各社から発売しているトラックボールを多数購入し、比較レビューする企画「トラックボール大比較」です!
トラックボールとは、指でボールを回すことでマウスカーソルを移動させる装置です。マウスのように腕や手首を動かさないので、手首の痛みに悩まされる人などが選択しています。
ただ、メーカーごとに形や大きさがまったく違い、一体どれが自分に合っているのか、判断するのは容易ではありません。
当サイトではあらゆるメーカーのトラックボールを買い集め、一人の人間が平行して使用することで、あなたにピッタリのトラックボールを見つけ出すための手助けとなるレビューを目指しています。
さて今回購入したのは、サンワサプライ社から販売されている「400-MA073BK 親指トラックボール」。
大きく手のひらを支えるゆったりしたサイズと、6ボタンを搭載しさまざまな機能を割り当てられるのが特徴。
ホイールがチルト(横移動)にも対応しており、上下左右のスクロールがラクなのもうれしい機能です。
2.4GHz USBアダプタでの接続に対応し、ケーブルなしですっきりした接続です。
さっそくレビューをしていきましょう。
筆者の手のサイズ詳細
参考までに、筆者の手の形と大きさを提示します。
性別:男性。指は細め。手首(付け根の1本目の線)から中指の先まで18.2cm。手のひらの厚みは中指の骨の部分で約3cm。
指の長さ(爪の先から手のひらの付け根部分まで)は、親指・・・約6.2cm、人差し指・・・約7.8cm、中指・・・約8.5cm、薬指・・・7.8cm、小指・・・6.7cm。
トラックボール 操作タイプ
トラックボールには大きく分類して3つの操作タイプがあります。
- 親指ボールタイプ・・・このタイプはクリックボタンがマウスと同じような形になるため、マウスからの乗り換えがスムーズです。ただ、親指でのボール操作は微細な操作がやりにくい場合があります。
- 人差し指ボールタイプ・・・このタイプはボールがやや大きなものが多く、親指よりも微細な操作がしやすいのが特長です。ただ、クリックボタンやホイールが親指操作になるので、マウスから乗り換えは慣れるまで少し時間がかかります。
- 特殊タイプ・・・上記2つに分類しにくいものをまとめています。かなり大きなボールを複数の指で使ったり、ひねり回転を使ったりと、斬新な操作になります。マウスからの乗り換えにはかなり慣れが必要ですが、慣れると手放せなくなる操作感です。
400-MA073BK 親指トラックボールは「親指タイプ」になります。
形のチェック
形状をチェックしていきましょう。
右にゆるやかに傾斜したエルゴノミクスなデザイン。トラックボールの中では比較的大型のサイズになります。
こちらは正面から。
小指に向かってゆるやかな傾斜がつけられているのがわかります。薬指、小指部分には指の形にへこみがつけられ、収まりがよい。
右側から。
薬指と小指用の形状がしっかりとつけられているのがわかります。
後ろから。
手のひら全体を預ける感じで、平たい形状です。
左側から。
トラックボールは操作しやすい高さになっています。人差し指部分のボタンの形がわかるでしょうか。
手を乗せてみます。
ゆったりと手のひらを預けるような感触で、力を入れずに操作することができます。手首は、自然にテーブルにふわっと置いた形になります。
平たいマウスで手首をグイグイとひねりながら使っていた人は、自然な形にむずがゆささえ覚えるかもしれません。
親指はちょうどボールの頂点に来て、どの方向にも回しやすいですね。
人差し指部分にある特殊機能ボタンは、押しやすい位置にあります。ボタンは誤って押されないよう、少し固めです。
標準では 前:カウント切替、中:進む、後ろ:戻る が割り当てられています。
専用ソフトでさまざまな機能を割り当てることができます。ただし前ボタンはカウント切替専用です。
特殊ボタンは意識して人差し指を曲げないと押せない位置にあります。無意識に押してしまうことはなさそうです。
またボタンの形状もそれぞれ変わっており、どのボタンに触れているのか、感触だけでわかります。
ボール回転のチェック
最も重要なボールの回転をチェックします。
回転のスムーズさはABC段階で「」です。
レビュー品 | ランク | 説明 |
---|---|---|
A | 非常にスムーズ。すべるように動き、軽い力でスイスイと操作できる。指が疲れない。ただ軽すぎて触れているだけでカーソルが動いてしまう場合がある。 | |
B | 普通のスムーズさ。わずかに抵抗感を感じ、Aよりは重さを感じるが、指が疲れるほどではない。Aよりもピタッと止めることができるので、こちらの方が好みの人も多い。 | |
C | スムーズではない。抵抗感を感じ、長時間使っていると指の疲れを感じる場合がある。指の力が強い人向け。 |
ボールは人工ルビー支持タイプで軽い力で動きますが、わずかにザラッした感触があり、軽い抵抗を感じます。回転のスムーズさはABC段階で「A-」です。
回転時はサッといった軽い回転音が聞こえます。
ボールを強めにはじくと2~3回転し、ウルトラワイド画面でも端から端までカーソルを飛ばすことができました。
ホイールはチルト対応
ホイールはちょうど良い力で回せます。
左右に倒して横スクロールが可能なチルト機能に対応しています。エクセルなどのスクロールが便利になります。
ただ、ホイールのフチ付近を回転させると、指の重さでチルトがカチッと入ってしまうことがありました。なるべく中央部分で回転させた方がよさそうです。。
ボールのチェック
ボールはおよそ34mm。標準的な大きさです。
ボールは下の穴から押せば簡単に取り外せ、ボールや支持部を掃除できます。
専用アプリケーション
ボタンの機能はサンワサプライの専用ドライバにてさまざまな機能を割り当てることが可能です。
接続方式は2.4GHz USB
当モデルは2.4GHz接続に対応。接続はUSBアダプタを使います。アダプタは底面に入っています。有線タイプと同じ条件となるため、UEFI(BIOS)設定時も利用できます。
USBアダプタは非常に小型です。ノートPCに挿しっぱなしでもそれほどジャマになりません。ただ、無くさないように注意したいですね。(無くすと単体購入ができません)
無線の反応について
停止状態からボールを動かして、すぐに反応します。10分放置しておいたあとは1~2秒ほどのスリープラグ(スリープ状態から反応するまでの空白時間)があります。
使用中に気になるような途切れは感じませんでした。
乾電池式で取り替え簡単
バッテリーは単三形乾電池1本。
いつでも手軽に購入できるので、急な電池切れでも安心です。
非常に省電力で、電池1本で連続作動時間/約500時間、使用可能日数/約8ヶ月間とされています。(※公称値 一日8時間パソコンを使用中に、トラックボール操作を2時間程度行う場合。(アルカリ単三乾電池使用時) )
WTS的まとめ
カタチが似ているので、Logicool M575などと比較される機種です。
400-MA073のほうが薬指、小指のサポートがしっかりしていたり、カウント切替ボタンやチルトホイールが装備されていることから、使いやすいと感じます。ボールの回転もM575よりスムーズです。
ゆったりとかぶせるタイプの親指トラックボールを探していたら、第1候補に挙げても良いと感じました。
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