるという、小さくて力持ちなベアボーンです。
さて、DeskMini 310はIntel専用ですが、最近「安くてハイパワー」と大人気のAMD Ryzenを積みたい!という人も多いはず。
僕もRyzenのパワーはかなり気になっていまして、ちょっと比較したいこともあり(後日掲載します)、DeskMiniのAMD版「DeskMini A300」を組み立ててみることにしました!
購入リストと組み立て編、一気に行きます!
準備したパーツ
まずは準備したパーツを紹介。
といっても極小のベアボーンDeskMiniなので、過激なパーツは一つもありません。極めてオーソドックスな構成です。CPUファンが挑戦といえば挑戦。なぜかは内容をご覧あれ。
パーツ | パーツイメージ | スペック |
---|---|---|
ベアボーン | ASRock DeskMini A300 | |
CPU | AMD Ryzen 5 3400G | |
CPUファン | アイネックス Intel&AMD用 薄型CPUクーラー IS-40X | |
メモリ | Team DDR4 SO-DIMM 16GB (8GB x2) | |
メインSSD | Samsung 970 EVO (NVMe 500GB MZ-V7E500BW) |
AMD Ryzen 5 3400G
CPUは執筆時点で最新のAMD Ryzen 5 3400G with Radeon RX Vega 11 Graphicsを購入。
内蔵GPUを搭載するデスクトップ用Ryzenとしては、最高グレードとなります。
欲を言えば6コア/12スレッドぐらいのグレードまでほしいですね。GPU搭載のRyzen 5 3600の登場を期待したいところ。
DeskMini A300
そしてベアボーンASRock DeskMini A300。AMD専用です。
Intel用のDeskMini 310と比較してみます。ほとんど双子のような存在で、外側からはほぼ見分けがつきません。
バックパネルのコネクタ類もほぼ同じ。
マザーボードは、当たり前ですがIntelとは全く違います。
マザーボード型番はA300M-STX。ソケットはAM4。
DeskMini 310では1本だったM.2スロットが、DeskMini A300は2本になっています。これはうれしい。
配線レスで2ドライブができますし、SATAも合わせればなんと4台ものドライブを搭載できます!M.2のRAID 0/1構築も可能!
これもA300の利点と言えます。
メモリ
メモリは容量が欲しかったので、とにかく価格で選びました。(笑)
激安で有名なTEAMのDDR4-2666MHz 8GB x2です。
Ryzen 5 3400GはDDR4-2933MHzまで対応していますが、2933は種類が少ない上にけっこう高価。体感差もそれほど、というか全く出ないので値段で選びます。
わずかなクロック差よりも16GBという容量のほうが重要。基盤が黒なのもカッコイイ。
組み立て
DeskMini A300の組み立てはカンタン。
背面のネジ4本を外し、引っ張るとマザーボードがまるごと抜けてきます。マルチコネクタケーブルを引き抜くだけで完全に取り出せます。整備性は高い。
A300には専用CPUファンが付属しますが、今回は使用しません。どうも騒音が大きいらしく、静かに運用したいサーバとしては問題ありです。
動かしていないのでどの程度の騒音かは不明ですが、昔ながらのヒートシンク+ファンの構成で、それほど熱量はさばけなさそう。低クロックのAthlonならいいかもしれませんが、Ryzenはきびしい感じ。
ちなみにRyzenにも純正ファンが付属しますが、こちらは物理的に入らず、使用不可能。
ということで別途購入したファンが「AINEX IS-40X」です。
前回同様Noctuaで統一しようと思いましたが、ちょっと別メーカーのものを使ってみたかったのでIS-40Xにしました。AMD用 Noctua NH-L9a-AM4と比較すると金額は約半額の3,400円前後。(最新価格はAmazonでチェック)
ブラケットの取替でIntelにもAMDにも使用可能。
AM4用のブラケット。
ちなみにIS-40Xの高さは45mmとなりますが、これはDeskMini A300が制限とする46mmに対し、余裕わずか1mm!!ちゃんと入るかどうか、かなり不安です。
ヒートパイプ4本を備え、冷却性能は高そう。
平たいNoctuaと比べ、ヒートパイプで少し持ち上げるような形になります。下向きに風が吹き出すので、周りのチップセットやSSDにも風が当たるといいな、とも考えました。
CPUコンタクト部分は、ヒートパイプへ直結されるむき出しの銅スプレッダ。熱の移動力も高そうです。
IS-40Xは裏から締め込むタイプになります。
CPUを搭載したら、マザーボードをベースプレートからはずし、ブラケットのネジを外します。
裏のバックプレートも外してからファンを乗せます。
ネジは4本をゆるくしめておき、対角線で全体を均等に締めていきます。
ただし、バックプレートがないのでネジのストップ位置がなく、あまり締めすぎるとマザーボードが曲がってしまいます。ネジに抵抗があり、ファン全体を持って軽くねじってみても動かないようなら、そこでOKです。
横から見てマザーボードがそっていたらネジをゆるめ、平らになるようにしましょう。曲がったままだと回路に負荷を与え、故障につながります。
あとはメモリ、SSDなどを装着し、ケースに戻します!
ギリギリ入るのか、1mmでもつっかえて入らないのか・・・!?
おおおおお!入ったーーー!
右側のプレートにわずかに接触してサリサリ言うものの、そんなにケズれるようなこともなく入りました。あと1mm右だったら入らないほどギリギリ。
上側のスキマも本当に1mmほどしかありません。ほとんどケースにくっついています。
IS-40Xを使うときは、取り付け方によっては接触するぞ、と覚えておいてください。取り付け後に微調整が必要になる可能性があります。
安全性を取るなら高さの低いNoctuaがいいかもしれません。(NH-L9a-AM4はわずか37mm)
静音性
気になる静音性。耳チェックです。
DeskMini 310 + Core i5-8400T + Noctua NH-L9iでは、耳をケースにくっつけてもわずかに風切り音が聞こえる程度で、ものすごく静かです。
1m離れればほぼ無音と言ってもいいほど静か。
対してのIS-40Xは明らかにファンの音が聞こえます。とはいえ決してうるさくはありません。
通常時は「コー」というような回転音と風切り音が混ざったような音。ベンチマークなどで高負荷になると、「シューー」というような風切り音が強くなります。質の悪いファンのように「ブーン」とうなることはありません。
音質は低音なので、音が大きくなっても耳障りではなく、1m離れれば気にしない限り耳に入ってくることもありません。
Noctuaの静けさは異常なほどですが、そこまで求めないのであればIS-40Xでも十分だと感じます。僕は音に過敏なほうですが、許容範囲です。
金額的にNoctuaの半額というのも大きい。
お手軽にRyzenパワーを得られるベアボーン!
組み立ては非常に簡単でした。
慣れればゼロ状態から20分で組み上げられるでしょう。
Ryzen 5 3400Gは4コア/8スレッド。普段遣いはもとより、軽いグラフィック処理、カジュアルなゲームプレイにも十分対応できます。
内蔵GPUも強力で、軽いゲームならストレスを感じません。
次回、注目の実験
ところでこのRyzen、実はコア電圧をいじれることをご存知でしたか?
「オーバークロックのこと?アンロックモデルだから当たり前だろ」と言いたくなるかもしれませんが、逆です。電圧を思いっきり下げられるんです!
Ryzen 5 3400Gは定格65Wですが、なんとこれを45W、35Wという低電圧に変えてしまうことができるのです!
性能落として意味あるのか?と思うかもしれませんが、あるんです。
僕は24時間 365日動かすために、なるべく電力を食わないCPUを使っているのです。現在使っているのはCore i5-8400T。定格電力は35Wです。
Ryzenが35Wにできるということは、Core i5-8400Tと同等ということに!
こ、これは比べてみたい!
次回、Ryzen 5 3400G vs Core i5-8400Tを詳細にレビューします!!
追記:Ryzen 5 3400G vs Core i5-8400Tをレビューしました!記事はこちらからどうぞ。
WTS的まとめ
Intelの供給不足で入手困難なサフィックス Tのモデル。
もしRyzenの低電圧化で同程度の消費電力になれば、常時起動マシンのCPUとして強力な選択肢になります!
さらに、35W以上にはアップできないIntelと比べ、Ryzenは35W~65Wまで用途に応じて変化できるCPUになってしまいます!
これは楽しみですよ~!
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