どうも太田アベル(@LandscapeSketch)です。
今日はKingston社の新しいSSD「UV400」のレビューです。低価格で人気を博したV300シリーズの後継となるシリーズ。実験用機材として480GBモデルをご提供いただきましたので、こいつをいろいろ料理していきたいと思います。(笑)
低価格と速度、どのレベルでバランスされているのでしょうか?
前シリーズとの比較
まずはシリーズの概略です。
UV400シリーズは、従来のV300シリーズを置き換える、新しい低価格路線のSSDです。
先代となるV300は、価格比較サイトで常に上位に張り付くほどの驚異的な低価格がウリで、しかも「読み込み速度もなかなか速い」ということで、かなりの人気を博しました。特に、古いPCを安価にパワーアップし、延命を考える人たちが多く買ったようです。
しかし、すでに発売されて3年以上が経過し、最新のパソコンでは物足りない性能となってしまったのも事実。特に書き込みが最新機種と比べだいぶ遅く、最新アプリでの写真や動画の編集や整頓などでは、もたつく場面も出てきています。(それでもハードディスクよりは快適ですが・・・)
新生UV400は、コントローラに最新のMarvell 88SS1074(4チャンネル)を採用することで、転送力を大幅に強化。加えてNANDにTLC技術を使うことで、パフォーマンスを上げつつ、低価格を維持しています。
スペック
今回の実験台となる480GBモデルのスペックです。(※他の容量ではスペックが異なりますので、必ず公式サイトで確認してください)
注目は大幅に引き上げられた読み書き速度!
V300(480GBモデル)では、最大読み込み速度480MB/s、最大書き込み速度208MB/sという値でしたが、UV400はなんと最大読み込み速度550MB/s、最大書き込み速度500MB/sと大幅にアップ!ハイエンドモデルに迫る速さです。
特に、遅さが目立っていた書き込み速度はV300比2.5倍と、非常に期待できるスペックとなっています。
また、TLC NANDを採用したことで寿命を気にする人もいると思いますが、480GBモデルでは最大書き込み量(TBW)が200TBとなっており、1年40TBもの書き込みをしても5年はもつ計算です。3年間の長期保証もついているので、さらに安心だといえるでしょう。(40TB=40000GB 365日で割ると1日約109GBもの書き込みをしてもOKだと考えられます)
項目 | スペック |
---|---|
ブランド名 | UV400 |
型番 | SUV400S37/480G |
接続 | SATA 6.0GB/s |
最大読み込み速度 | 550MB/s |
最大書き込み速度 | 500MB/s |
TBW | 200TB 0.81 DWPD |
パッケージ
こちらがパッケージ。格安SSDとしてさらに効率を求めた結果、箱ですらなくなりました。(笑)
USBメモリが入っているようなブリスターパックです。
ブリスターパックでの注意は歯で開けようとしないことですね。歯グキが切れますので。(切ったのか)
最上位モデルHyperX Savageとの比較。扱いの差がすごい。
ベンチマーク
ではCrystalDiskMarkでベンチマークを取ってみましょう!
こ、これはすごい!
連続読み込みについては公称スペックに非常に近い、十分な速度が出ています。とても廉価版SSDとは思えません。また、実用域となる4K Q32TIについても、リード300MB/s、ライト290MB/sと、十分な速さとなっています。
1~4GiBのテスト容量でもばらつきは非常に少なく、普段使いから大容量転送まで性能を保っています。
さらに細かなベンチマークを取ってみましょう。
4KBから少し急に落ち始めますが、全体的になだらかなグラフで、こちらでも安定した性能が出ていることがよくわかります。
参考までに最上位モデルとなるHyperX Savageと比較してみます。
読み込み速度については最上位モデルに追いつくほどです。UV400の新しいコントローラは非常に優秀だ、と言えます。
ではHyperXとの違いは?というと、性能的な面では書き込み速度の違いでしょう。HyperXは最上位モデルの貫禄、どこまで行っても高速です。こういった細かな点がモデルの違いと言えそうです。
また、メーカー公称の寿命(TBW)は、HyperXのほうがはるかに多く設定されています。この価格帯なので選別チップを使っていることも想像に難くありません。大容量を使うメディアワークやゲームではHyperXを選ぶべきです。
そして安い!
十分な速度、十分な容量、長くなった寿命・・・となると、気になるのは価格。先代のV300は、120GBなら6,000円以下で買えてしまうのが魅力でしたが、高くなったら魅力は半減。自作ユーザーも激安SSDがなくなって悲しくなるでしょう。(?)
でも大丈夫!
UV400の実売価格を調べたところ、120GB最安店(ドスパラ)で、なんとわずか4,161円!って、V300より安くなってるけど大丈夫か!?
パワーアップした上に安くなっています。なんでしょうこれは。今後価格比較サイトの上位はUV400が塗り替えていくことになるでしょう。
各容量別の最新価格は次の通り。(すべて税込計算 2016/8/18現在)
Kingston UV400 Series | モデルナンバー | Amazon価格 | ドスパラ価格 |
---|---|---|---|
120GB | SUV400S37/120G | 4,450円 | 4,161円 |
240GB | SUV400S37/240G | 6,559円 | 6,377円 |
480GB | SUV400S37/480G | 12,267円 | 11,926円 |
WTS的まとめ
SSDもTLCという技術が生まれ、一気に低価格化が進んでいます。いままでは 安いSSD=型落ちのSSD というのが通例でしたが、Kingston UV400がこの通例をひっくり返すでしょうね!
最新で高速なのに安いというのは、もはや反則です。(笑)
高寿命・高耐久・高速な最上位モデル「HyperX SSD」もレビューしています。お時間がありましたらぜひお読みください。こちらです。
■掲載ベンチマーク結果についてのご注意■
ベンチマーク結果は選択したスペックによって大きく上下します。また機材の入手時点(記事の掲載日付は最上部に掲載)での結果となりますので、掲載から時間が経っている場合はマイナーチェンジ等により数値が変わることがあります。
上記は入手した機材において個人的に計測したもので、メーカー公式発表ではありません。目安としてお考えください。
■価格やスペックについて■
価格やスペック、オプション品、キャンペーン等は記事掲載時点(記事の掲載日付は最上部に掲載)での内容となります。構成内容は予告なく変更、終了する場合がございます。ご購入前には必ずスペックと価格を再度ご確認ください。