こんにちは、太田アベル(@LandscapeSketch)です。
有線LANのスピードは、10年ほど前から1Gbps(1000Mb/s)で進化が止まっています。
1Gbpsとは1G Bit par secondのことですので、単位をByteに直すと125M Byte par secondとなります。
現在、SSDなら安いコンシューマ製品でもシーケンシャル読み込み500MBpsを超え、5Gbpsの光インターネットも普及期に入り、50GB超のゲームや1GBの動画データをネットでやりとりするのが普通となった現在、1Gbpsという速度はどうにも役不足となっています。
もちろんデータセンターやサーバーなどではそれ以上の速度のLANはいくらでも存在しますが、一般個人が「ちょっと買ってみようか」と思える金額ではありません。(数十~数百万円)
そこで、いま密かに人気が出てきているのが「2.5Gbps」という速度。このちょっと中途ハンパに思えるLANの速度が、じわじわと浸透してきているのです。
今日はなぜ2.5Gbpsなのかを考えつつ、わずか6,000円前後で手軽に2.5Gbps接続が実現できるUSBアダプタ「ASUSTOR AS-U2.5G2」をレビューしていきます!
- 接続すればドライバ不要ですぐに使える(Windows 10)
- 最大2.5Gbps(2500Mbps)の高速通信
- 6,000円前後の手頃な価格
- 同社のNASでも検証された高い信頼性
なぜ2.5Gbpsが人気なのか?
冒頭に書いたように、1Gbpsというのはもはや完全にボトルネックとなっています。
現在ではPC単体で動くことなどほぼなく、常時ネットワーク接続がアタリマエ。家庭用光回線も2Gbpsを超えるタイプも出てきてます(NURO 光など)。
4KのYouTubeやAmazon プライム動画など、大きな動画を家族で受信することも日常化しており、1Gbpsでは完全に限界にきています。
もちろんLAN自体は進化が止まっていたわけではなく、10Gbpsなど超高速スピードを実現するシステムはいくつも出てきてはいます。しかし特殊なコネクタ、ケーブル、ハブを揃えなければならず、一式揃えれば20万円、30万円と非常に高価でした。「動画が快適になるよ」という理由だけで、奥様の了承が得られる金額ではありません。(笑)
そのなかで、じわじわと対応機種を増やしているが、「2.5Gbps」の速度。
なぜこんなハンパな速度が?と思いますが、いくつかの複合的要素で選ばれているのではと感じています。
まず夢の(?)超高速となる10Gbps。(10GbE)
10GbEを実現するには、現在でもSFPトランシーバなど特殊な機材が必要になることが多いです。従来のRJ45コネクタでも実現できる装置も少し出ていますが、安定して通信させるには結局装置からケーブルまで厳選する必要があり、低価格ではありません。
5Gbpsは価格が下がってきていますが、安定動作にはカテゴリ6A以上で10Gbps対応をうたうケーブルでなければなりません。場合によっては配線のやり直しが必要です。
その点2.5Gbpsなら、ケーブルは広く普及しているカテゴリ5e以上とされ、既存の設備がそのまま流用できる可能性が高いです。(ケーブルのノイズ耐性にもよる。ただしハブは2.5Gbps以上のものでなければ、1Gbpsになってしまいます。)
もう一つ重要なのがUSBの速度。
一般的なPCに登載されている、USB 3.0コネクタの理論最大値は5Gbpsとなっています。(現在は改称されUSB 3.2 Gen 1)
つまり、たとえ5Gbpsや10Gbpsなどを実現できるUSBアダプタがあっても、今度はUSB側がボトルネックとなり最大速度が出せません。5Gbps以上のアダプタは、ほとんどがThunderbolt3対応となってることからもわかります。
その点、2.5GbpsならUSB 3.0(USB 3.2 Gen 1)にとって余裕があります。
- 全開速度が出るか出ないかわからない5Gbpsで、アダプタが15,000円。
- 確実に全開速度の出る2.5Gbpsで、アダプタが6,000円(ASUSTOR AS-U2.5G2)。
この比較となれば、2.5Gbpsを選ぶ人も多くなるのは必然です。
ASUSTOR AS-U2.5G2
さてではASUSTOR AS-U2.5G2の外観を見ていきます。
長さは10cmほどで、細身のアダプタです。
コネクタはUSB Type-Cを採用。
Type-Aへの変換コネクタも付属します。
LANコネクタは一般的なRJ45タイプ。真っ赤なコネクタが、速さを主張しています。
速度試験
それでは一体どれほどの違いが出るのか、テストしていきましょう。
今回はRyzen 7 3700X / 32GBメモリ / M.2 SSD(Samsung 980 pro)を搭載した高速マシンにASUSTOR AS-U2.5G2を取り付けたものと、アダプタと同じメーカーASUSTORのNAS「Lockerstor 4」にSSDをRAID 6で組み、検証します。
検証機
パーツ | スペック |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 3700X |
RAM | 32GB DDR4-3200 |
ストレージ | Samsung 980 pro (最大シーケンシャルリード 6900MB/s、最大シーケンシャルライト 5000MB/s) |
ASUSTOR NAS Lockerstor 4
機能 | スペック |
---|---|
CPU | Intel Quad-Core Celeron J4125 |
RAM | 4GB DDR4-2400 SO-DIMM |
ストレージ | 500GB SSD x4(RAID 6) |
LANポート | 2.5GbE x2 |
iSCSIにて接続し、CrystalDiskMarkにて検証しました。
シーケンシャルアクセス、ランダムアクセスとも、ネットワークアクセスのNASだと言うことを感じさせないほど、高速です。
1GiBの転送、4GiBの転送でも大きな差は見られません。1GbpsのLANでは平均シーケンシャルリードが100MB/sとなりますので、2~3倍の速度を実現できています!
Adobe Lightroomなどで大量の写真を管理する場合、応答性が良くなり、作業効率がアップしたと感じます。
もちろんこれ以上の速度が出るのなら、より高速なアダプタを入手したいところですが、2.5Gbpsでも十分に体感できるほどの違いがわかりました。
手頃な投資で手に入れられる高速通信環境として、かなりコストパフォーマンスに優れています。
スペック
ASUSTOR AS-U2.5G2のスペックです。
機能 | スペック |
---|---|
USB | USB3.2 Gen1 Type-C (USB-C to A アダプタ付属) |
ネットワークコントローラ | RTL8156B |
データ転送速度 | 最大2.5 Gbps(1000/100Mbpsとの互換性あり) |
ネットワークオペレーションモード | 全二重 |
サイズ | 16.4 (H) x 23.4 (W) x 195.2 (D) mm |
重量 | 33g |
WTS的まとめ
かなり高額でなかなか手を出せない10Gbpsに対して、手頃な価格で速さを体感できる2.5Gbpsは、かなり良い選択肢です。
しかもPCIeボードの増設など、マシンを選ぶ機材ではなく、ASUTOR AS-U2.5G2はUSB3.0でワンタッチで接続できますから、ノートPCでも気軽に増設できます。
2.5GbpsのNASやサーバーを購入したら、検討してみてはいかがでしょうか。
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