Bose Noise Cancelling Headphones 700 実機レビュー | しぃんとなるノイズキャンセルのすごさ!落ち着きと派手さを持つ美しい音 WH-1000XM4との比較も)

4.5

こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。

最近は仕事でかなり疲れる毎日で(苦笑)、夜のいっときの静けさを求めて本格的なノイズキャンセルヘッドホンに興味がでてきました。

カナル式、イヤホン式の普通のヘッドホンはSudioのものなどをいくつか持っているので、今回はよりノイズ低減が見込めるオーバーヘッド式で探しました。耳にすっぽりとかぶせる、大型のタイプですね。

目を付けたのはSONYの最新ヘッドホンWH-1000XM4、そしてBose Noise Cancelling Headphones 700(以下 Bose NC 700)の二つ。

ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン WH-1000XM4 : LDAC/Amazon Alexa搭載/Bluetooth/ハイレゾ 最大30時間連続再生 密閉型 マイク付 2020年モデル 360 Reality Audio認定モデル シルバー WH-1000XM4 SM

Sony WH-1000XM4

Bose Noise Cancelling Headphones 700 ワイヤレスヘッドホン ノイズキャンセリング Bluetooth 接続 マイク付 最大20時間 再生 タッチ操作 Amazon Alexa搭載 ソープストーン

Bose Noise Cancelling Headphones 700

 

WH-1000XM4は公式ストア40,000円(税込 44,000円)、Bose NC 70046,750円(税込)と、価格としてはほぼ同等。また両社とも圧倒的なノイズキャンセル性能と、音響メーカーとしての長い歴史があります。

その二つを店でいやがられるほど徹底的に試聴し、最終的にBose NC 700を買った理由とは?

製品レビューとともに比較したポイントも紹介いたします!

  • ドライヤーの音さえささやき音に近づける!強力なノイズキャンセル性能
  • メタルとプラスチックの絶妙な美しさをもつボディ
  • カラーバリエーションが豊富
  • 全域で精細ながら、高・低音ともわずかに盛ったノれる味付け

デザイン

箱がまずオシャレですね。

 

箱を開けるとキャリングケースが登場。黒くて丸くて少し平たい、愛嬌のある形。なんというか、おもちを連想させるんですよねこれ(笑)。妙に日本人の感性をくすぐります。(くすぐってない)

 

キャリングケース内には、カンタンな説明書きと共に本体が入っています。

 

左右のイヤーカップにはでっかく「L」「R」が書いてあり、わかりやすい。ときどきケース外側とか、探さないと見えないほど小さく書いてある機種がありますが、装着するときに「どっちだったかな?」と必ず回さないといけなく、めんどうです。

デザインうんぬんよりも、わかりやすく書いてあるのがいいですね。

 

今回のカラーは「ソープストーン」。直訳すると「石けん」でしょうか。
なるほど、明るい白さなのにクリーミーで暖かさを感じる良い色です。

 

光っているフレーム部分はすべて金属。塗装したプラスチックではありません。

わずかにピンク寄りの明るいカッパー(銅色)という感じでしょうか。ゴージャス感があり、非常にオシャレ!!

僕はホワイトとメタルカラーという取り合わせが非常に好みで、見た目の時点でけっこうBOSEにかたむいていたことを白状いたします。(笑)

 

女性はもちろん、男性が持っていても違和感はないですね。・・・僕の場合はどうなのかわかりませんけど。

 

ヘッドホンの伸縮ですが、金属のフレームは動かず、イヤーカップだけが動きます。しかもつなぎ目というか、レール部分は最大に伸ばしても全く見えません。イヤーカップが磁石でくっついているかのように見えます。デザインが崩れないのがいいですね~。

 

もちろん、決めた位置でしっかりと止まります。長さは5cmほど動きます。頭の小さな人も、大きめの人も、難なくあわせられそう。

 

ちょっと気になったのはヘッドバンドのクッション。(頭に当たる部分ですね)

表皮が人口皮革と言うよりはシリコンっぽく、見た目はさらっとしてとても美しいのですが、ちょっとすべります。髪の毛の質にもよるかもしれませんが、パッと顔の向きを変えると少し動いてしまうときがあるほど。

ヘッドバンギングしながらパンク・ロックなどを聴く人は、ズリ落ちてくる可能性も少しあり。ここが唯一の欠点でしょうか。

 

WH-1000XM4はブラックとプラチナシルバーという2色で、どちらも全体が1色でまとめられています。選ぶならプラチナシルバーだなと思って手に取ったのですが、表情のないマット塗装で、どうにもプラスチック感が強い。シルバーというよりはサンドゴールドっぽい。

さらっとして重厚感のある手触りなのですが、もうちょっと別のカラーがほしかった。(追記:最近ホワイトも追加されました

まあここは好みです。

ノイズキャンセル性能と音作り

さて音です。

この後いろいろ機能もレビューしていきますが、ヘッドホンなんですから良い音が出ればそれでいいわけで。

まずノイズキャンセル性能を試していきます。

Bose NC 700のノイズキャンセル性能、これは前モデルの「QuietComfort 35 wireless headphones II」を完全に超えました。QuietComfort 35 wireless headphones IIでは最大レベルにしても、騒がしい店内や鋭い音、工事のような大きな音は軽く小さくなる程度でした。

それがBose NC 700では最大のレベル10にすると、ドライヤーにかなり近づいても「コー」という小さな音になってしまいます。スターバックスのような静かめの店内なら、雑音はほぼ消え失せます。家電店の騒がしい店内でも、店内放送などかなり大きめの音が軽く入ってくるぐらい。実用十分でしょう。

装着しスイッチを入れると、電源ONのジングル(ジャン!という音)が鳴り、直後にフッと部屋の雑音が消えます。これは感動。

 

ただ、すごいな!と感動したのもつかの間、SonyのWH-1000XM4はさらにこの上をいきました。

同じ店内なのに、まるで無響音室に入ったかのような、恐ろしい静けさ。突然耳を手でふさがれたかのような、誰もいない惑星に降り立ったかのような無音です。なんじゃこれは!

Bose NC 700でもノイズキャンセル性能は十分だと思いますが、限りなく無音を求めるならWH-1000XM4のほうがすごい

 

次に音楽を聴いてみますと、ここでも明確に違います。

音作りの好みは完全にBose NC 700でした。詳細なのにメリハリがしっかり出ていて、よどみなくスーッと伸びきる高音、迫力と深みのある低音はまさにBoseサウンド!味付けはされているのに、それと感じさせない良バランスです。

ロック、ドラムンベース、POPS、アコースティックギター、ジャズ、クラシック、どのジャンルでも「ああこれ!この音を聴きたかった!」と言いたくなる、透明感と絶妙なアタックがある音です。

店員の迷惑そうな視線をものともせず、10分ぐらい聞き込んでしまいました。BlueToothだということを忘れるほどの美しさです。

 

対してWH-1000XM4。Bose NC 700の後で聞くとまるでスピーカーと耳の間に1枚膜が入ったかのように、全体のエッジ感がありません。やさしい音、フラットな音という表現もあるでしょうが、僕はステージとの間に薄いカーテンを引かれてしまったかのように感じました。

この傾向は音を大きくしても、あえてイコライザで引っぱってみても変わらず、イマイチ好きな音になりません。これがSony WH-1000XM4のキャラクターなのでしょう。

 

BlueToothという同じデジタルデータを音に変換していることに変わりはないのに、大きな違いに素直に驚きました。

もちろん、10人いれば5対5の評価に分かれる可能性も高いでしょう。「おまえの耳は誇張された音に慣れすぎているんだ。Sonyの繊細な音が聞き分けられていない!」という指摘も覚悟の上です。

それでも僕の好みは100 対 0でBose NC 700でした。

多彩なタッチ操作が可能!本体だけでいろいろできる

機能の詳細にいきましょう。デザインはシンプルでありながら、かなり凝った機能を搭載しています。

タッチができる右イヤーカップ

右のイヤーカップはなんとタッチ操作を搭載!ケース外側をスマホのように指でスワイプすると、以下の操作ができるのです。

  • 1タップで再生/停止
  • 中央から前にスワイプで曲送り
  • 前から後ろにスワイプで曲戻し
  • 長押しでバッテリーの残り時間を音声で
  • 下から上にスワイプで音量UP
  • 上から下にスワイプで音量DOWN

と、表面的なボタンはないのに実に多彩な操作を実現しています。

 

目で見ずにスワイプするので最初はうまく曲送りができませんでしたが、5回ぐらいで確実にできるようになりました。けっこう正確でツカエル。

音量調節が非常に便利!曲ごとに音量はバラツキがありますが、わざわざスマホに持ち替えなくても、シュッとヘッドホンをスワイプすれば調節できます。これいい!

また、物理的なボタンは電源ボタン兼BlueToothの接続、ノイズリダクションレベルの調整(左)、音声アシスタントの呼び出し(右)となっています。

音声アシスタントはAmazon アレクサ、Googleアシスタント、Apple Siriに対応。まあ十分です。

ただ、これに向かってしゃべっていると、絵面的には完全に空中に向かって独り言を言っている人になってしまい、ちょっと外では使いにくいかな。

 

充電はUSB Type-Cポート。最新コネクタがうれしい。

専用アプリを入れる

専用アプリはなぜか2種類あり、しかもやれることが微妙にカブっているという妙な構成。こういうのやめてほしい。

「Bose Connect」ではもちろん接続を担当し、周辺の製品を探して、下記のような画面になれば、下にひっぱって接続が完了します。ここまではスマート。しかし接続した直後に、もうひとつのアプリ「Bose Music」を呼び出すという謎仕様。必要か?この儀式。

 

またヘッドホン登録時も、iPhone標準のBlueTooth設定で登録するのと、アプリから登録するのではなぜか別名で2つ(!!)登録される。混乱します。

接続は標準のBlueToothではなくBose Connectで接続した方がいいです。標準登録したものは認識されず、追加で登録しようとしてきます。

 

接続後も、何度も同じような確認(「接続しますか?」みたいなメッセージ)が出るなど、いまいちスマートさに欠けます。さらに「接続」と出ているのに、そこを押すと「Uh-oh 製品との接続に問題があります」というこれまた謎の画面に・・・

すでに接続して音楽も聞こえてるって!問題があるのはおまえだ。

接続に問題?いや、音楽聞こえてますけど・・・

 

Air Podsのように、ケースのフタを開ければ接続!みたいな体験を望みたい。もちろんApple W1を使っていないのでできないのは承知の上ですが、それにしても登録でひっかかりすぎる。

せっかく良い機器なのですから、ソフトも気を使ってほしいところ。とりあえずまず、分かれている2つのアプリを1つにしてください。話はそれからだ。

 

設定画面は項目がシンプルに並び、扱いやすい。イコライザーはDance、Acousticなどかなり数のプリセットがあります。僕はいろいろなジャンルを聴くので、イコライザーは基本的にOFFです。

とっても満足!

総合評価としては、製品自体はとっっっても満足!毎日使いたくなる音です。

ただ、アプリは不満多し。接続に関して問題が多すぎる。

一回接続すれば問題ないのですが、最初の接続と、なぜか2つのアプリがある意味がわからず、何回もやり直すことになりました。ワクワク感をかなりそぎ落としています。

 

音質は近年いろいろ試しているヘッドホンの中で、一番透明感があり、あらゆるジャンルの音をもっとも好みに鳴らしてくれました。

公式定価46,750円という気軽には手が出せない金額ではありますが、なんか一気にモトをとったような気分になっています!(来月からお支払いがやってきますが・・・)

WTS的まとめ

いやー、やっぱりBoseでしたね。僕はBoseサウンドが好き、今回はこれがとてもよく分かりました。

思い出せば、十数年前にBose Wave Radioで感動したのが最初。でも当時はお金がなくて遠い遠い存在だったのです。

40代になり、ようやっと自分だけで楽しめるBoseサウンドを手に入れられました!これから毎日使っていこうと思います!

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