どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
今日はThinkPad X1シリーズの最上位グレード、“持ち運べるワークステーション”こと「ThinkPad X1 Extreme」をレビューしますよ!
ThinkPad X1シリーズは薄型、軽量、頑丈が最大の魅力です。しかし、ここにワークステーションクラスの最新世代CPUと強力なグラフィックチップnVidia GeForce GTX 1050 Tiを装備。
果たして薄型、軽量とハイパフォーマンスは両立できているのか?レビューしていきたいと思います。
- 薄型 18.7mm、軽量 1.84kg以下、頑丈 MIL-SPECを通過
- 最新世代CPU搭載
- グラフィックチップ nVidia GeForce GTX 1050 Ti搭載
- ThinkPad伝統の打ちやすいキーボード
デザイン
デザインはThinkPad伝統のカラーと質感です。サラッとした触感のブラック塗装で仕上げられています。
オシャレ感はあまりありませんが、ガッチリと引き締まった頑丈なイメージを感じさせます。
左上のThinkPadロゴ、右下のX1ロゴが控えめでいいですね。
ディスプレイ
ディスプレイは15.6インチ。解像度はFULL HD (1920×1080)もしくは4K (UHD液晶 (3840×2160 IPS 400nit) マルチタッチパネル(10点))を選択可能です。
4K UHDモデルは特に色合いが秀逸。
というのも、ノート型ながらなんと最新「10億色表示」が可能なのです!(表示にはAdobe PhotoShop、Lightroomなど対応ソフトが必要)
いままでのディスプレイは、最大色数が1600万色(正確には16,777,216色)でした。もちろんこれで十分ではあるのですが、恐ろしく微妙な色合いを求める写真家、デザイナーには「最後の一線が見えない!」ものでした。
そこで最新の10億色表示。
数字を見ればわかりますが、莫大な色数を扱うことが可能です。漆黒の中に浮くかなり濃いグレーや、真っ白のカベに描かれた白い線など、感性レベルの質感と微妙な色合いを表示することが可能になりました。
僕のようなシロウトでも、ThinkPad X1 Extremeを初めて開いたときに、その驚くほど鮮やかな色合いが印象に残りました。
写真家、CG作家でも、このノートで作品作りを完成できるほどでしょう。
また4K UHDモデルはタッチ操作にも対応。ペンでの描画にも対応しています。より直感的に扱うことが可能です。
ディスプレイは最大180度開くことが可能。複数人でのぞき込むような使い方もできます。これもThinkPadシリーズの特徴です。
キーボード
ThinkPadの注目点はキーボード。長年ビジネスで鍛えられた非常に打ちやすいキーボードです。
キーは下側が丸くなっている独特な形で、表面もわずかにへこんでいて指にフィット。すっと押し下がり、タンッとしっかりした反発があります。ノートパソコンでは最高の部類のタッチ感です。
またホコリや湿気の多い場所でも実働に耐え、さらには多少水をこぼしても平気という強靭さも備えます。
キーはアイソレーションタイプ。フルサイズのキーピッチでさらに一つ一つのキーが間隔を持って並んでいるので、爪が長い女性でも上のキーに引っかかったりすることがありません。キーのスキマにゴミやホコリが入ることもありますが、間隔があるので簡単に掃除できるのも良い点でしょう。
キーボード右側には指紋認証も搭載。ワンタッチで高度なセキュリティを扱えます。
タッチパッド、トラックポイント
ThinkPadのトレードマークでもある、キーボードの真ん中にある赤いトラックポイント。人差し指でわずかに力を入れると、その方向にカーソルが動きます。
タッチパッドしか使ったことない人は「いまいち使いづらい」と言うことが多いのですが、ThinkPadを長年使っている人の中には「トラックポイントのためにThinkPadを買っている」という人もいます。
トラックポイントの最大の利点はキーボードのホームポジションから手を動かさなくてもマウス操作ができること。使ってみるわかりますが、腕の動きが他のパソコンに比べて半分以下になります。
書類を作るときの操作を考えてみてください。
文字を打つ → マウスを持つ → 文字を打つ → マウスを持つ・・・
という感じでけっこう手を動かしています。
これでは手を動かすたびに思考が途切れ、集中力が途切れがちになります。
そこでトラックポイントです。
キーボードのホームポジションに手をおいたままで操作できるので、腕を一切動かさずにすべての操作が行えます。キーボードを主に使う人にとって、トラックポイントは非常に使えるデバイスです。
トラックポイントは操作に多少の慣れが必要ですので、一般的なタッチパッドも搭載しています。
タッチパッドは1プレートタイプ。左下/右下を押し込むことで左/右クリックが可能です。タッチパッドも同色で、統一感があります。
ポート類
ノート型ながらも、ポート類はデスクトップマシン並に多数装備されています。
ディスプレイ端子だけで計3ポート(HDMI ×1、ThunderBolt 3 ×2)があり、本体だけで3つの外部ディスプレイに接続できます。(ThunderBolt 3はUSB Type-Cとの兼用になります。)
USBは通常の3.1 Type-Aが2ポート、そして上記のThunderBolt 3はUSB Type-Cとの兼用を合わせて4ポート。
それ以上のポートを求める際は、別売りのThinkPad Thunderbolt 3 Workstation ドックを使えば、さらに大量のポートを追加可能です。
静粛性
この薄さに強力なGPUを搭載したということは、熱がこもってさぞかしファンの音もひどいだろうな・・・と先入観がありましたが、驚くほど静かです。
軽量作業時は、耳を近づけないとファンの音が聞こえないほどです。
テストで高負荷をかけたときにファンの風切り音が出てきますが、最高潮でもファンの音は低音で、耳障りな高音はほとんどありません。
裏側は効率的に冷却空気を取り込むよう、熱源付近に多数のスリットが開いています。設計がしっかりしています。
スペック
今回レビューしているモデルで。4K UHDディスプレイとCore i7を搭載した最上位モデルになります。
ほかにもCore i5、Full HDの下位モデルもありますので、必要な機能で選ぶことが可能です。
現在特別クーポンキャンペーンも行っていますので、ぜひ終了前にご覧ください。
項目 | スペック |
---|---|
OS | Microsoft Windows 10 Home (x64) |
CPU | Intel Core i7-8750H |
CPUコア/スレッド数 | 6コア / 12スレッド |
メモリ | 32 GB |
メモリスロット (空きスロット) | 4 (2) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti 4GB |
ストレージ 1 | 512GB NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ |
解像度 | 3840 x 2160ピクセル |
ポート類 | USB 3.0 x2、USB Type-C x2 (ThunderBolt 3兼用)、HDMI、カードリーダー |
Bluetooth | あり |
無線LAN(Wi-Fi) | あり |
有線LAN | なし |
サイズ | 約 361.8×245.7×18.7mm UHD IPS マルチタッチ / 約 361.8×245.7×18.4mm FHD IPS |
重量 | 約 1.84kg UHD IPS マルチタッチ / 約 1.71kg FHD IPS |
3DMark
ゲームベンチマークとして、ほぼ業界標準となっている3DMarkにてテストをしました。
ベンチマーク | スコア |
---|---|
Ice Storm Extreme | 67869 |
Cloud Gate | 24838 |
Sky Diver | 19186 |
Fire Strike | 6945 |
Fire Strike Extreme | 3312 |
Fire Strike Ultra | 1667 |
Time Spy | 2404 |
ノート型としては十分なスコアを出しています。
ゲームベンチマークではありますが、3DCGの表示などにもかかわるスコアです。CG作成作業もかなり速くなりそうです。
PCMark 10
パソコンの全体的な性能を試験するベンチマークです。
インターネットブラウズや文書作成、画像処理など、普段よく行う作業がどれだけ快適になるかが分かります。
スコアは4896ポイント。
一般的なパソコンでは2000ポイントが標準点となりますので、その2.5倍近いスコアです。どんな作業にも余裕で対応できそうです。
ドラゴンクエストX
オンラインゲームのドラゴンクエスト Xのベンチマーク。軽めのソフトのジャンルとなります。
スコアは18771ポイント。
軽量なグラフィックはラクラクです。
CineBench 15
CPUとOpenGL能力を計測するChineBench 15です。
テスト | スコア |
---|---|
OpenGL | 100.57fps |
CPU | 1099cb |
OpenGL性能も申し分ありません。
ベンチマークでは総じて高いスコアを示しています。
どんな作業にも余裕を持って対処できそうです。
WTS的まとめ
動作は非常に速く、ワークステーションだと言い切れる十分なパワーを備えています。
地味なポイントながら、10億色対応の美麗なディスプレイもポイント。写真家やデザイナーはこれだけでも、ThinkPad X1 Extremeを検討する価値があるでしょう。
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