現代人は弱体化しました。
2001年ごろ、まだノートパソコンは3kg、4kgが当たり前でした。高機能なノートになれば5kgなんてのありました。それが普通でしたし、だれも疑問に思うことなく持ち運んでいました。
しかし2014年、スマホとタブレットでほとんどの用事は済むようになり、どんどんとデバイスは小型軽量化。そのため腕は細くなり、筋力はおとろえ、ついに人類は3kg以上のノートは持てなくなってしまったのです!
というヨタ話は置いておきまして、弱体化人類代表の太田アベル(@LandscapeSketch)でも毎日持ち運べる、13インチの本格ゲーミングノートが来たんですよ!
2,560×1,440もの超高精細”IGZO”液晶と、GeForce GTX 860Mを13インチに詰め込んだ、マウスコンピュータのゲーミングノートPC「NEXTGEAR-NOTE i421」です!
さっそくレビュー!
IGZOってなに?
まずi421が搭載する液晶、IGZO[イグゾー]ってなに?という話です。
IGZOはシャープが開発した、超高精細と低消費電力を兼ね備えた最新の液晶パネルです。電力に厳しいスマホやタブレットなどに続々と採用されています。
IGZOを使うだけで電池の持ちが1日分も変わってしまうそうですから、そりゃ使いますよね。しかも画像もきめ細かくなるっていうんだから使わなきゃソンと言えるレベル。
i421はIGZOを採用することで2,560×1,440もの解像度と、GTX 860Mを搭載しながら6.5時間(公称)のバッテリー駆動が可能です。
スペック
さて今回のテスト機ですが、i421[IGZO]シリーズのフラッグシップ機にあたる、実売18〜22万円前後の高級機です。
以下のスペック表を見ていただければわかりますが、「よく13インチにここまで積んだね!」と思わず思ってしまう(何?)ほどの充実ぶり。
mSATA SSD(x2) RAIO 0と1TB HDDって・・・そんなにいろいろ入るところがあるんだこのコンパクトなボディに。しかもたった2.1kg!
CPUは現在モバイル最強クラスのCore i7-4810MQ。グラフィックスはGeForce GTX860M (2GB)。ミドルハイクラスのGPUを搭載してきています。
これだけの高性能にかかわらず6.5時間もの駆動時間を確保している点も注目。
使う前から速さは容易に想像がつきます。
果たしてその使い心地とは?
項目 | スペック |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i7-4810MQ プロセッサー (4コア/2.80GHz/TB時最大3.80GHz/6MB スマートキャッシュ/HT対応) |
OS | Windows 8.1 Update 64ビット |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce® GTX860M(2GB) |
メモリ | 16GB PC3-12800 (8GB×2/デュアルチャネル) |
mSATA SSD | 【RAID 0】512GB mSATA (ストライピング 256GB×2) |
ハードディスク | 1TB SerialATAII 5400rpm |
チップセット | インテル® HM87 Express |
ディスプレイ | 13.3型 WQHDノングレア 「IGZO」 液晶(2,560×1,440/ LEDバックライト) |
無線 | IEEE 802.11 b/g/n ・ Bluetooth® V4.0 + LE 準拠モジュール |
バッテリー駆動時間 | 約 6.5時間 |
重量 | 約 2.1kg |
GPUベンチマーク
さっそくベンチマークを取っていきましょう!
まずは3DMarkの標準画面サイズである1280×720で計測。
ベンチマークソフト | スコア |
---|---|
3DMark(2013) Fire Strike | 3805 |
3DMark(2013) Sky Driver | 12010 |
3DMark(2013) Cloud Gate | 15905 |
3DMark(2013) Ice Storm | 88348 |
Fire Strikeは3000を超えればほとんどのゲームで快適と言われます。NextGear i421は3800と4000にせまる値を記録しており、描画性能は安心です。
次にIGZO全開の解像度2560×1440で計測します。
ベンチマークソフト | スコア |
---|---|
3DMark(2013) Fire Strike | 1623 |
3DMark(2013) Sky Driver | 5526 |
3DMark(2013) Cloud Gate | 6688 |
3DMark(2013) Ice Storm | 40823 |
やはり解像度が倍近くになるとおよそ40%程度のポイントに落ちつきます。処理速度はピクセル数に依存することがよく分かります。この解像度でも余裕を持たせるにはGTX 870Mほどが必要となりそうです。
さてベンチマーク中にもう一点気づいたことは画面の大きさ。2560×1440の解像度が設定できないソフト(3DMark 11など)では、フルスクリーン時に写真のように画面中央に小さく表示されてしまいます。ゲームソフトによってはこのような画面になってしまうでしょう。
3DMark(2013)は1920×1080の解像度に設定しても適切な大きさに拡大表示されました。
その場合引き伸ばしがかかりますが、ほとんどぼやけた感じもなく、文字もしっかり読めます。通常使用には解像度に関しての心配はなさそうです。
普段の使い方では非常に美麗
普段使いにおいてはWQHDの画面は非常に美麗。
下のごみ箱アイコンを見てください。文字の滑らかさが全然違いますね。画面全体がきめ細かく、使っていて気持ちよさを感じます。
ウィンドウ表示がものすごく小さくなるものも
先ほどの解像度の話ですが、ウィンドウ表示でも問題が出る時がありました。
例えば下のOriginのログイン画面。
周りのアイコンと比べてみてください。かなり小さな文字になってしまいます。このような特殊なソフトでは解像度に合わせたスケーリングができない場合があります。
このような現象はWindowsのOS自体が高解像度に遅れを取っているのが原因です。早めのルール決めとソフト対応が求められます。
ディスクベンチマーク
もうひとつ気になるのはSSDをRAID 0化したメインストレージ。
これは上位機種のオプションですが、やはり快適。
なんだこれw。
シーケンシャルリードは1022M/sを達成!一台だけのSSDに比べ、2倍近い数値が出ました。これなら起動に時間のかかるBattleFieldでも快適です。
実際読み込みはかなり速く、覚悟が決まる前に戦場へ駆りだされます(笑)
キーは打ちやすいがもう少し高級感がほしい
キーはアイソレーションタイプのオーソドックスなもの。キーはさらっとした表面処理で、深さはあまりありません。先日はiiyamaの筐体を採用したパソコン工房の機種をレビューしましたが、それと比較すると軽い造りです。
軽い分、すばやく打ってもあまり疲れません。中央部は多少のたわみがありますが、気になるほどではなくある程度の剛性感も感じられます。
キーボードの大きさはごく普通です。
ただEnter周りのキーはちょっと変則的です。
とくに写真の2つのカッコキーが非常に長くなっており、最初はEnterと打ち間違うことが多々ありました。また右シフトも小さくなってしまっています。Enterを大きくするなどもう少し工夫して収めてほしいところ。
バックライト付き
キーボードはバックライト付きです。
多少暗いところでも十分にキーを打つことが可能です。
小型だから仕方がないが、熱は高い
ベンチマークを始めるとすぐにファンスピードが上がります。
ファンは主に左側から熱を放出します。キーボード全体はほんのり暖かい程度ですが、本体左側面の通気口は45〜50℃と高め。左側に物を置くと温度が上がりすぎるので要注意です。
ファンの音は低音〜中音域です。そんなに気になるほどではありませんが、離れていても聞こえる音量です。
WTS的まとめ
NEXTGEAR-NOTE i421のまずはひと通りのレビューをしてみました。
コンパクトな13インチボディ、2.1kgという軽さにゲームプレイに必要なすべての要素が組み込まれています。非常に物欲を刺激される一台ですね!
もちろん通常の動作も高速ですから、仕事から遊びまでなんでもこなせてしまいます。IGZOの解像度で一眼レフの写真でも非常に高精細で表示可能。
13インチゲームマシンとして貴重な一台です。