モバイルディスプレイは多くの機種が販売されているものの、”使いやすい”と言えるものはなかなか少ないのが現状。
スイッチ類が操作しにくい、USB接続が不安定で映像が乱れる、ケースがスタンドになっているがすぐに倒れる、画面の色あいが浅くて見づらい・・・などなど。筆者が出会ったものだけでもこれぐらいはすぐに並べ立てられます。
そんな中で、テックウインドが扱うモバイルディスプレイは、少しでも使い勝手を良くしようと毎回いろいろ考えられています。
以前にレビューした「On-Lap M505E」は裏側に折りたたみ式の足があり、単体で安定して立つことができ、とても便利でした。
ただし、この丈夫な足のおかげでいくぶん重くなってしまったのが玉にキズ。本体のみで1kg近い重量があり、毎日持ち運ぶのは悩むところでした。
さてそれを踏まえ、今回レビューするのはテックウインドから発売された新モデル「On-Lap M161H」。
M505Eに比べ大幅に軽量化され、さらに画面サイズは16.1インチに大型化!しかもスリムベゼル化でサイズはほぼ変わらず、使い勝手が高まっています。メーカーより体験機を提供いただきましたので、細かくレビューしていきます!
- モバイルディスプレイでは大きな16.1インチ
- 7mmのスリムベゼルでコンパクトに
- 本体は784gに軽量化、スリム化
- USB Type-C 1本の接続に対応
- VESAスタンドも接続可能
(※重量は公称)
ディスプレイデザインのチェック
さて到着しました!On-Lap M161Hです。シンプルなダンボールで到着。
梱包やクッションは丁寧です。
新型On-Lap M161Hと、旧型On-Lap M505Eを見比べて、進化のポイントを見ていきましょう。
まず気づくのは、ディスプレイサイズが15.6 → 16.1インチへと大きくなったのに、M161Hのほうがコンパクトになっていることでしょう。四方のベゼル幅が全てスリム化されているのです。
一番スリムになったのは下側ベゼル。M505Eにくらべ1/2ほどに縮小されています。ノートPCの画面の高さとも近くなり、目線の移動もラクになりました。
そして後ろ側。
On-Lap M505Eでは丈夫で幅広な折りたたみ式のスタンドがあり、そこに端子が接続できるようになっていました。配線もきれいにまとまり、ぐらつきはまったく感じないほど丈夫です。
ですが、厚みは1cmほどあり、スタンド部分だけでも重さはけっこうあります。折りたたんだときの厚さ、重さともに、持ち運びに関してはデメリットとなってしまっています。
対してOn-Lap M161Hでは、スタンドが小さなプラスチック製のヒンジに改められました。背面に差し込まれているだけで、重さもわずかです。かなり大胆な変更となっています。
端子類は本体裏側に縦向きに差し込むように変更されました。端子が横に広がらないので、PCと並べるときにジャマになりません。
コネクタは以下の4つ。
- 3.5mm ヘッドホンポート
- 映像用 Type-Cポート
- 給電DC専用 Type-Cポート
- HDMIポート
サイドにはメニューボタンや音量ボタンがあります。
大幅な軽量化
持ってすぐにわかるほどOn-Lap M161Hは軽くなっています。公称値は784gとされています。
実際に計量してみました。(軽量は本体のみ。ケーブルは含みません。)
On-Lap M161H(レビュー品) | On-Lap M505E(旧型) |
763g | 1028g |
筆者に届いたM161Hは公称値よりもさらに20gほど軽く、ME505との差はなんと265g!小さなペットボトル1本分ほどの重さが削減されています。
持ち上げると重量感がまったく違います。M161Hはこのサイズながら、スッと持ち上がります。持ち運びは非常にラクになりました。
画質チェック
画質をチェックしていきます。
ディスプレイは16.1インチワイド、解像度はFULL HD(1920×1080)、リフレッシュレート60Hzとなっています。表面はノングレア処理がされており、屋外や蛍光灯の下でも光の映り込みはソフトで、文字は問題なく読み取れます。
公称値ではNTSC 72%サポート、270ニトの明るさ、1000:1の高コントラストとなっています。電力が限られるモバイルディスプレイとしては、かなりがんばっている性能です。
MacBook Pro(16インチ)と並べてみました。10億色表示対応のMacBook Proと比べるのは酷かもしれませんが、On-Lap M161Hは赤みが少し派手(マゼンタ寄り)に感じます。筆者の目で気づくのはその程度。
単体で見ればまったく気にならない差です。むしろMacBook Proと比べてほとんど差を感じないというのはすごいことです。(※差は筆者の個人的感覚になります。)
旧M505Eと並べてみました。同じMacBook Proから出力しています。設定は工場デフォルトです。
M505Eは赤色が少し弱く、オレンジっぽく沈んだ色に表現されてしまいました。また青色の表現もメリハリが少し弱く感じます。これはMacBook Proとは大きく色味が違います。
On-Lap M161Hの発色はかなり進化していると言えるでしょう。
スタンドの使い方
On-Lap M161Hのスタンドは、大きく2種類の使い方があります。
まずはそのまま折り曲げる方式。手間が少なく、およそ30度~水平まで無段階に調節が可能です。ヒンジは多少固いものの、かなり寝かせた角度にしても、勝手にに”ペタン”とつぶれることなく、しっかり支えています。
もう一つはボタンを押しながら引き抜き、逆向きから差しこみ、そして曲げるという手順。一手間かかりますが、ほぼ垂直に立てることができます。
この垂直の状態でもグラつくことはまったくありません。展示会場などで見やすそうです。
とはいえ前向きの揺れには弱いので、置き場所や机の安定性には注意したい。
スピーカーは非搭載となった
On-Lap M505Eはスタンド部分にスピーカーが入っており、単体でも音を鳴らすことができました。On-Lap M161Hはスピーカーが非搭載となりました。
とはいえ、M505Eのスピーカーは必要最低限の音といったところで、オンライン会議程度ならまだしも、映画を見るにはもの足りないものでした。筆者としてはそれほど困ることはないな、と思っています。
またモバイルディスプレイを使うときはたいていPCもそばにあるので、音はPCから出せば、それほど違和感なく試聴することができます。
USB 1本での接続
On-Lap M161HはUSB Type-C 1本だけでの接続が可能です。(ただし、USB Type-Cで映像と電力を送ることができる機種に限ります。)
たとえばMacBook Proは1本のみの接続に対応しています。アダプターや複数本のケーブルを持ち運ばなくて良いので、荷物を削減できます。
付属品のチェック
ディスプレイ本体以外の付属品をチェックしていきましょう。
- HDMI-A ビデオケーブル*1
- USB Type-C to Type-C ビデオケーブル*1
- USB-A – USB-C 電源ケーブル*1
- 5V 2A 電源アダプター*1
- 収納ケース(16A4)*1
USBケーブルは2種類付属します。
1本はType-Cが両端に付いたもの。これはType-C 1本で電力も映像も出力できるPC用です。
もう1本はUSB AからType-Cに変換するケーブル。これは電源ケーブルとなります。HDMIで映像を、USBケーブルで電源を取る仕組みです。USB-AはPCもしくは付属の電源アダプターに接続します。
アダプタはType-Aの給電用となっています。
付属ケースのチェック
こちらは付属のキャリングケース。
青い布で作られています。帆布のような感触で、丈夫そう。中身は黒いクッションになっています。また厚紙が入っており、多少押されても液晶が曲がらないようになっています。
とはいえ、ぶつけたり、満員電車で耐えられるほどの硬さではないので、持ち運びには注意したい。
ケースのみの重さは実測で255gでした。本体と合わせて1kgほどになります。
WTS的まとめ
16.1インチへの大型化、良好な色合い、さらに軽量化もされモバイルディスプレイとして非常に利便性の高い製品です。
旧モデルは屋内で手軽に移動するためのモバイルディスプレイといった感じでしたが、On-Lap M161Hはまさにどこにでも持ち運べる大画面に進化を遂げました。
16.1インチはノートPCでは大型です。コンパクトノートを大型ノートPCなみに拡張し、快適な作業環境を実現できます。
出張で狭いディスプレイにイライラしていたら、ぜひOn-Lap M161Hを使ってみてください。作業が大幅に効率アップするはずです!
コメント