ThinkPad好きの太田アベル(@LandscapeSketch)ですこんにちは。
今日は3Kを搭載するモバイルワークステーション、Lenovo ThinkPad W540をお借りしましたので、使用感や性能を調べていきたいと想います。(Lenovo W540公式サイトはこちら)
第一回は入力装置と本体概要です。
モバイルワークステーションとは?
W540はLenovoでは「モバイルワークステーション」として分類されています。
「ワークステーション」とは、○◯機能を持ったパソコンというような、明確な分類はありませんが高度なグラフィックソフトや多数のビジネスソフトを動かすための特別仕様のパソコンという感じです。
高度なグラフィックソフトというと、CADや3DCG、PhotoShopのような写真編集、動画編集ソフトなどです。ほかにも科学技術の分析ソフトや医療用の解析システムを使うこともあるでしょう。いずれも本物のプロ用ソフトです。
Photo:Bird’s Eye View of Roofscape By Jeremy Levine Design
これらのソフトは一般的なパソコンでも動かせますが、メモリ容量、グラフィック能力が足りなくて遅くなることがあります。また、長時間フルパワーで動かし続けることが普通なので、通常よりはるかに熱処理が重要になってきます。
ワークステーションは排熱の最適化と性能の維持が最大の問題となります。
3Kの広さ
やはりこの機種で気になるのは「3Kってどのくらい広いの?」という部分でしょう。下の写真を見てみてください。
ベンチマークソフトのPC Mark8の画面です。通常は真ん中にけっこう大きめの画面が開きますが、ご覧のように画面に対してかなり小さな画面となっています。
広々と画面が使えます。たくさんのウィンドウを開いて作業する人にはうれしいですね。字はそれなりに小さくなりますが、読み難いほどではなく、設定でさらに大きくすることもできます。
質感と外観
まずは筐体を見てみます。
3Kを積んだモバイルワークステーションという名前から、「相当ゴツくて重いんだろうな」と思ってしまいますが、見た目は拍子抜けするほどシンプル。
いつも通りのLenovoお得意のマットブラック塗装で、全体的にしっとりとした感触。手がすべることはありませんし、テカテカではないのでハードな使用をしても傷やほこりに気を取られることはないでしょう。
全体的に「プロ用」という雰囲気が伝わってきます。
持ちやすい
大きさは15インチ。黒でシンプルにまとめられているからでしょうか、普通の15インチノートよりも小型に見えます。でも実際に小さいわけではなく本体寸法は約376.6 x 248.1 x 27.9mmと一般的な15インチノートサイズです。
厚さも2.79cmということで持ちやすい厚さ。
重量は2.72kg。「けっこう重さがあるな」と思ってしまいますが重量バランスもよく、ずっしりと感じることはありません。それよりも3K液晶、NVIDIA Quadro K2100M、Core i7を搭載したワークステーションを、2kg台に抑えたことがすばらしい!
高度で部品数も多いため、ワークステーションは必然的に重くなってしまいます。2kg台という重さはかなり挑戦だったでしょう。
先にも書きましたが、もともとW540は頻繁に持ち運ぶことは想定していない機種。でも必要なときにはさっと持ち運べる重さ。機能と重量のギリギリのバランスなのです。
やはりキーボードはイイ!
操作感を確かめてみましょう。
ThinkPadシリーズといえばキーボード。W540も他のシリーズ同様キーとキーが離れたアイソレーションキーを採用。下側に丸みをつけた独特の形もおなじみです。
キーとキーがくっついた昔ながらのタイプに比べ、キーの打ちミスはかなり減るでしょう。
キーはすっと入り、タンッとしっかりとした底打ち感があります。キーボード裏のシャーシ、キーの反発力、どれをとっても打っていて非常に気持ちがよく、文字を打つ気にさせるキーボードです。
一体型タッチパッド
新しくなったタッチパッドはこの一体型。
いままではタッチ部分とボタンが部品として分かれていましたが、W540では1枚の板になりました。
- 左と左下が左クリック
- 右上と右下が右クリック
- 中央上がトラックポイントと併用するスクロールボタン
このような機能を備えています。
僕の感想ですが、1週間程度使ってみたところ、最初は「あれ?クリックしたつもりなのに動かない」ということがたびたびありましたが、週の終わりには慣れました。
これはなぜかというと、タッチパッドは押し込むと全体が傾いてクリックとなりますが、1~2mmほどの深さで下がるため、下がるときに指がわずかにすべりカーソルがずれてしまいます。押しこむクリックよりも軽いタップなら正確に操作はできます。
しかし常に操作を意識することを求められ、この点はけっこう気になりました。
またクリック時「ガコッ」という音が鳴るのも気になります(大きな音ではありませんが)。新しいタッチパッドにはもう少し熟成が必要かなと感じました。
ジェスチャーの調整
Windows8になってスワイプなどのジェスチャ(2本指、3本指の操作や特殊なタッチパネル操作)が充実しました。しかしマウスをサッと動かすと予想外にWindowsチャームの出現したり、とつぜんウィンドウが切り替わってしまったりとイマイチな使い勝手です。
このような操作は コントロールパネル > マウス の設定でON/OFFができますので、使いづらい場合は適宜OFFにしてください。(僕はジェスチャに関してはほとんどOFFにしました)
トラックポイント
ThinkPadは伝統のトラックポイントが有名です。キーボードの真ん中にある赤いポインタがトレードマーク。
ThinkPadを初めて使う人には「なんだこれ?」という装置ですが、じつはこれはマウスの代わりなのです。クイッと押すとその方向へマウスカーソルが動きます。
トラックポイントの最大の利点はキーボードのホームポジションから手を動かさなくてもマウス操作ができること。
トラックポイントの利点
書類を作るときの操作を考えてみてください。
文字を打つ → マウスを持つ → 文字を打つ → マウスを持つ・・・
という感じでひんぱんに手を行き来しているとおもいます。人間は手足を動かす時かなりの集中力を使います。手を動かすたびに集中力が途切れがちになります。
そこでトラックポイントです。
キーボードのホームポジションに手をおいたままで操作できるので、腕を一切動かさずにすべての操作が行えます。キーボードを主に使う人にとって、トラックポイントは非常に使えるデバイスです。
WTS的まとめ
今回は入力装置を主に見てきました。
パソコンと人間をつなぐ部分はキーボードとマウスなどしか無いわけで、使いにくければパソコンすべてが使いにくく感じてしまいます。(映画のように頭に配線を挿せる日は来るのでしょうか?)
ThinkPadは長年仕事用として愛されてきました。そのため入力装置に非常にこだわりがあります。
触る機会があればぜひ使い比べてみてください。